SEARCH AND DESTROY / BONEMACHINE 元DANGER DANGERのボーカリストTED POLEY率いるバンドの ライヴ・アルバム。新ボーカルとしてPAUL LAINEを加えた DANGER DANGERはダークな方向へと向かってしまったので、 どちらかというとポップなこちらの方が、過去のDANGER DANGERに 近いとも言えるが、躍動感のある明るい部分だけであるので、 何となく物足りなさも感じる。ラフで生き生きした感があり、 ライヴ・アルバムとしては悪くないと思うが、まだこれまでに デモ音源をCD化したものを発表しただけなので、 ライヴ・アルバムよりスタジオ・アルバムを早くという 気もしないではないが。[76] SPELLBINDER / URIAH HEEP 1970年から活動するイギリスの古参ハード・ロック・グループで、 昨年SEA OF LIGHTがマスコミに持ち上げられて日本でも久々に 注目されたが、このライヴはそれ以前の音源で、新規のファンには これまでのバンドを知って貰うのに楽曲的にはかえって良いかも 知れない。ただ、これまでライヴは何枚も出している訳で、 そういう意味では非常に弱い。名曲Look At Yourselfから Lady In Blackへの展開は中々素晴らしいし、出来的には全く 問題ない。[82] THE ALL EUROPEAN HERO / GALLEON 北欧プログレッシヴ・ロック・バンドの4作目。楽曲の 盛り上げ方、構成等は進歩の後を見せ、これまでの中ではもっとも 良く作られている。シンフォニック・ロック的で トラディショナルな静的な感じだが、メロディのセンスも良いし 聴いていて気持ち良い。若干キーボードが大仰でうざったい 部分もあるが、全体的にはむしろしっとりと落ち着いた風だ。 ボーカルもうまいとは言えないが、バンドの色としてはあっており 十分聴ける。[81] TAKING THE WORLD BY STORM / DEMON N.W.O.B.H.M.の生き残りで、かなりいきなりな感じだが、1989年に リリースした7枚目のアルバムをリマスターして再発したもの。 変化の激しいバンドで、デビュー当時はキャッチーな メロディながら、どことなく物悲しさを感じさせていいたし、 BRITISH STANDARD APPROVEDやHEART OF OUR TIMEでは プログレッシヴ・ロック的なアプローチを見せていた。 Rememberance Day等ではその名残で、プログレッシヴ・ロック的な サウンドを聴かせているが、前半はメロディアスだが アップ・テンポのノリ重視の楽曲が続く。圧巻はメロディアスで 壮大なナンバーBlue Skies In Red Squareだが、全体的に見て DEMONの中で傑出したアルバムとは言いがたい。[80] WINTERLAND / DIVINE SIN 北欧のバンドのデビュー作で、メロディック・デス・メタルとも パワー・メタルともとれそうな内容だ。ボーカルは野太く 歪ませているが、ちゃんと歌っておりデス・ヴォイスとまでは 言いがたい。楽曲はメロディアスだが、ギター・リフはザクザクと 刻んでくるし、攻撃的なのでスラッシュ・メタルとも言える。 楽曲から、こういうボーカル・スタイルを選んだのだろうが、 吉と出るかどうかは聞き手によるだろう。ダークでヘヴィで 迫力はあるし、プロダクションがもっと良くなれば良い作品を 作るだろう。[80] ADDICTION / GLENN HUGHES 元DEEP PURPLEのボーカリスト兼ベーシストのソロ・アルバムで、 このアルバムでもベースをプレイしている。今回コンビを組んだ ギタリストMARC BONILLAとは、以前MARCのアルバムでもGLENNが 歌った事が有り、今回もそういった関係からだろう。一曲を除いて MARCが曲作りに参加していることもあったろうが、かなり意識的に ハードなアルバムを作ったのではないかと思う。前作では ロックというより非常にソウルフルなアルバムであったが、単に それは原点回帰的な表現に過ぎなかったのではないだろうか。 FROM NOW ONに比べると、MARCと組んであることもあって、 どちらかというとアメリカ的だ。GLENNのボーカルはいわずもがな 素晴らしく、偉大なロック・シンガーの一人である。[83] PLUGGED IN PERMANENT / ANVIL Super Rock '84でも来日したカナダのスピード・メタル・バンドの 5年振りの新作。よりヘヴィでダークだが、その疾走する スピード・ナンバーのベースには明らかにMORTORHEADの影響が 伺える。LIPSのボーカルにLEMMYっぽいところがあるので、 そういう感が更に強い。モダンな感じも受けるが Truth Or Consequence等はBLACK SABBATHっぽかったり、 スラッシィーだったりするが、更にスピーディーで破天荒で、 そういう部分はらしい作品と言える。[85] SACRILEGIUM / DEVIL DOLL スロヴェニアのシアトリカル・ロック・バンドの3rdアルバム。 アルバムはトータルで一曲約60分という構成だが、 ドラマの様であり、組み曲的に場面展開がある。教会音楽のような パイプオルガンや、ミサの聖歌のようなコーラス、舞踏音楽、 おどろおどろしいオカルティックな語り的なボーカル、 オーケストラと倒錯した世界観を表現している。部分的には プログレッシヴ・ロック的な音楽も挿し挾むが、全体的にまるで ホラー映画を見ているような気になる。確かにこれはこれで 面白いとは思うが、こういうシアトリカルなものが好きならば ともかく、そうでなければアルバム一枚通すのは少々辛い。[75] VICTOR / VICTOR RUSHのギタリストALEX LIFESONの初のソロ・アルバム。RUSHとは また違った世界を見せているがRUSHっぽさが全くない訳でもない。 Promise等RUSHっぽいメロディが随所に出ていていかにもという 曲だが、RUSHよりはダークでヘヴィだ。Start Todayで見せる QUEENSRYCHEのGonna Get Close To Youの作者である、 女性シンガーDALBELLOがとっているが、非常にパワフルで凄い。 それ以外では主にI MOTHER EARTHのEDWINがボーカルだが、 DALBELLOのインパクトの強さに影が薄い。RUSHに比べると特異性は それほど強くない。[81] III / RENEGADE 北欧のヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバムだが、このバンドも 1stからするとだいぶカラーが変わってしまった。 どちらかというとメロディアスだけれども、明るいノリの良い 方向性で、THIN LIZZYのThe Boys Are Back In Townを カバーしているのもあながち的外れなものではない。その割には Dancing For Awayのような暗目の曲もやっていて。楽曲的には 可もなし不可もなしという感じだがBad Reputationだけは キャッチーで、中々の佳曲である。[79] BITE / MERZY 1995年にリリースされたデンマークのハード・ロック・バンドの 3rdアルバムだが、楽曲は北欧のバンドというよりはむしろ アメリカのオーソドックスなロックそのもので、それを ハード・ロック風に味付けしている感じだ。前作の ROCK THE BLUESはそのタイトルが示す通り、ブルーズ的な部分が 強かったが、前作ほどではないがそういう指向はある。 ロックンロール的な指向が強く、かつノリが良く、 Ballroom Blitzのカバーもかなりそれ風だ。初期 VAN HALEN風でもあり、ソリッドな作りは中々好感が持てるし 前作で見せたDreamerのようなバラードStanding In The Shadow等 楽曲も悪くない。[84] THE SZUTERS / THE SZUTERS SZUTER兄弟を中心とするアメリカのバンドのデビュー盤。明らかに THE BEATLESの影響を受けたサウンドで非常にキャッチーな メロディを持ったロック・アルバムだ。そういう意味では ENUFF Z'NUFFに近いのかも知れないが、ENUFF Z'NUFFのような どことなく哀愁を感じる部分は少なく、洗練されておらず異質な 感じがする。いかにも60年代風のサウンドで郷愁を感じさせる。 CHEAP TRICKに影響を受けたそうだが、そういう部分はあまり 感じられない。[81] PARAPHERNALIA / FM 前作DEAD MAN'S SHOESと同時に制作されているので、 DEAD MAN'S SHOESと方向的には全く同じ路線だ。そういった 意味では前作のファンはまず外すことはないだろう。ブルーズ色の 強い、ソウルフルな内容で、落ち着いたアダルトな作品だ。楽曲の 出来も安定しているし、プロダクションもしっかりしていて、 安心して聴くことが出来る。日本盤には1989年のライヴが ボーナスCDとして付いているが、まだキャッチーなメロディの ハード・ロックをやっていた頃で、この新作とはかなり趣が違う。 今のFMしか知らなければBad Luck等を聴けばちょっと カルチャー・ショックを受けるかも知れない。[84] BOND OF UNION / ALLIANCE BOSTONのGARY PIHLがSAMMY HAGAR BAND時代の人脈を使っての プロジェクト・バンドで、NIGHT RANGERのALAN FITZGERALDも 参加している。キャッチーなアメリカン・ロックで、美しい メロディの楽曲が並び、叙情的なTrue Meaning Of Love等、出来は 実に良い。演奏的にはキーボードは一部の曲を除けば、意外な程 前面には出てこないが、メンバーはそれぞれ実力を兼ね備えた 人たちばかりなので安心して聴いていられる。メンツ的には もうちょっとハードなものを予想する位普通の ロック・アルバムだが、曲は非常に秀逸だ。[87] THE HAMBURG TAPES〜SPECIAL LIVE EDITION / GOTTHARD スイスのハード・ロック・バンドの来日記念盤 ライヴ・ミニ・アルバム。ミニ・アルバムという関係上 ぶつ切れではあるが、録音状態も良いし、ソリッドで エモーショナルさが良く出ていて、そのライヴ・パフォーマンスの レベルに高さが表れている。来日記念の企画盤とは思えぬ 出来栄えで、是非ともフルレンスのライヴ・アルバムを 期待したいところだ。[86] DAWN OF TIME / SEA OF DREAMS ノルウェイのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。意味不明の S.E.で始まりがっくりさせられるが、実際内容はドラマティックで 結構良い。楽曲は10分以上の曲も有し大作指向で、QUEENSRYCHEや ジャーマン・パワー・メタルの影響が見え、それを北欧の バンドらしくアレンジした感じだ。大仰で陰りのある扇情的な 美しいメロディ重視型で、展開も悪くなく、幻想的な 女性コーラスの使い方等、アイデアは非常に良い物を 持っているが、それを表現するにはまだ少し力不足だし、 消化しきれていないという感じだ。ボーカルのJIM FOSSは ハイ・トーンを除けば、JEFF TATE型で良い味を出しているが、 ハイ・トーンになるとよれよれになることがあるのは残念だ。 次作以降に非常に期待出来る。[80] THE TRUTH / BEN GRANFELT LENINGRAD COWBOYSのギタリストによる ギター・インストルゥメンタル・アルバム。LENINGRAD COWBOYSは 良く知らないのでLENINGRAD COWBOYSとの比較は止めておくが、 内容は意外にもJOE SATRIANI風の爽やかな気持ちの良い美しい メロディの楽曲が中心となっている。楽曲の出来も中々良く 出来ているし、テクニック的にも問題はないし、この系統としても 決して悪くない。[80] "WE ARE THE PEOPLE" / KEN TAMPLIN JOSHUAの元ボーカリストのソロ・アルバム。他にも自身のバンド TAMPLINやTAMPLIN AND FRIENDS等の名義でアルバムを リリースしていてややこしいが、この作品は1995年制作で、 TAMPLIN名義のIN THE WITNESS BOXと同じ頃に作成されている 事になる。格好の良いアメリカン・ロック・アルバムだが、歌が 中心であり、全体的にホーンを多様したアコースティックな 作品で、TAMPLINよりもソロ的な指向が強い。楽器もドラム以外は ほとんどKEN TAMPLINが一人で担当している。楽曲も飛抜けた 曲はないが、全体的に良く出来ているし、KEN TAMPLINの ボーカルの格好良さを味わえる。[81] NIGHT OF THE LIVING DEAD / JACKYL アメリカの縦ノリのハード・ロックンロール・バンドの ライヴ・アルバム。2ndアルバム直後の1994年のライヴを 収録した物。一応ベースはAC/DC型縦ノリなのだが、歌メロでは かなり独自性を出していてオリジナリティのあるバンドだ。 The Lumberjackの電気ノコギリ・ソロが話題を呼んだが、この ライヴでも健在だ。スタジオ・アルバム2枚出しただけなので ライヴ・アルバムはまだ少し早いような気がする。 ライヴ音源としてはその破天荒さがあまり伝わってこないし、 この時期ライヴ・アルバムを出す必要性があったのか疑問だ。[77] UNTIL IT SLEEPS / METALLICA 海外でシングルに収録されたものを集めた日本盤シングル。 シングル・カット曲Until It SleepsのHerman Melville mixは 原形を留めていないし、ヘヴィ・メタルとはおおよそ似ても 似つかぬミックスなのであまり聴く価値がない。ライヴ音源は そのリフの感覚等からバンドとしての変質が伺えて興味深い。 全体的にはあまり聴く価値があるものとは言いがたいが、 MOTORHEADのカバー、Overkillは一聴の価値がある。[74] WORKING MAN / V.A. カナダのプログレッシヴ・ハード・ロックの雄RUSHの トリビュート・アルバム。主にソフトな方向へと向かう前のものが 中心で、メンツ的には正しい選曲と言えるだろう。 SEBASTIAN BACH、JAMES LaBRIE、JACK RUSSELL、JAKE E.LEE、 BILLY SHEEHAN、DEEN CASTRONOVA等々、多彩なメンバーが 参加している。故に演奏面においてはさすがと唸らせるだけの物が ある。そして、これだけの曲をトリオでこなしてしまうRUSHの 素晴らしさを改めて感じる事が出来る。本物と比較するとやはり GEDDY LEEのボーカルの個性は別格だなと思う。[90] THE AUTUMN YEARS / POVERTY'S NO CRIME ドイツのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。 このバンドの良いところは、何と言っても扇情的なまでに 哀愁感漂うメロディとその完成度の高さだろう。 VOLKER WALSEMANNのボーカルは地味さを感じさせるがが、扇情的で 非常に個性的な歌唱を聴かせて、バンドのカラーに良く 合っている。そしてMARCO AHRENSのギターが扇情的に奏でる メロディも素晴らしいし、このバンドは自ら表現しようとしている 音楽を奏でる術を知っている。楽曲的には前作より幅を広げた 感じで、大作主義的だが、ドラマティックに構成されていて 緊張感を保っている。The Heroes Returnなどに聴かれる叙情的な 郷愁感はとにかく素晴らしいし、オリジナリティというものが 確立されていて、素晴らしい作品だ。[96] DIES IRAE / DEVIL DOLL スロヴェニアのシアトリカル・ロック・グループの4thアルバム。 前作でみせていたオカルティックなシアトリカルさはここでも 見られるが、全体的にはホラーティックな部分は減退している。 前作と比べると全体的によりハードな部分が増し、メロディアスな 部分も増して聴き易くなっている。一曲による組み曲 構成であるのは変わらないが、構成は割ときちんと展開を 持っていて、部分部分ではプログレッシヴ・ハード・ロック的で 聴ける。[78] THE SERRETS' OF THE BLACK ARTS / DARK FUNERAL スウェーデンのブラック・メタル・バンドの2ndアルバム。 EMPERORと同じタイプで疾走するブラスト・ビートに叙情的な メロディが絡む。歪んだスクリーミングで強烈だが、 聴きがたいものではない。とにかく初めから終わりまで ブラスト・ビートが延々と続くので、スピード的に変化が少なく、 どうしても単調に感じられるが、全体的にはメロディが はっきりしているし、リズム感がちゃんとしているので 聴き易い方だろう。[79] UNPLUGED / ALICE IN CHAINS MTVでのアンプラグド・ライヴの模様を収めたもの。最新 フルレンス・アルバムALICE IN CHAINSに日本発売が 中止になる中、MIKE INEZがOZZY OSBOURNE BANDとしてツアーに 出たりLAYNE STALEYが自己のプロジェクト・バンドで活動したりと 解散説が飛びかったが、とにかくライヴとは言えアルバムが リリースされ一安心というところだろう。陰鬱な感じは 変わらないが、アンプラグドの為か抑揚の押さえた感があり、 さらに情感を強く出しているように感じられる。この調子で アルバム一枚というのはつらいと言う気もするが、途中に Enter Sandmanのメロディを挾んだりと、お遊び的な作品としては 悪くないだろう。どうせなら普通のライヴ・アルバムを出して 欲しいが。[80] RATAMAHATTA / SEPULTURA ROOTSからの日本では2枚目のミニ・アルバム。WarはBOB MARLEYの カバーだが、BOB MARLEYの雰囲気などまるでない、 SEPULTURAらしい切り口だ。デモ・バージョンのものはアルバムに 入っているのとたいして変わりがないので、特に取り立てる程の ものではない。RATAMAHATTAは若干テクノっぽく アレンジされている。やはりライヴの2曲が一番 スラッシュ・メタルらしい。[76] SIMPLE / XENON アメリカのハード・ロック・バンドで約7年振りの2ndアルバム。 メンバーはベーシストが交代して、新たにキーボードを加えた 5人組になっている。明るいキャッチーな澄んだメロディで、 大らかなサウンドは聴いていて気持ちが良い。方向的には1stの 路線を引き継いだアメリカらしいサウンドではいるが、湿っぽい 部分は少なく、かなり洗練された感がある。これといった、 飛び抜けた曲はないが、ポップ・センス溢れていて、全体的に良く 出来ている。[81] THE IMMIGRANTS / THE IMMIGRANTS アメリカのブルーズ・ロック・バンドのデビュー盤。ギタリストの JENNIFER BATTENはGITの講師をやっていただけに、派手な ギター・プレイが随所に出てくるが、全体的にはそれを中心とした ハード・ロックというような感じではなくどちらかと言うと 押さえ目で、泥臭いがめりはりの効いたブルージィな アメリカン・ロックという感じだ。女性ボーカル、KALIの ハスキーな張りのあるソウルフル声は、カラー的に良く 合っている。[79] SEOTAIJI AND BOYS III / SEOTAIJI AND BOYS III 韓国のヘヴィ・メタル・バンドとしては最もメジャーの部類に 入る、SINAWIのベーシストSEO TAIJIを中心とするバンドというか ボーカル・チームの3rdアルバム。ヒップ・ホップ系に影響を 受けたと見られるような曲が中心でSINAWIとはあまり 繋がりはない。曲によってはヘヴィなリフを入れたスラッシィーな ものや、VAKENSIAのようなものもある。スラッシィーなものも ラップの影響があってANTHRAXのI'm The Man風な 感じがあったりと、純然なヘヴィ・メタルとは到底言えず、 そういうエッセンス取り入れているに過ぎない。[78] A TRIBUTE TO JUDAS PRIEST LEGEND OF METAL VOL.1 / V.A. JUDAS PRIESTのトリビュート・アルバム第一弾。DOOM SQUADは JOHN BUSH、SCOTT IAN、JORG FISCHER、JOEY BERAといった連中の プロジェクト・バンドで、お遊び的なアレンジだが取り立てて 面白いというものではない。RADAKKAは録音も悪いし、何故 こんなに無名なバンドを起用したのかは謎だ。同じ新人バンドでも 日本盤も出たLIONS SHAREの方が遥に上出来だ。キーボードが かなり前面に出ているバンドなので、このアレンジもそういう 方向で興味深い。TESTAMENTの場合、カバーでもTESTAMENTにしか 聞こえないところはさすがだろう。KING DIAMONDのヒステリックな スクリーミングもそれなりに面白い。[78] DO OR DIE / PARADISE L.A.のヘヴィ・メタル・バンドで1992年の作品だが、バンドは既に 解散している。ミドル・テンポ中心で明るい楽曲が並び、エッヂの 効いたラフでワイルドなサウンドでいかにもL.A.という感じの バンドだ。メロディは以外にキャッチーで親しみ易く、演奏も 悪くない。コーラスを多用しているが結構うまく、全体的な 完成度は高いが、楽曲は平均的に出来ているものの、飛び抜けた 曲はない。メンバー・ショットを見る限りではルックスも 結構重視しているようだ。[80] INSIDE / WHITEHEART アメリカのクリスチャン・ロック・バンドが1995年にリリースした 10枚目のアルバム。楽曲はダークでヘヴィなInside、 Living Sacrificeだけは少しバンドのカラーから外れるが、主に 湿っぽいバラードのSpeak Softly等、アコースティック・ギターを 大幅に取り入れたアダルトで叙情的な優しいメロディのものが 中心だ。先に挙げたダークなもの以外では、Ritualで ハモンド・オルガンを使ってハードなフレーズが出てくる事を 除けば、ハード・ロックとの接点はない。[82] SEEDS / BROTHER CANE アメリカのロック・バンドの2ndアルバム。ブルージィであり、 グランジっぽくもあり、ハード・ロックっぽい部分もある。 楽曲によっては最近のALICE IN CHAINSやPEARL JAMを 思い起こさせる部分もある。グランジ的素養を持った、 ブルーズ・ロックという感じで、他のバンド群とはかなり差別化 出来ていて新鮮だ。楽曲は以外に洗練されていて、センスが良く、 全体的に格好良いアルバムに仕上がっている。[84] SHELTER ME / JUCK RUSSELL GREAT WHITEのボーカリストによる1stソロ・アルバム。こういう 場合、バンドと方向的な差異が非常に気になるところだが、 ここではまさしくGREAT WHITEの世界だと言えるだろう。 GREAT WHITEは一時期、濃いブルーズ・ロック路線を行ったことが あるが、ここでもブルージィさを感じさせる部分はあるものの、 むしろ、ソリッドなハード・ロックという感じで、最近や ONCE BITTENの頃のGREAT WHITEと言える内容で、これをバンドの 新作だと言われても全く違和感はない。ONCE BITTEN収録の Save Your Loveをヴァイオリンとアコースティック・ギターで やっているが、雰囲気的にはオリジナルと変わらない。演奏的には バックはGREAT WHITEより少し引っ込み気味で、ボーカルをより 押し出した感じがする。楽曲の出来が全体的に粒が揃っていて 良い出来だ。[87] SECOND TO NONE / JONAS HANSSON BAND 元SILVER MOUNTAINのギタリスト率いる自己のバンドの 2ndアルバム。基本的には前作の延長線上で、 SILVER MOUNTAINのような北欧美旋律系的要素もあるが、1stより もっとポップさを減退させた、いかにもハード・ロックらしい 骨太なサウンドになっている。全体的にプロダクション、 アレンジが1stより良くなっていて、完成度は上がっていると 思う。ボーカルとベースが交代しているが、新しいSTANLEY ROSEは タイプ的に前のボーカリストMIKE STONEと大きく違わないが、 もっと通ったパワフルなボーカリストで、アルバムの方向性からは 悪くない選択だろう。もっと北欧っぽい美旋律を求めるならば JONAS HANSSONの方向性は外れてきているとしか言い様がない。 [80] SONIC WINTER / JOHANSSON 元SILVER MOUNTAIN、YNGWIE J'MALMSTEEN'S RISING FORCE等に 在籍したJOHANSSONS兄弟を中心としたプロジェクト・バンドで、 THE JOHANSSON BROTHERS名義前作に続く2作目。ボーカルは M.S.G.への加入が決まった元GREAT KING RATのLEIF SUNDINが 前作に続き取っている。楽曲は非常にキャッチーなのだが、 その曲をベースにクラシカルであったり、ジャージィで あったりする演奏は圧巻だ。特に11分の大作Enigma Suite等は 凄いし、All Opposable ThumbsでのJENS JOHANSSONのキーボードも 聴きどころだ。楽曲の出来は特にこれと言ったものはないが、 悪いと言うものでもない。[83] OBSESSION / UFO 1978年にリリースされたMICHAEL SCHENKER在籍時の最後の アルバム。LIGHTS OUTと並んでUFOが最も売れていた時期の 作品だが、MICHAEL SCHENKERの精神的不安定が、これらの プレイを産み出したとするなら何とも皮肉な話だ。 One More For The Rodeo等で聴けるMICHAEL SCHENKERの情感溢れる ギター・プレイはやはり素晴らしい。楽曲の方は若干 中弛みしているよう気がするが。[83] PARIS IS DYING... / MOZART アメリカ出身のVALENTINE、VALENSIAと並ぶQUEENのフォローワーで これが3rdアルバムとなる。VALENTINEやVALENSIAはQUEENや KATE BUSHが持つリリカルな部分をよりデフォルメしたような 音像であるのに対してMOZARTはよりロック的な部分を押し 出しており、今作では以前よりさらに大仰さを削り落とし、 ドラマティックな展開は出来るだけシンプルにしている。 もちろん、ボーカルやコーラスは相変わらず、 QUEENらしいのだが、随分聴き易くなった感がある。ここら辺は やはりアメリカ人とオランダ人の感性の違いだろうか。[82] DEEP PURPLE MkIII THE FINAL CONCERT / DEEP PURPLE 第3期DEEP PURPLEのラスト・ライヴであるMADE IN EURIPEの残りの 音源をCD化したもの。3回の公演からのものなので、全11曲のうち Mistreatedや、You Fool No Oneがだぶって入っているが、だから 悪いという物でもないだろう。GLENN HUGHESがいたので、ちゃんと BURNも入っているのが嬉しい。残り音源と言っても出来は良いし、 興味深い内容だ。とは言ってもまず普通MADE IN EUROPEを先に 買うだろうし、ライヴもこれだけ出てるとファン以外には中々 見向きされないように思う。[86] FOMA / THE NIXONS アメリカ出身のバンドの2ndアルバム。内容はPEARL JAM等を 思い起こさせるような、若干オルタナティヴっぽいサウンドだが、 実際にはもっとハード・ロックよりで、両者の クロス・ーオーバーという風に感じる。楽曲の端々にグランジ風の メロディを感じさせるが、演奏はもっとハードで重厚で、 インパクトがある。GLEN TIMPTONが参加しているBlind等、彼の ギターが前面に押し出されていてかなりヘヴィな曲だ。楽曲も 全曲とまでは言えないが切迫感を持ったTrampoline等は 聴きごたえがある。[82] THE DARK SAGA / ICED EARTH アメリカのパワー・メタル・バンドの4thアルバム。かなり スラッシィなリフに非常にドラマティックなメロディが絡んだ 楽曲をやっている。このバンドの持ち味はやはり、 ドラマティックで暗く、寂涼感のあるメロディだが、2ndの NIGHT OF THE STORMRIDERでは楽曲によっては非常に秀逸なものが あったのが3rdのBurnt Offeringsは全体的に面白味に欠け、今一つ のり切れないアルバムだった。今作では大仰さがかなり 押さえられてきていてこじんまりした感もなくはないが、 ドラマティックなメロディが中々秀逸で、美しさが良く出ている。 ラストの組み曲The Sufferingは圧巻でSlave To The Darkから A Question Of Heavenへの展開は素晴らしい。[89] LIVE / JEZEBEL'S TOWER ドイツの扇情的なハード・ロック・バンドのライヴ・アルバム。 1000枚限定のもので、オーバー・ダヴ、リミックス一切無しの 生々しいライヴで、録音状況はともかくとして、 演奏といった点では完成度が高く、良いライヴ・パフォーマンスを 聴かせてくれる。CHARLY WEIBELのボーカルはPAVLOV'S DOGの DAVID CARSANPの様な非常に扇情的な近年稀に見る個性的 ボーカリストで味がある。このボーカルが曲の善し悪しを超越した 独自の世界感まで引き揚げているし、楽曲も扇情的な方向を 目指している。これまでアルバム1枚とシングル1枚で計14曲を 発表しているが、このライヴは計15曲で、半分以上が 未発表曲であり、来日も当分ありそうにないことを考えると非常に 興味と価値がある一枚だ。[92] RETROPOLICE / THE FLOWER KINGS 元KAIPAのROINE STOLT率いるプログレッシヴ・ロック・バンドの 3rdアルバム。ときにはプログレッシヴに、あるいははポップに、 シンフォニックに、トラディショナルにと自由自在に変化する様は 圧巻だ。シンフォニック・ロック的な美しさをベースに色々な 可能性を探ったアルバムと言える。落ち着いた、親しみ易い メロディからなり、非常に完成された作品で楽曲、演奏とも良い 出来で安心して聴ける。[87] AGENTS OF THE MIND / DREAMGRINDER イギリスのバンドの2ndアルバム。サイケデリックな ゴシック・ロックで、THE CULT的ではあるが、よりヘヴィネスな サウンドだ。サイケデリックでヘヴィなサウンドはけだるいノリを 産み出していて、非常にグルーヴィな作品だ。ヘヴィ・ロックと 融合したそのサウンドはオリジナリティのある独自の世界を 作りあげているし、楽曲のアイデアも悪くないが、どうも冗長な 印象を受ける。[82] CANDYLAND / MICHAEL ZEE カナダ人ブルーズ・ロック・シンガーの11年振りの新作。土臭い キャッチーな作品で洒落ていて楽曲にはセンスの良さを 感じさせられる。全体的に渇いた感じで、楽曲に関しては非常に ポップだが、ギター・サウンドはときにより、結構ハードさを 見せている。これといった曲がないのが残念だし、ジャケットの センスが非常に悪いが、内容に関してはまさしくアメリカ南部風の イメージで、全体的な出来は良い方だ。[80] OREXIS OF DEATH / NECROMANDUS BLACK SABBATHのTONY IOMMIプロデュースにより1972年に 制作されながら、バンドの解散によりお蔵入りになっていた テープを発掘、CD化したもの。BLACK SABBATHのバック・アップを 受けていたが、方向的にはそれほど影響を感じない。むしろ プログレッシヴ・ロックと言える内容で、非常に ブリティッシュ的なセンスを匂わせるサウンド。部分的には LED ZEPPELIN的なエッセンスも感じさせる。 プログレッシヴ・ロックだが、演奏的にはかなりハードな 部分もあり鮮烈だ。[84] SEA OF DREAMS / GODGORY DAN SWANOプロデュースによる、スウェーデンの メロディック・デス・メタル・バンドのデビュー作。ボーカルの MATTE ANDERSONは低く太く唸るようなデス・ボイスと、 クリア・ボイスの両方を使い分けている。バックはザクザクと リフを切り刻んで来るパワー・メタル・タイプで、中々格好が 良い。攻撃的なリフと泣きのメロディの組み合わせが 素晴らしいし、楽曲的にはAMORPHISを攻撃的にしたようで、 良い出来だ。ただし、デス・ボイスがこの手のものとしてもなお、 聴きがたいのが難点で、クリア・ボイスとの落差も激しすぎる。 [83] SPIRITS FLY / HOLOCAUST N.W.O.B.H.M.のバンドの一つで、ミニ・アルバム2枚、アルバム 1枚に次ぐ作品なのだが、15曲中11曲目までは HYPNOSIS OF BIRDSから、2曲がHEAVY METAL MANIA、METALLICAの カバーはMETAL MILITIA〜A TRIBUTE TO METALLICA〜IIからの 再収録で、日本盤のボーナス・トラックを除いて新たな 価値はない。特にHUPNOSIS OF BIRDSのものの録音は、まるで N.W.O.B.H.M.当時を思い起こさせる酷いもので、フルートを 持ち込んだりと、かなり実験的だが、それ以外はあまり高く評価 出来ない。それ外の曲は録音状況もだいぶましだが、やはり ちゃんとした新作を期待したい。[72] INSTANT CLARITY / MICHAEL KISKE 元HELLOWEENのボーカリストによる1stソロ・アルバム。方向的には HELLOWEENとは少し違い、幅広い音楽性を見せている。 ドラマティックなヘヴィ・メタル・ナンバーからしっとりと 落ち着いたアダルトなバラードまで多用だが、全体的に キャッチーな歌メロを持っていて聴き易いが、全ての曲が良い 曲だとも思わないし、HELLOWEENを期待する人には尚更期待を 裏切ることになるだろう。ヘヴィな曲はともかく、全体的には ヘヴィ・メタル色はそんなに強くない。歌の旨さはさすがだし、 HELLOWEENから脱退して3年、その間の平穏さがもたらしたのか、 実にリラックスした感を与える。[86] 9 TO 5 / DEATH ORGAN スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー作。 複数がボーカルを担当し、バンド名から期待するような、 デス・ボイス的な咆哮も差し込んだりしているが、 デス・メタル的な方向ではない。この咆哮や、ラップ的に 掛け合いをしたり、ちゃんとした歌メロがあったりと 飽きさせない。ギターがいない変わりに、そのパートを全て オルガンで演奏しているという感じで、実にユニークかつそれが はまっている。ハモンド・オルガンサは実にヘヴィで凄まじく、 ヘヴィ・メタル側の人間にも十分楽しめる。アイデアとセンスの 勝利とも言える作品だ。[86] THE APOCALYPSE CHIME / THE JAMES BYRD BROUP 元FIFTH ANGELのギタリストで2枚のソロ・アルバムを発表後、 自身のバンド名義での新作。ソロ1作目のOCTOGLOMERATEは何か 勘違いしたとしか言えないような作品だったが、SON OF MANでは 再びクラシカルな作品になっていたが、やはりボーカルがいない 事に対する限界を感じたのだろう。ATLANTIS RISINGのときの様に、 バンド名義にして元LYNCH MOBのROBERT MASONをボーカルに 入れている。クラシカルでアメリカ人とは思えないような、 欧州的な叙情感溢れるメロディはさすがだ。 ATLANTIS RISINGとまでは言わないが、楽曲の出来も悪くないし、 ROBERT MASONのボーカルにも不足はない。 プロジェクト・バンドみたいだが、JAMES BYRDには是非こう言った 路線で今後も活動して欲しい。[85] LOVE IN CRIME / ICE TIGER オーストラリアのバンドのデビュー作。ださいジャケットに バンド・ロゴ等を見ると、いかにもLONG ISLANDっぽい、ポップな 作品を思い起こすし、実際ポップではあるが思いの他ハードだ。 曲によってポップであったり、もっと ハード・ロック然としていたりするが、叙情的な泣きのメロディは 秀逸だが、それ以外のものは意外と中庸でさほど面白くない。 メロディ・センスは中々たいしたものなので、この辺りを生かせば かなり優れた作品になっただろう。[82] RED MORNING SKY / LIVING SORROW 詳細は良く判らないが、ドイツの ゴシック/メロディックデス・メタル・バンド。ダミ声の咆哮型 デス・ボイスだが粘質的で結構味が有り、ボーカル・ラインも ちゃんとしているし、クリア・ボイスも使うがまともで、 RENE ROSEはこの手のものとしては良い出来だ。キーボードには ゴシック的な音色を感じさせるが、楽曲自体はそれによって ゴシック的だったりそうでなかったりする。大作 Forbidden Dreams等でのクリア・ボイスと叙情感溢れる哀愁の メロディのマッチングは素晴らしい。良いメロディ・センスを しているし、もう少しアレンジが良くなれば素晴らしい作品を 作るだろう。[87] WHEN SILENCE WILL BE UNBEARABLE / TALIESYN 女性ボーカルをフューチャーしたドイツの プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 どちらかというとギター・ラインを除けば、 プログレッシヴ・ロック的傾向が強く、キーボードはかなり前面に 押し出されている。JENNIFER HOLZSCHNEIDERの声は平坦でとても うまいとは言える代物ではないが、クリアで哀愁感を 醸し出しており、悪くはない。叙情的な部分を出すときの、 メロディの深みは素晴らしいものがあるが、全体的に続かないのは 残念だ。[80] STRANGERS IN THE NIGHT / UFO 再結成後を除けばMICHAEL SCHENKER在籍時の最後の音源で、 脱退後の1979年に発表されたライヴ・アルバム。Doctor Doctor、 Rock Bottomを始め、UFOの代表曲とも言える曲が並び、 ライン・ナップは申し分ない。Love To LoveでのPAUL RAYMON、 MICHAEL SCHENKERの組み合わせなど圧巻だ。ここでみせる MICHAEL SCHENKERのギターは凄まじいまでに光を放っている。 スタジオ・アルバムにない生々しい迫力を感じさせるし、 全てに於いてUFOの最高傑作と言っても良いだろう。[90] OCEANS OF TIME / DARK AT DAWN 詳細は良く判らないが、多分ドイツの メロディック・デス・メタル・バンドのミニ・アルバム。ダミ声の デス・ボイスだがある程度歌メロは存在している物の、かなり 凶悪で、はまったときは実に格好良いのだが、全てそうだとは 言い切れない。クリア・ボイスも少しだが織り混ぜているが、 これは結構良い出来だ。楽曲はもろにパワー・メタル系で、 導入部のイントロは不安を誘うが、実際は悪くない。 ギター・メロディが実にヘヴィで格好良く、ときに扇情的で 全体的に総じて悪くない。[81] UPON DEAF EARS / MERCURY RISING 詳細は良く判らないが、多分アメリカの正統派 ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー作ではないかと思う。 リリースは1996年になってからだが、録音は実際には1994年に 行われている。いわゆるQUEENSRYCHEタイプになると思うが、 ボーカルやコーラスの取り方は、明らかにQUEENSRYCHEを 意識しているが、楽曲はそれほど強くQUEENSRYCHEを意識させる ものではない。演奏的にはそれほど不満に思わないし、ボーカルも 悪くない。であるが、この手のバンドとして致命的なのは楽曲が つまらないということである。瞬間的には面白い フレーズもあるが、一つの曲とアレンジ能力の欠如を見せ、 アイデアを表現する力がまだ足りないのが明らかだ。もっと、曲を 練り込む必要があるだろう。[70] THEM NOT ME / DESTRUCTION 中堅ジャーマン・スラッシュ・メタル・バンドのミニ・アルバム。 非常に変則的な展開はさらに輪がかかっており、もう アグレッシヴ過ぎてついて行けない。ギター・メロディに感じる ヨーロッパのバンドらしい叙情さもなくなっていて、 ギター・フレーズを楽しむという事も出来ないし、楽曲自体 あまり面白いとは思えない。ただ、ダークな雰囲気も含めて 攻撃的で、そういう意味においてのみスラッシュ・メタルとしては 悪くない。[70] SOUNDS OF MEMORY(CHAPTER...ECHO) / SHADE 詳細は良く判らないが、ポーランドの メロディック・デス・メタル・バンドのようだ。バックは ザクザクとリフを刻みこんでくるパワー・メタル型で、 キーボードを押し出したり、ところによっては ゴシック・メタル的な雰囲気を出す部分もある。クリア・ボイスも たまに差し挾むが、メインはやはりデス・ボイスで、 咆哮型の強烈なものだ。扇情的なメロディ・ラインには はっとさせられるものがあるし、キーボードの使い方も効果的で、 全体的に出来は悪くない。[82] BEHIND THE MASK / VIGILANCE ドイツのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドのデビュー作。 楽曲は明らかにDREAM THEATERを意識した曲調で、より ストレートで聴き易い作風になっている。ギター・ラインなどは ヘヴィ・メタルよりだが、キーボードはむしろ幻想的で プログレッシヴ・ロックっぽいし、ボーカルの FRANK OTTO CONRADはハイトーンも良く伸びているが、独特の 歌唱がまた違った雰囲気を醸し出している。アルバム自体には それなりの個性も見えてくるが、曲同士での変化があまり 見えてこないので、どうしても冗長に感じるし、途中で 飽きてくる。[76] ZOON / THE NEFILIM ゴシック・ロック・バンド、FIELDS OF THE NEPHILIMの ボーカリストだったCARL McCOYによる新しいバンドの 1stアルバム。FIELDS OF THE NEPHILIMについては知らないので、 それについてはとやかくは書かないが、だいぶ変わったらしい。 ヘヴィなインダストリアル・サウンドをバックにCARK McCOYの 唸るようなダミ声がたたみかけてくる。インダストリアルと いっても、ギター・ラインなどはMINISTRYよりはずっと スラッシィでヘヴィ・メタル的だし、迫力あるCARL McCOYの凶悪な ボーカルがその感を強めている。ゴシック的な部分は全くない 訳ではなく、その暴力的なサウンドと合いまって独特の寂涼感と 陰鬱さを持った世界を作りあげている。[84] SEEDS OF RAGE / ELDRITCH イタリアのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの デビュー盤。イタリアのこの手のバンドとしてはボーカルは まともで、楽曲はDREAM THEATER風でよりテクニカルな方向に 走っている。楽曲自体はジャーマン・パワー・メタル的な感じを 受けるところもあるものの、割とヘヴィ・メタル然としていて 聴き易いのだがが、テクニカルな感じがかなり大仰で少し辛い。 このため切迫感はあるものの、展開の流れが悪く感じられる。 メロディなどは部分的には良いので、この点が改善されればかなり 良くなるはずだ。[80] IN CONCERT / TRIUMPH カナダのトリオ・バンドのKING BISCUIT FLOWER HOUR放送用の ライヴ音源をCD化したもの。1981年の音源で、時代的には ALLIED FORCESをリリースして、次作NEVER SURRENDERで バンドとしての頂点を究めるという、最も脂ののった頃で、 バンドとしての勢いを感じる。ラジオ用という事もあり、 変な処理は一切無く非常に生々しい迫力を伝えていて、STAGESとは また違った作品となっている。RIK EMMETTのヘヴィなギター、 ドラマティックで情感たっぷりな演奏は感動出来る。[86] A WINTER SUNSET... / EMPYRIUM 詳細は良く判らないが、ドイツの二人組の ブラック/ゴシック・メタル・ユニット。 オーケストラレーションを使った楽曲に、しゃがれてはいるが ブラック・メタル特有のスクリーミングといわゆるその手の 方向性なのだが、ボーカルのMARKUSは スクリーミングだけではなくて、TRISTITIAのような野太い憂欝な ボーカルを中心に使い分けているし、バックも シンセサイザーだけではなくて、ギターがかなり露出している。 これらの多用性が、楽曲にめりはりと変化を与えており、 壮大さを感じさせる。[86] NO LIMITS / LABYRINTH イタリアのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドで ミニ・アルバムに続く1stフルレンス・アルバム。 SANVOISENタイプで、系統的にはQUEENSRYCHEやDREAM THEATERと 言った方向になるが、DREAM THEATERほどプログレッシヴではなく ストレートで、もっとヨーロッパらしい哀愁を感じさせる。 メロディ的にはジャーマン・パワー・メタルに影響を受けたと 思わせるような節回しも少しある。イタリアのこの手の タイプでは、ボーカルが難点であることが多いが、JOE TERRYは ハイ・トーンの伸びも良いし、例外と言える。演奏力もあるし、 楽曲の出来も良く、新人としてはかなりハイ・レベルな作品だ。 [90] INTO THE UNKNOWN / MERCYFUL FATE シアトリカルなボーカリストKING DIAMOND擁する北欧の ヘヴィ・メタル・バンドの再結成後3作目のアルバム。 KING DIAMONDは自身のバンドと平行しての活動だが、それぞれ 独自性を持っている。KING DIAMONDが割と正統派的であるのに 対して、MERCYFUL FATEはシアトリカルで演劇的な ドラマティックさを見せている。今作ではシアトリカルさは 変わりないし扇情的ではあるがが、過剰な演出とまで 思わせるようなドラマティックさはそれほど過剰でなく、楽曲も 悪くないので、割と聴き易い作品になっている。KING DIAMONDの ハイ・トーンは相変わらずなので、これが駄目な人はやはり 苦しいだろう。[82] INTO COLD DARKNESS / VITAL REMAINS アメリカのブラック・メタル・バンドの4年振りの2ndアルバム。 変則的な進行の、ブラスト・ビートも用いたブルータルな サウンドで、CELTIC FROST風のスラッシィな部分もあるが、 この手の音楽を嗜好する人でなければ、あまり 受け付けないだろう。ボーカルは咆哮型のデス・ボイスに近く、 強烈だ。全体的に楽曲、演奏に関しては、この手としては しっかりと作られているという印象があり、決して悪い出来では ない。[78] SONGS OF LOVE AND HATE / GODFLESH 元NAPALM DEATHのJASTIN BROADRICK率いる ヘヴィ・インダストリアル・ロック・バンドの4thアルバム。 MINISTRYとは少し違い、ミドルテンポ中心の威圧感ある サウンドで、ボーカルは呪術的にシャウトする。新たにドラマーが 加入して、生々しいインパクトのあるサウンドになっている。 サンプリングに重ねたヘヴィなギター・サウンドは独自の世界を 構築しており、おどろおどろしさを感じさせる。変化がないので 最後まで聴くのは少し辛いが、その世界観は圧巻だ。[82] SUPERSEXY SWINGIN' SOUNDS / WHITE ZOMBIE 3rdアルバムASTRO-CREEP:2000 SONGS OF LOVE, DESTRUCTION AND OTHER SYNTHETIC DELUSIONS OF THE ELECTRIC HEADをミックスしたもの。アルバム・タイトルを 変えているだけあって、大幅にリミックスされていて、 ボーナス・トラック辺りでついているような、ミックス違いとは 訳が違う。完全にテクノ調のヒップ・ホップになっていて、 サンプリング主体のサウンドは、ここまでやるかという 気にさせる。ヘヴィ・メタル的な要素は、ほとんど削げ 落としているので、ヘヴィ・メタル系の人にどれだけアピールする ものがあるか疑問ではある。発想は、これはこれで面白いとは 思うが。[79] UNTIL ETERNITY / MASTERMIND アメリカのプログレッシヴ・ロック・バンドの4thアルバム。 元々ヘヴィ・メタル的な要素も若干見え隠れしていたが、前作 TRAGIC SYMPHONY辺りからその傾向がさらに強くなったと思う。 最初はまるでANGLAGARDを思わせるような楽曲で始まるが、 Dreaming以降はヘヴィでドラマティックな シンフォニック・ロックだ。BILL BERENDSのボーカルだけは、 線が細いのでどうしてもヘヴィ・メタル的な感じを与えないが、 それ以外は十分範疇として聴き得る。壮大な雰囲気を持った 楽曲は、聴きごたえがあり美しい。[85] A GOOD, FIRM, MUSICAL SPANKING / CRY BABY アメリカのロック・バンドのおそらくデビュー・アルバム。最低の センスのアルバム・ジャケットに「頭がどうかなったと」という 日本語が飛び出し、Hotel Californiaのようなメロディが 流れ出したときはどうなるものかと頭を抱えたが、その後は メロディアスでキャッチーなハード・ポップで通している。哀愁を 感じさせるメロディに、線は細いが扇情的な ハイ・トーン・ボーカルで、コーラスも含めて中々味のある サウンドを聴かせてくれる。楽曲は非常に古臭いが、質自体は 非常に高い。[85] POLARITY / HELLOISE オランダのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの1986年に リリースされた2ndアルバム。この時代としては卓越した完成度を 誇り、その出来はBISCAYAなどははるかに上回る素晴らしさだ。 哀愁漂う叙情的な美しいメロディは情感溢れ、それを 表現出来るだけの演奏力と、録音の良さもあいまって至高と 言えるまでのものだ。セルフ・タイトルのHelloiseを始め名曲と 言えるだけの楽曲がずらりと並び、まさにこれこそ隠れた名作と 言って良いだろう。[92] A FINE PINK MIST / JAKE E LEE BADLANDSでVOODOO HIGHWAYを発表してから実に5年、その動向が 心配されたが、やっとソロ・アルバムがリリースされた。一部 ボイスが入っているが、基本的には ギター・インストゥルメタンタルで、OZZY OSBOURNEや BAD LANDSとはまた異色だ。ブルージィな部分があり、 ハモンド・オルガン風の音を入れたりやや古めかしい感じの 作品で、ソロ作品としては面白いが、やはりどうせならボーカルが 入ったアルバムが欲しい。[80] BURIED ALIVE / ANGLAGARD スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンドによる3枚目の アルバムでライヴ盤。既にバンドは94年に解散しており、これは バンドとしての活動のほぼ最後頃の音源である。シンフォニックな 部分も持ちながら、よりヘヴィで複雑な展開がある。どことなく 物悲しく、扇情的で威圧感のあるメロディがまた違った世界を 描き出している。フルートやメロトロンを導入したサウンドは 生々しく、ライヴとは思えない完成度だ。[84] THE THRILL OF IT ALL / THUNDER ブリティッシュ・ロック・バンドの4作目だが、前作 BEHIND CLOSED DOORSは非常に地味ながら、渋い素晴らしい アルバムだった。今作ではむしろ2ndの LAUGHONG ON JUDGEMENT DAYに若干揺り戻した感じで、前作で 見せた渋さと地味さは残しつつも、バラエティは少し豊かで明るい 曲調のものが増えたように感じる。DANIEL BOWESのボーカルは 今作でもエモーショナルで素晴らしく、本当にうまい ボーカリストで、アルバムの出来がより映えたと言って 良いだろう。[84] MARBLE ROSE / JACKLYN 詳細は良く判らないが、オランダのJACKLYNという女性ボーカルを 中心とする3人組のメロディアスなハード・ロック・バンド。 JACKLYNは少しハスキーで情感溢れる力強い、女性らしい しっとりとした声質の良いボーカリストだ。エッヂの立った ハードなギターに、キーボードの配分も良く、軽快なテンポで 印象深いメロディだ。ドラムは残念ながら打ち込みだが、 この内容ならば打ち込みは合わないだろう。全体的に メロディ・センスの良さが滲み出ていて、コーラスも良く 出来ているし、捨て曲がないとは言い切れないが、美しい ロック・アルバムに仕上がっている。[85] PRIMAL INSTINCT / ELEGY オランダのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドで、 元VENGEANCEのボーカリスト、IAN PARRYが加入してから初の 音源となるミニ・アルバム。新曲はなく、既存のアルバムからの ナンバーをリメイクした アコースティック・アルバムになっている。ELEGYからすると、 VENGEANCE、ソロともっとポップな路線でやってきたので、その 相性を心配したが、IAN PARRYには無用なものだった。実に格好の 良いIAN PARRYの歌唱力の素晴らしさを再確認すると同時に、次の アルバムが楽しみだ。[84] TOWERS / LANFEAR 詳細は良く判らないが、ドイツのメロディアスな プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドのおそらく自費出版 デビュー盤。メンバーにバイオリン専任のメンバーを加えた 5人組で、楽曲は非常にメロディアスで正統的だ。哀愁の メロディを中心とした曲や、緊迫感のある曲、15分にも及ぶ組曲と アイデア的には非常に良いものをもっているのだが、残念ながら それを表現する上でアレンジ力の不足が見え隠れする。 センス的には良いものを持っているだけに、楽曲をもっと 練り込めば素晴らしい作品になるはずだ。次作以降に期待のおける 新人と言っていいだろう。[83] BEATING FROM ORLANDO / LEFT FOR DEAD 元BEGGARS AND THIEVESのBOBBY BORGを中心に、元SAIGON KICKの TOM DEFILE等を加えたバンドの1stアルバム。方向的には アグレッシヴでどことなくオルタナティヴっぽい部分もあるが、 基本的にはラフでワイルドなハード・ロックンロールで、 SAIGON KICKの1stアルバム辺りの雰囲気に近い。パワフルで エキセントリックなEDDIE GOWANのボーカルもそれに合っている。 終盤少しだれて最後まで勢いが続かないが、それを除けば全体的に 良く出来ている。[80] NATURAL SURVIVORS / NIGHT WING 元STRIFEのGORDON ROWLEYが1980年に結成したイギリスの プログレッシヴなハード・ポップ・バンドで、これは1986年に ユーゴスラヴィアでリリースされた6thアルバムに再結成して 新たに録音された新曲を追加したもの。初期MAGNUMにおような ポップ・フィーリング溢れるプログレッシヴ・ロックという 感じで、ミドル・テンポ中心で変化に欠け淡々と進む感じがする。 6thアルバムに関しては非常に録音が悪く、それほど取り立てる 内容ではない。新禄に関してはもう少しエッヂのたった ハード・ロックンロールで、ポンプ・ロック的な部分は消え、 バンドとしての変質が伺える。[75] PRAY FOR RAIN / TIM FEEHAN カナダのシンガー・ソング・ライターの5thアルバム。アダルトで ポップ・フィーリング溢れるロック・アルバムで、方向的には 元WISHBONE ASHのボーカリスト、O'RYAN風のしっとりと落ち着いた 甘く爽やかなAORだ。ヘヴィ・メタル系の人にどれだけ アピールするものがあるか判らないが、楽曲は全体的に良く 出来ている。キャッチーなメロディをじっくりと聴かせてくれる 良い作品だ。[83] WRITTEN IN THE SAND / MICHAEL SCHENKER GROUP UFOを再び脱退したMICHAEL SCHENKER率いるMSGの復活第一弾。 ボーカリストにアルバム一枚で解散してしまった、北欧の GREAT KING RATのLEIF SUNDINを迎えているが、実力的には 申し分無く、今までのボーカリストとはタイプが違い ソウルフルで、バンドとして新味を加えている。全体的に 明るいが泣きのメロディがそこかしこにあり、いかにも MICHAEL SCHENKERらしい。非常にリラックスした雰囲気があり、 緊迫感は感じない。[82] TIES OF FRIENDSHIP / BRANDED ドイツのハード・ロックンロール・バンドの1994年にリリースした デビュー作でおそらく自費出版だろう。ボーカルのJERRY FATHは 高音がBRIAN JOHNSON、中低音がANDY DERISの様な声質で、 節回しによってはAXEL ROSEの様な感があり、非常に個性的だ。 ヘヴィでラフでワイルドなサウンドだが、軽快でテンポ良く グルーヴィだ。全体的に曲調は明るく、キャッチーなメロディを 主体としている。録音状態、元気溌刺とした楽曲、演奏と総じて 悪くない。[80] END OF ALL DAYS / RAGE ドイツのパワー・メタル・バンドの新作。実にRAGEらしい魅力に 溢れたアルバムだ。うまいというタイプではないが、PEAVYの 特徴的な情感のある力強いボーカルが良く生きている。厚みのある 演奏に、パワフルで寂涼感と扇情感のある印象的なメロディが 疾走する楽曲も良い出来だ。ほぼ3、4分台の楽曲で 占められており、冗長な部分がなく聴き易いのも良いし、演奏は 生々しく録音されており、ドラマティックさを生かしていて 効果的だ。RAGEはそのスタイルというものを確立しているが、 その一つの世界の中でもさらに素晴らしい作品を作ったと 言えるだろう。全てにおいて、RAGEの最高傑作と言ってよい 出来だ。[90] THELI / THERION もはやデス・メタルとは呼べなくなったスウェーデンの メロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの5thアルバム。 前作辺りからデス・メタルを脱した感があったが、この作品では さらにその方向を進め、遂に新たな世界を築くにいたった。 ボーカルは完全にノーマルなものへと化しているが、それを大胆に 削り、男女混声のオペラティックなコーラス隊が半分以上占める 荘厳な世界観を呈しており、その耽美なまでに美しく叙情的な サウンドで彼等は新しい可能性を切り開いた、金字塔とも言える 作品だ。ボーナス・トラックで意外にもSCORPIONSの FLY TO THE RAINBOWをカバーしているが、同時に CHRISTOFER JOHNSSONらしい選曲とも言える。ラストでコーラスに 持っていくのも実にらしいアレンジだ。残念なのは、これらの コーラスをライヴでは到底完全には再現出来ないだろう事だが、 とにかく傑作だ。[95] COSMOGONY / HELLOISE オランダのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの1985年に リリースされたデビュー盤。哀愁度では2ndに劣るが、 よりキャッチーなメロディの叙情的な格好の良い ヘヴィ・メタルで、録音状態も良く名声は同時代のBISCAYA等には 劣るが、出来は遥に上だ。楽曲の出来も含め、全体的に良く出来た 作品と言える。楽曲の練りがまだ甘く感じる部分もあるが、 Broken Heartsといった曲を始め、卓越したメロディ・センスは ここでも十分に発揮されている。[85] LIFE AFTER DEATH / LIFE AFTER DEATH 元ARMORED SAINTのドラマー、GONZO SANDOVALを中心とした ニュー・バンドだが、このアルバム制作後GONZOは脱退し、 バンド名も変えて活動している。但し、GONZOはあまり曲作りに 関係していないので、たいした影響はないだろう。明らかに THIN LIZZYを意識したサウンドに楽曲で、ギター・ハーモニーや ボーカル・ラインがそのものになることがそこかしことある。 それでCREAMのSunshine Of Your Loveまでカバーしてしまう ところなど圧巻だ。オリジナリティなどないが、悪くない。[80] DEMOLITION / DUNGEON オーストラリアのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 扉が開く音に“Welcome To The Dungeon”という冗談のような セリフで始まり、1980年代のいかにもという臭い楽曲群に、酷い 録音状態と、ここまで再現せずともと思わずにいられない。 キャッチーな歌メロで、哀愁感を漂わせる楽曲も良く 出来ているし、演奏も悪くないので、1980年代のヨーロッパの 臭い、正統派ヘヴィ・メタルが好きな人には必ず訴える物が あるだろう。ベース・ライン等には、明らかにIRON MAIDENを 意識した部分がある。BLONDIEのCall Meをカバーしているが、 まぁ御愛敬というところか。録音だけは、もう少し金をかけた方が 良い。[85] WHITE VISION / WHITE VISION 元POINT OF POWERのKENNEE LONEY、PRISMのDARCY DEUTSCH、 ANDY LORIMERらで結成されたカナダのプロジェクト・バンドの デビュー盤。キャッチーなメロディ・センスを備えたバンドで、 ミドル・テンポ中心の、爽やかなものから、哀愁味を 漂わせるものまで、楽曲は飛抜けたものはないが粒が揃っている。 演奏、プロダクションも問題なく、全般的に良く出来た アルバムだ。LONG ISLANDらしいポップな作品で、ハードさも 持っている。[81] RATS / PANRAM ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。いわゆる QUEENSRYCHEタイプのバンドで扇情的でドラマティックな サウンドで、前作と方向的には延長線上にある。非常に硬い 音作りをしており、鮮烈過ぎるほどだが、それが災いしてか ボーカルが少し浮いている様に感じるし、メロディの叙情さの 印象を薄くしている。ただ、ドラマティックという点においては 前作を凌ぐ出来にはなっていると思う。プロダクション的に もう少し良い作品に出来たのではないかと思うのだが。[82] TRA / HEDNINGARNA スウェーデンのラジカル・トラッド・バンドの1994年に リリースされた3rdアルバム。Tass'on Nainenでの呪術的な 始まりには思わず背筋がぞくぞくとさせられるものがある。 SANNA KURKI-SUONIOとTELLU PAULASTOの二人の女性ボーカルの 呪術的な掛け合いは実に素晴らしい。民族音楽的なベースを 持ちながらもこういった異質感でオリジナリティを もたらしている。民族楽器の使い方も実に効果的で、 そのサウンドの処理も見事。[90] SUPERSONIC SHRED MACHINE / JOE STUMP JOE STUMP'S REIGN OF TERRORのバンド名義のアルバム、 NIGHT OF THE LIVING SHREDからわずか半年でリリースされた 3rdソロ・アルバム。どういう経過かは判らないが、 JOE STUMP'S REIGN OF TERRORとはJOE以外メンバーが違うので、 バンドとは全く独立した活動なのだろう。ソロ名義と言うことで ギター・インストルゥメンタル・アルバムになっていて、 ボーカルを入れるかどうかで、バンドとの差別化を計るのかも 知れない。今やYNGWIEよりもYNGWIEらしいネオ・クラシカル 路線で、これまでよりさらにエモーショナルさを押し出した ギター・プレイだ。最近のYNGWIEに落胆するならばこの人の アルバムを聴けば良いだろう。但し、楽曲の練りという点では これまでの作品より一歩落ちる。[80] EYE OF THE STORM / BRAZEN ABBOT 元BLATIMOREのギタリストNIKOLO KOTZEVによる プロジェクト・バンドの2ndアルバム。ボーカルには前作同様 THOMAS VIKSTROM、GORAN EDMANが参加しており、GLENN HUGHESに 代わって新たにJOE LYNN TURNERが参加している。 ヨーロッパらしい叙情感を持つ格好の良いアップ・テンポの ナンバーを中心にバラードを含めて方向的には大きな 変化はないが、残念ながら楽曲自体は前作に一歩譲るが、それでも 十分良い出来だ。GLENN HUGHESの超絶的なボーカルがない分少し 寂しいが、GORAN EDMANなどは良く歌えている。[82] HUMAN CLAY / HUMAN CLAY 理由は定かではないが、TALISMANが活動停止を 余儀なくされている中でのMARCEL JACOBとJEFF SCOTT SOTOによる ニュー・プロジェクト。ボーカル以外はゲストのギタリストを 除いて全てMARCEL JACOBが担当しており、正に プロジェクトとしての体裁を保っているが、内容は TALISMANとして発表しても可笑しくない曲も多く、何故こういう 形態でのリリースとなったのか興味深いところだ。YNGWIEが ゲストして参加しているJealousy等は、むしろYNGWIEらしい曲に 仕上がっているし、Outside Lookin' Inは如何にもRAINBOW的な フレーズが飛び出すし、TALISMANとは趣を異にする部分も多く、 プロジェクトである部分を意識しての事かも知れない。 JEFF SCOTT SOTOのソウルフルなボーカルは相変わらず素晴らしい。 [85] TRUE BRITS 3 / V.A. FAST WAYのボーカリストでN.W.O.B.H.M.関連ではちょっと名前の 知れたLEE HEARTのソロ・プロジェクトの第3弾。FAST WAY、 その他で関わるものが全てつまらないという状況がずっと 続いたので今更なのだが、このアルバムでは全曲とまでは 言えないものの、良質のキャッチーなハード・ポップ・ナンバーが 数多く存在しているのだ。MICK WHITEが書いて自身で歌っている 3曲は中々の出来なので、彼がソロ・アルバムを作れば結構良い 作品を作るのではないだろうか。それ以外にもLEE HEARTが 書いている曲でもI Just Wanna Be Free等は良い曲だ。 LEE HEART自身は2曲しか歌っておらず、ボーカリストとしては SAMSONのMICK WHITEの他にはGIRLSCHOOLのJACKIE BODIMEAD、 PAUL DIANNO、DENNIS STRATTON、FMのSTEVE OVERLANDが 参加している。[85] PARADIGMA / TAD MOROSE スウェーデンのパワー・メタル・バンドで2ndアルバムに続く、 ミニ・アルバム。前作でやや方向的に変化がみられたが、 MEMENTO MORIのMIKE WEADがプロデュースした成果か、1stで見せた ヘヴィなサウンドに戻っており、さらにドゥーミィな重々しさを 加え重厚なサウンドを作り出す事に成功している。故に 2ndからすると随分シンプルな構成になっているが、 このバンドにはむしろそういう方向があっている。2ndでは線の 細さが気になったKRISTIAN ANDRENのボーカルもこういった 方向には合うのか、さほど気にはならない。楽曲の出来も 今までより良くなっているので、この作品は彼等の作品としては 最高と表して良いだろう。KRISTIANはこれが縁でか、 MEMENTO MORIに移籍してしまったので今後が心配される。[86] HEAVY METAL HUNTER / METALUCIFER 日本のSABBATのGEZOLUCIFERによるプロジェクト・バンドで、 これは1stアルバム未収録曲、日本語バージョンからなる ミニ・アルバム。1980年代のヨーロッパB級と言える辺りを忠実に 再現したと言えるもので、臭いほど叙情感漂うドラマティックな 内容はもちろんの事、録音状態の悪さ、ボーカルの質まで そのままでよくぞここまでやったと関心する。日本語バージョンは ここまでくると少しついて行けないが。[74] ARE YOU EXPERIENCED / JIMI HENDRIX 一大センセーションを起こした黒人ギタリストの1967年に リリースされたデビュー盤。楽曲はアメリカ盤と同じ物で Purple Haze、Hey Joe、Foxy Ladyといった名曲群が 収録されている。その後、多くのギタリストに影響を与えた、 非常にエモーショナルなギター・プレイは情感と迫力を感じさせ、 一つのスタイルを確立している。そして、そのプレイを生かせる 楽曲を作れる才能があってこそのアルバムだ。[90] THIS IS THE LAZY / LAZY LOUDNESSの高崎晃、樋口宗孝らを擁したアイドル・グループの 1978年にリリースしたデビュー・アルバム。その通りまさしく全編 歌謡曲という内容で、その後のLOUDNESSに通ずるような 部分はない。赤頭巾ちゃん御用心といったヒット曲も 収録されているが、ヘヴィ・メタル的な観点からは全く聴く 必要のないアルバムで、そういう面での評価も不可能だ。[?] MASTER OF THRASH METAL!! / SODOM 今、手元にないし、良く覚えていないので何とも言えない。 BEST II / ANTHEM ジャパニーズ・メタル・バンドによる1992年にリリースされた 2枚目のベスト・アルバム。1枚目のベスト・アルバムを出して それほどたっていない事もあり、選曲的には1枚目の ベスト・アルバムには劣るのは仕方ないだろう。硬質で パワーのあるサウンドは迫力を感じさせ各曲ともそれなりに 良く出来てはいるが、ベストというには名曲と言うに足る曲が 見当たらないのが寂しい。[76] SENTENCE OF DEATH + INFERNAL OVERKILL / DESTRUCTION スラッシュ・メタル・シーン初期より活動するドイツのバンドで、 これは1984年にリリースされたデビュー・ミニ・アルバムと 1985年にリリースされた1stフルレンス・アルバムを カップリングしたもの。デビュー・ミニ・アルバムである SENTENCE OF DEATHでは、混沌としたサウンドに疾走する スピード感を持っており、ほとばしるエネルギーを感じさせるが、 いかんせん荒削りで楽曲が練れておらず、アイデアを 具現化するだけの力量がまだ備わっていない印象を受ける。 INFERNAL OVERKILLでは楽曲はより複雑になりアグレッシヴな 感じを与えるに至っている。その分取っ付きにくさもあり、 アイデア的には面白いのだが、楽曲に今一つ面白味に欠けるのが 難点だ。SCHMIERの平坦で抑揚のないボーカルがここでは 災いしている。[76] THE BUTTERFLY BALL + WIZARD'S CONVENTION / THE BUTTERFLY BALL, WIZARD'S CONVENTION DEEP PURPLEのメンバー達が関わった2枚の プロジェクト・アルバム、THE BUTTERFLY BALLと WIZARD'S CONVENTIONをカップリングしたもの。 THE BUTTERFLY BALLはDEEP PURPLEを脱退したROGER GLOVERが、 絵本のサウンド・トラックを作成した物で、GLENN HUGHESや DAVID COVERDALEも参加しているが、ここで興味深いのは RAINBOW加入前のRONNIE JAMES DIOが3曲歌っている事だろう。 イメージ・アルバムという事で、ハード・ロックとは掛け離れた 内容であるだけに、そういうものを期待していると必ず外すし、 それぞれのボーカルは興味をそそるが、コレクターズ・アイテムを 越えることは決してない。WIZARD'S CONVENTIONはもっと ロック的でこちらの方が聴けるだろう。EDDIE HARDINの ソロ・プロジェクトで、DAVID COVERDALE、ROGER GLOVER、 GLENN HUGHES、JOHN LORDを始め、IAN GILLAN BANDのメンバー等も 参加している。[79] THE GRAVEYARD / KING DIAMOND MERCYFUL FATEと二足のわらじを履く、KING DIAMONDの自己の バンドの6thアルバム。今回も一つのストーリーからなる コンセプト・アルバムで、KING DIAMONDのシアトリカルさを より押し出した作品となっている。演劇的なその内容はさらに 押し出されており、独自の世界を作りあげている。ここで 問題となるのはやはりKING DIAMONDのそのボーカルだろう。 大袈裟でヒステリックなハイ・トーンは聴く者を選ぶが、 それこそがKING DIAMONDの持ち味であり、演劇的な効果を 強めている。楽曲は展開と起伏に富み、狂気じみた世界は他では 決して聴くことが出来ないものだ。[82] BLACK EARTH / ARCH ENEMY 元CARCASSのギタリストMICHAEL AMOTT率いる デス/スラッシュ・メタルのニュー・バンド。 SPIRITUAL BEGGARSではデスとは全く無縁のブルージィな ハード・ロックをやっていたが、それから揺り返すかのような 攻撃的な内容だ。バックはデスというよりは スラッシュ/パワー・メタルという風情で、MICHAELの クラシカルなギターは叙情的ですらある。リフも割と印象的で 格好が良く、CARCASSよりはむしろ一般受けしやすい 内容だろう。IRON MAIDENのThe Ides Of Marchが ボーナス・トラックが収録されているが、何故この曲にしたのかは 謎だ。[85] SLIPPIN' INTO FICTION / STS 8 MISSION ドイツのパワー・メタル・バンドによる1982年にリリースされた 2ndアルバム。HELLOWEENのようないわゆる ジャーマン・パワー・メタルのような大仰さはそれほど強く 感じない。デビュー・アルバムよりは格段に プロダクションは良くなっているが、楽曲の出来は平均的で 飛抜けたものがなく、印象に強く残すに至っていない。Stay等は 良い曲だとは思うが、スピード・チューンにもっと卓越した曲が 欲しい。端々にちりばめられているメロディは決して悪くないし、 出来自体は一応のレベルには行っていると思うが。[80] FREEDOM CALL / ANGRA アルバム未収禄曲、未収禄バージョンからなるミニ・アルバム。 実質的な新曲はタイトル・トラックのFreedom Callだけで、 もう一曲のアルバム未収禄曲Reaching Horizonsはデビュー前の デモ・テープに収録されたものを録音しなおしたもので、この デモのバージョンはアメリカのファン・クラブ用にリリースした アルバムに収録されている。このANDRE MATOSがしんみりと 歌いあげるバラードのReaching Horizonsは聴きごたえがある。 Queen Of The Nightは日本盤のHOLY LANDに ボーナス・トラックとして収録されていたものを リミックスしたもので、オーケストレーションを加えている。 Stand Awayはアコースティック・ギターと オーケストレーションによるバージョン。Pain Killerは既に JUDAS PRIESTのトリビュート・アルバムに収録されているもので 特に取り上げるものはない。[82] BLONDE AND BEYOND / BLONDIE 女性ボーカリストDEBORAH HARRYを擁し、ビルボードの 年間チャートでもトップになった名曲中の名曲、Call Meで 知られるバンドの未発表曲、未発表バージョンを集めた マテリアル。全体的にポップなもので、多くの曲はメタル系の 人にはあまりなじめないものだろうが、ここで貴重なのは Call Meのスパニッシュ・バージョンとT-REXのカバー Bang A Gong(Get It On)。スパニッシュ・バージョンと言っても 別に巻き舌という訳ではなく、それほど違和感はない。[75] IN MEMORY / NEVERMORE 元SANCTUARYのWARREL DANE率いるパワー・メタル・バンドの デビュー・アルバムに続くミニ・アルバム。方向的には今一つ 乗り切れなかった1stアルバムと同じで、この ミニ・アルバム自身もなんとなく煮え切らない。但し、 MatricideはWARRELのボーカルが生きた、ドラマティックな佳曲で その次のIn Memoryのイントロ辺りまでの流れは素晴らしい。 全体的にWARRELの扇情的なボーカルは相変わらず聴きごたえが あるのだが、どうもそれを生かす曲が少ない様に感じる。それでも まだ1stアルバムよりはさまになってきているとは思うが。[80] WAR MASTER / BOLT THROWER イギリスのデス・メタルの1991年にリリースされた3rdアルバム。 JO BENCHという女性ベーシストを擁する珍しいバンドだが、 サウンドの方はいかにもグラインド・コアという感じで、 ブルータルさは感じるが、ブラスト・ビートはそれほどメインに なっておらず、メロディも割合はっきりしており、 この手のものとしては聴き易い方だ。KARL WILLETTSの デス・ボイスは咆哮型だが、奥に引っ込んでいてあまり前面に 出ているような感じではないのでそれほど気にならない。[78] CHEMICAL INVASION/THE MORNING AFTER / TANKARD ドイツのスラッシュ・メタル・バンドで1988年にリリースされた 2ndアルバムと1989年にリリースされた3rdアルバムを カップリングしたもの。楽曲は非常に荒々しく良い出来だとは 言いがたいが、ハード・コア風なスピーディなリフが妙に迫力を 醸し出している。とにかく速いスラッシュ・メタルが好きだと 言う分には悪くないだろう。3rdアルバムでは幾分 プロダクションが良くなっているが、基本的には2ndアルバムと 大きな変化はない。[76] EMBEDDED / MEATHOOK SEED NAPALM DEATHのMITCH HARRISとSHANE EMBURY、OBITUARYの TREVOR PERESとDONALD TARDYによるプロジャクト・バンドが 1993年にリリースしたアルバム。ギタリストのTREVOR PERESが ボーカルを取っているが、かなり機械処理された デス・ボイスなので、その実力振りは謎だが、 聞き苦しいものではない。インダストリアル的なエッセンスが かなり強く、楽曲自体はデス・メタル的でもあり、 ヘヴィネス的でもある。全体的にブラスト・ビートというような 速さは感じないし、かなり機械処理されていて割と聴き易い サウンドになっている。[77] HEAVY METAL DRILL / METALUCIFER 日本のブラック・メタル・バンドのメンバーらによる プロジェクト・バンドの1stフル・アルバム。1980年代の ヨーロッパB級メタル風で、大仰で臭いメロディはもとより、 チープなサウンドまですっかり再現している。この手のものが 好きな人ならともかく、それ以外の人にどれだけ 訴えるものがあるかは謎だが、ノスタルジックな雰囲気は 味わえる。そういう楽曲を聴いてきた人たちには郷愁をそそる 作品だ。[81] BOLD AS LOVE / JIMI HENDRIX 知る人ぞ知るアメリカ人スーパー・ギタリスト率いるバンド EXPERIENCEによる1967年にリリースされた2ndアルバム。 1stアルバムに比べるとよりサイケデリックでエキセントリックな 内容で、特にスローなナンバーで優れた曲が多い。ERIC CLAPTONも カバーした名曲Little Wingは素晴らしいバラード・ナンバーだ。 1stアルバムよりも知名度の高い曲は少ないかも知れないが、 十分にその魅力は堪能出来る。ただ、ヘヴィなナンバーが少し 物足りなく感じるが。[83] VIRUS 100 / V.A. 1992年にリリースされたアメリカのパンク・バンドの トリビュート・アルバム。参加しているバンドのうち、パンク側の バンドに関しては置いておいて、メタル的なトピックスとしては NAPALM DEATH、SEPULTURA、FAITH NO MOREらが 参加している事だろう。これらのバンドにはパンク的な アティチュードがあり、その参加は決して不自然な感じはしない。 SEPULTURAはまさにらしい味付けを施してあり、NAPALM DEATHも 良く特色が出ている。この二つのバンドに関しては高速で、 スラッシィな展開が聴ける。FAITH NO MOREに関してはクレジットを 見なければ判らないだろう。メタル側の人間からすると、これを どれだけ楽しめるかは謎だ。[75] BLITZKREIG ON BIRMINGHAM '77 / MOTORHEAD イギリスのベテラン・ハード・ロック・バンドのデビュー当時の BIRMINGHAMでのライヴを中心とした音源をCD化したもの。 これくらいの長さのものとしては、途中で繋いでいるのも 難点だし、何よりも音が酷すぎる。ブートかと思うほどの音の 悪さは何ともしがたいとして、レパートリーはほとんど 1stアルバムからで、MOTORHEADの中でも割とロックンロール色が より強いライヴである。珍しいとすれば The Train Kept A-Rollin'のカバーをやっている事だろう。[70] MUSICAL CHAIRS / SAMMY HAGAR 1977年にリリースされたVAN HALEN加入前のソロ時代の 3rdアルバム。MONTROSE、ソロの初期に比べ大分 ハードよりになってきてはいるが、その後に比べればまだまだ ハード・ロックというには至っていない。ソロ時代のVOA等を 期待すると肩透かしを喰うかもしれない。全てにおいてそうという 訳ではなくて、Reckless等のようなハードでドライヴィンな、 いかにもSAMMYらしいナンバーもあり、むしろ後々への過渡期的な 作品と言った方が良いだろう。[77] INSPIRATION / YNGWIE MALMSTEEN YNGWIE MALMSTEENは確かに素晴らしいギタリストだが、どうも 彼の作る曲にこれは凄いと感じる事が出来るものがない。もちろん 良い曲だと思う曲はあるが、特に前作MAGNUM OPUSは酷い 出来だったと思う。今回、名曲と言える楽曲のカバー・アルバムを 集めれば、問題は演奏の方になるのだが、JOHANSSON兄弟を始め、 過去に分かれた実力の確かな人たちが参加しているのでさして 文句を付けるものもないと言うものだ。JEFF SCOTT SOTO、 MARK BOALSの歌唱も非常に素晴らしい。自作の曲でもこれだけの アルバムを作れればたいしたものだが。[86] PLANET E. / HEAVENS GATE 4年振りの4thアルバムとなる ジャーマン・パワー・メタル・バンドの新作。前作は ジャーマン・パワーメタル的な色彩ながらも、その楽曲の クオリティの低さが気になったが、今回は4年間という インターバルもあってか、十分楽曲が練られているように思える。 メロディはいかにもジャーマン・パワー・メタルらしい 良質のものだが、それだけにとらわれていない、かなり自然な 雰囲気に仕上がりになっており、平均的に良く出来た アルバムになっている。ボーナス・トラックはJUDAS PRIESTの トリビュート・アルバムに収録されたもので、さして 面白いものでもない。[84] OCTOBER RUST / TYPE O NEGATIVE アメリカのゴシック・ロック・バンドの3年振りとなる 4thアルバム。ゴシック・メタルに通ずる、その耽美でヘヴィな サウンドは憂欝だが、ゴシック・メタル一般に感じさせるような 陰鬱さは無く、一種独特の雰囲気を持っている。大幅に 機械処理されたスローな楽曲は、けだるさを漂わせながらも 官能的で聴く者の心を捉える。決してヘヴィ・メタルの土俵の 上だけで語られる内容ではないが、ヘヴィなギターと重厚な サウンドはヘヴィ・メタルのファンにも十分訴えれるものを 持っている。NEIL YOUNGのカバー、Cinnamon Girlも彼等が カバーすると、如何にもらしいものに仕上がっている。[88] END OF THE WORLD/NO WAY OUT / GASKIN N.W.O.B.H.M.のバンドで1981年にリリースされた デビュー・アルバムEND OF THE WORLDとその翌年にリリースされた 2ndアルバムNO WAY OUTをカップリングしたもの。日本では それぞれボーナス・トラック入りでリリースされており、 こだわるならそちらを手に入れるべきだろう。そのサウンドは N.W.O.B.H.M.のバンドとしては、Man Of Coloursのような プログレッシヴ然とした曲はないが、LIMELIGHTと並んでもっとも プログレッシヴ的指を持っているで、LIMELIGHTよりはさらに ヘヴィな内容だ。特にEND OF THE WORLDはこの手の バンドとしては御多分に洩れず録音状況は最低だが、名作と言って 良い作品で、Sweet Dream Makerを始め、哀愁を感じさせる美しい メロディアスな佳曲が揃っている。NO WAY OUTではよりシンプルで タイトな方向に向かっており、1stの劇的なメロディアスさが影を 潜めており、音質は向上しているが、内容的には落ちる。[86] 2000! / DAN LUCAS 詳細は良く判らないがアメリカのシンガー・ソング・ライターの ソロ・アルバム。ハードでソリッドなアメリカン・ロックだが、 ヘヴィ・メタル系ではおなじみのメンバーが多数参加している。 ギターには元ALICE COOPERのKANE ROBERTS、REB BEACH、 MICHAEL LANDAU、MICHAEL THOMPSONやソング・ライティングでは DESMOND CHILD、先頃ソロ・アルバムを発表したMARK SPIRO等の 名前がクレジットに見える。素朴でアダルトな曲が並ぶが、 味付けは結構ハードだし、DAN LUCASの力強い歌唱も一層その感を 強くしている。全般的に良く出来た味のある良質の ロック・アルバムだ。[84] FOOL'S GAME / MORDRED アメリカはベイエリアのミクスチャー・ロック・バンドの1989年に リリースされたデビュー・アルバム。後にはもっとヒップホップ、 ファンクへの傾倒が大きくなった印象があるが、ここで聴かれる サウンドは明らかにスラッシュ・メタル、ハード・コアを サウンドの軸としたアプローチであり、ミクスチャー的な印象は あまり受けない。唯一ミクスチャー的なアプローチを 行っているのは、スクラッチを取り入れ、ラップ的に歌う Super Freak位だろう。MEGADEATH程複雑さは 持ち合わせていないが、若干そういった印象を受ける。[79] BURIED SECRETS / PAIN KILLER JOHN ZORN、BILL LASWELL、MICK HARRISによるバンドの1992年に リリースされた2ndアルバム。GODFLESHのメンバーをゲストに 迎えており、ジャンル的にはデス・メタルになるのだろうか。 如何に不快な音を出すかを考えている様なそのサウンドは、 はっきり言って理解不能だし、特にJOHN ZORNのそのサックスに 譜面等というものが存在するならば見てみたいような、無秩序な 音の羅列を音楽等とあまり言いたくないし、聴いていると頭が 痛くなってくる。デス・メタルと言ってもあまりに前衛的過ぎて、 これを楽しめるという人はほとんどいないと思うのだが。[0] BEST / ANTHEM ジャパニーズ・メタル・バンドによる1990年にリリースされた 初のベスト・アルバム。選曲的にも問題無く、ANTHEM入門用には ちょうど良いアルバムだろう。全10曲中8曲の歌詞が 日本語なので、ジャパニーズ・メタルはちょっとという 人もいるだろうが、そういう先入観なしで聴いてもらいたい位の レベルで、海外の下らないバンドよりは遥に出来は良いし、 いかにもヘヴィ・メタル然とした楽曲は今聴くと中々新鮮だ。[83] THE IVTH CRUSADE / BOLT THROWER 1993年にリリースされたイギリスのデス・メタル・バンドの 4thアルバム。デス・ボイスはダミ声という位でそれほど気に ならないし、スラッシュ・メタル、パワー・メタル的なヘヴィな リフとメロディで、この手のものとしては一般のファンでも割と 聴ける内容ではないだろうか。重厚なサウンドは迫力があり、 録音、演奏、楽曲を含めて全体的に出来は悪くない。逆にこれと 言ったものがないので、全体的に安心して聴ける作品だが、 今一つ物足りなく、煮えきらなさを感じる。[78] SYMPHONIES OF SICKNESS / CARCASS 解散したメロディック・デス・メタル・バンドの大御所の 1988年にリリースされたデビュー・アルバム REEK OF PUTREFACTIONと1989年にリリースされた2ndアルバム SYMPHONIES OF SICKNESSをカップリングしたもの。まだ後々に 見せるメロディックな要素はほとんど見えず、NAPALM DEATH時代と さして変わらないグラインド・コア的なブルータルな作品だ。 一般にはとても受ける作品ではないし、HEARTWORK以降を 期待するなら決して聴かない方が良いだろう。病的なその サウンドはコアなファンにしか受けそうにない。[34] DRAGLINE / PAW アメリカのハード・オルタナティヴ・ロック・バンドが1993年に リリースした1stフルレンス・アルバム。その根底に流れるのは、 ハード・ロック、ヘヴィ・メタルとは異なるものだが、ヘヴィな エッヂの効いたサウンドは重厚だ。楽曲は、その重厚さと軽快さを 織り混ぜながらすすみ、そのリフを含めて如何にも オルタナティヴらしい曲になっている。アイデア的には悪くないと 思うが、メタル系の人間には楽曲的に趣味に合わないかも 知れない。[74] ELECTRIC LADYLAND / JIMI HENDRIX 1968年にリリースされたEXPERIENCE名義としては最後となる 2枚組の3rdアルバムのデジタル・リマスター盤。 STEVE WINWOOD等の多数のゲストが参加しているが、 サイケデリックでファンキーなブルーズ・サウンドは 相変わらずで、15分にも及ぶジャム・セッションを そのまま収録したVoodoo Chileの生々しい臨揚感は圧巻で、 特にその魅力を発揮している。[82] HEADING FOR THE DREAM / SCAM LUIZ オランダをベースに活動するファンキーな ハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた デビュー・アルバム。ミクスチャーとも言えるようなファンキーで ラテン色の強い明るいサウンドが中心で、メロディは非常に キャッチーで楽曲ののりも跳ねた感じで良い。 Power Of Loveの様なしっとりと落ち着いた曲もあり、決して 一本調子ではない。その演奏は非常にテクニカルで3人編成ながら サウンドの薄さは微塵も感じさせず、レベルは非常に高い。[84] STONE COLD SOBER / TANKARD ドイツのスラッシュ・メタル・バンドの1992年にリリースされた 7thアルバム。方向的にはそれまでとなんら変わりなく、 パンキッシュで単調なサウンドはほとんどワン・パターンと 言ってしまって良い。Mindwild等を一部を除けば楽曲は変化が 乏しいので、どうやっても飽きは来るが、そのパワーは ストレートに伝わってくる。。J.GAILS BANDのカバーCenterfoldは 流れ的に少し違和感を感じるが、個性的にはそれほど悪くない 選曲だ。[75] ARMED AND DANGEROUS / ANTHRAX デビュー・アルバム発表後、ボーカルがJOE BELLADONNAに 交代しての初の音源となる1985年にリリースされた デビュー・アルバム。パワー・メタル的色彩が強く出ており、 オープニング・トラックのArmed And Dangerousのメロウで もの哀しいアコースティック・ギターに切々とJOE BELLADONNAが 歌う導入部は少し驚くが、スラッシィな部分も十分味わえる。 SEX PISTOLSのGod Save The Queenのカバーをやったり Metal Thrashing MadやPanicをJOEのボーカルで取り直したりと、 企画盤的色合いが強い。デビュー・シングルの Soldiers Of MetalとHowling Furiesを ボーナス・トラックとして収録しているが、内容は それなりだろう。[77] NO PLACE TO RUN / UFO MICHAEL SCHENKER脱退でPAUL CHAPMANを新しいギタリストに 迎えての初のアルバムとなった1980年にリリースされた8枚目の スタジオ・アルバム。元々PETE WAYやPHIL MOGGも曲作りに 絡んでいたので、極端に大きく変貌したという訳ではないが、 すっきりとした演奏に、幾分アメリカナイズされたポップな メロディが中心となっており、ドライヴ感のある曲は なくなってしまっている。それ故に曲の持つ緊張感が無く、 リラックスした作品になっている。[78] INSIDE THE ELECTRIC CIRCUS / W.A.S.P. L.A.メタルにおいて異彩を放ったバンドの1986年にリリースされた 3rdアルバム。このバンドの場合、そのセンセーショナルな登場で 一躍知られるようになったが、以降そのイメージがつきまとい、 それに翻弄される事になったのは何とも皮肉な話だ。 BLACKIE LAWLESSがギタリストに転向し、JOHNNY RODが加入した 本作でも、BLACKIEのボーカルの個性は置いておくとして、 方向的には前作の延長線上である、正統派ヘヴィ・メタルとでも いうべき、扇情的な内容の濃い質の高い作品である。こういう良い 作品がバンドのイメージ故に評価されないのは残念な事だ。 BLACKIEの声も好き嫌いはあるだろうが、味があって良い。[86] OBSESSED BY CRUELTY + EXPURSE OF SODOMY + IN THE SIGN OF EVIL / SODOM ドイツのスラッシュ・メタル・バンドで1984年にリリースされた デビュー・ミニ・アルバムIN THE SIGN OF EVIL、1985年に リリースされた1stフルレンス・アルバムOBSESSED BY CRUELTYを レコーディングしなおしたもの、1987年にリリースされた ミニ・アルバムEXPURSE OF SODOMYをカップリングしたもの。 そのサウンドは現在のSODOMの原形たる部分は存在するものの、 スラッシィな部分はそれほど強くない。Introductionの様にリフが 中心となっている曲もあるが、むしろメロディがより はっきりしている曲の方が多い。IN THE SIGN OF EVILの 混沌としたダークさは強烈だ。[68] EVANESCENCE / SCORN 元NAPALM DEATHのMICK J.HARRISとNICHOLAS JAMES BULLENによる ユニットの1984年にリリースされた3rdアルバム。このサウンドを どう表現したら良いかは難しいが、NAPALM DEATHのような グラインド・コアでも、デス・メタルでもないダブによる エレクトリカルな作品だ。静寂さと緊張感を持つ不思議な 世界だが、NAPALM DEATHとは全く色の違うこのアルバムを メタル系の人間が聴いて面白いと思えるかは謎だが、不快なだけの 別ユニットのPAIN KILLERよりは十分聴けるだろう。[70] KERBDOG / KERBDOG イギリスのバンドの1994年にリリースされたデビュー・アルバム。 ベースにオルタナティヴ・ロック的な感覚を持ったヘヴィな ロック・バンド。故に楽曲は基本的にヘヴィ・メタルというよりは グランジ的な線なのだが、その重厚なサウンドは十分楽しむ事が 出来る。こういう新しい感覚をどううまく生かしていくかに今後の 正否はよるだろう。楽曲的には飛抜けた面白い 曲というものはないが、演奏も含めて全体的に まずまずというところだ。[77] WHOSE FIST IS THIS ANYWAY / PRONG ニューヨークのハード・コア・バンドで1992年にリリースされた ミニ・アルバム。その翌年、インダストリアルでスラッシィな 感覚をより顕著にした傑作CLEANSINGをリリースするが、ここでは まだそういう部分はあまり感じられない。とはいうものの、 ハード・コアにとらわれない、ダンサブルなリフと言い、 ファンキーでインダストリアルな感覚と言い非常に斬新で ユニークだ。ほとんどがリミックスという事で、企画盤的色合いが 濃いし、あまりメタル的色合いはないが。[76] LIVE WITHOUT SENSE + MAD BUTCHER / DESTRUCTION ドイツのスラッシュ・メタル・バンドで1989年にリリースされた ライヴ・アルバムLIVE WITHOUT SENSEと1987年にリリースされた ミニ・アルバムMAD BUTCHERをカップリングしたもの。ライヴは 1987年から1988年にかけて行われた欧米でのツアーからの チョイスされたものなので、途中でフェード・アウトが入るが、 出来としては音質も含めてかなり良く、これを最後にボーカルの SCHMIERを解雇してバンドの活動がままならなくなったのは非常に もったいない話だ。MAD BUTCHERではハード・コア・バンド PLASMATICSのThe Damnedをカバーしているが、作品中一番 メロディアスで、一風変わった側面を見せている。[79] 宇宙船地球号 / LAZY 後にLOUDNESSを結成する高崎晃、樋口宗孝らを擁した アイドル・グループの1980年にリリースしたラスト・アルバム。 その内容はヘヴィ・メタルへと変容し、後のLOUDNESSへと繋がる 作品と言える。楽曲的にはまだ完全にヘヴィ・メタルとは 言いがたい歌謡曲的なセンスの見えるものもあるが、特に前半は ヘヴィな要素が強い。高崎晃のギター・プレイもかなり前面に 出てきている。[75] THE WORLD XXI / XXI 詳細は良く判らないが、日本人を含む混成バンドで、1994年に リリースされたらしい。方向的にはアメリカンテイストのある ヘヴィ・メタルで、楽曲によってはWINGERっぽいものもある。 楽曲、プロダクション等、全てにおいてそれなりの出来であるし、 JEAN VIOLETのボーカルも少々エキセントリックだが悪くない。 とはいうものの、平均的で飛抜けたものがなく、のりが良い 訳でもないし、中途半端な感がいがめない。[77] MENTAL VORTEX / CORONER スイスのテクニカル・スラッシュ・メタル・バンドで1991年に リリースされた4thアルバム。アグレッシヴでダークなサウンドは 決して聴き易いという類のものではないが、オリジナリティを 引き出している。とはいうものの、面白いかどうかとなると マニア向けで、エッヂの効いたリフ等聴きどころはあるが、 一般受けはしないような気がする。THE BEATLESのI Want Youを カバーするアイデアは面白いと思うが、さすがにカラーが 違いすぎて消化仕切れていないという感がいがめない。[70] SVEN GALI / SVEN GALI カナダのヘヴィ・メタル・バンドで1993年にリリースされた デビュー・アルバム。SKID ROWを引合にだされる事が多いが、 DAVID WANLESSのボーカルは確かにSEBASTIAN BACHと 酷似している。楽曲もFreakz等は確かにSKID ROWの線なのだが、 全体的にSKID WORに感じるほどコアな印象は受けない。故に SKID ROW程特徴的でなく、もっと平凡さを感じるので聴きやすいが フックは弱い。元気いっぱいなのは判るが、それがストレートに 伝わってこないのは残念だ。楽曲の出来はそれなりで、可もなし 不可もなしといったところ。[78] LYING IN WAIT / DEPRESSIVE AGE ドイツのスラッシュ・メタル・バンドで1993年にリリースされた 2ndアルバム。3rdアルバムはオリジナリティのある非常に 素晴らしい作品で、自己の世界を確立してきた感があったが、この アルバムでは逆にそこに至るまでの迷いみたいなものを感じる 過渡期的な作品だ。このバンドが一貫して持ち続ける メランコリックさは変わらないのだが、それが効果的に 処理されておらず浮いた感じがし、ボーカルは シアトリカルさばかり感じられる。素材的には良いと 思うのだが、バランス感覚の悪い作品だ。[72] NO SMOKE WITHOUT FIRE / ANTHEM ジャパニーズ・メタル・バンドの1990年にリリースされた 6thアルバム。キーボードにDON AIREYがゲストして参加しているが 前に出過ぎずちょうど良い配分だ。Love On The Edgeのような 流れるようなメロディの曲はともかく、エモーショナルな ボーカルは楽曲がはまると素晴らしい。Power & Bloodは全体の 流れからずれているのでなかった方が良かっただろう。 プロダクションも悪くなく、全体的に良く出来ている。[83] THE ULTIMATE EXPERIENCE / JIMI HENDRIX JIMI HENDRIXの生誕50周年として作成されたベスト・アルバム。 内容的にはこれといって目新しいものはないのだが、今は アルバムからカットされている、GREAT WHITE等もカバーしている Red Houseが入っている。選曲的にはバランス良く各アルバムから 取っているという感じで、初心者入門用にはちょうど良い アルバムだろう。[82] THE BEST OF MOUNAIN / MOUNTAIN 1973年にリリースされた、巨漢LESLIE WEST、FELIX PAPPALARDIを 中心とするアメリカのロック・バンドのベスト・アルバム。 MOUNTAINというとやはりMississippi Queenが代表曲と言う事に なるのだろうが、むしろ憂いを帯びたスロー・テンポの ブルージィな楽曲が中心だ。CHUCK BERRYのカバー・ナンバー Roll Over Betthovenや、1分余りの インストゥルーメンタル・ナンバーKing's Chorale等、選曲も 中々面白い。[84] TERMINAL REALITY / RAPED APE アメリカのスラッシュ・メタル・バンドの1994年にリリースされた デビュー・ミニ・アルバムで、ボーナス・トラックを加えて フル・アルバムの体裁を取っている。変則的な楽曲は非常に 攻撃的で、方向性としては見る向きは悪くない。 中心となっているリフはまぁ良いとして、それに絡んでくる ギター・ソロが所々曲から浮いているように感じるのは楽曲の練り 自体が足りないからだろう。変則的なスタンスでこういう問題は 特に浮き彫りになるので、そういう点は修正した方が良い。 わめきちらすだけのボーカルももう少し何とかしてほしい。[75] REFLECTIONS / ACCUSSER ドイツのスラッシュ・メタル・バンドによる1994年に リリースされた6thアルバム。ヘヴィで攻撃的なサウンドだが、 いかにもスラッシュ然とした楽曲で、こういったものが少ない 昨今、非常に好感が持てる。跳ねたリズムも格好良いし、そこに 織り込まれるギター・メロディも悪くない。吐き捨て型の ボーカルは、無機質な割には緊迫感を煽るまでには 至っておらず少々物足りないが、バンドのカラー的には 外れてはいない。非常に重厚な感じで、最近ではかえって貴重な バンドだ。[80] EDGE OF THE CENTURY / STYX アメリカのベテラン・ロック・グループで1990年に6年振りに 再結成してリリースされたアルバムだが、メンバーとしては この当時DAMN YANKEESで活動していたTOMMY SHOWのみを除いて、 GLEN BURTNIKを加えたメンバーとなっている。このGLEN BURTNIKが 半分の曲作りに加わっているためにSTYXらしさはかなり希薄で 良くあるようなアメリカン・ロックという感が強い。 DENNIS DE YOUNGが作っている曲に関しては、如何にも彼らしい 優しさに溢れた曲になっているが、バンドではもっとも ハード・ロック的指向の強いJAMES YOUNGが殆ど曲作りに 参加していないことが大きいだろう。唯一Homewreckerのみが 彼らしい壮快で格好良いナンバーだ。[79] 29 PALMS / ROBERT PLANT ROBERT PLANTがJIMMY PAGEと劇的な再合体を果たす前の1993年に リリースされたソロ・アルバムFATE OF NATIONSからの 1stシングル。彼のソロ時代はLED ZEPPELINとは明らかに異質な 世界を目指していたが、ここでもそれは変わりない。 このシングルで興味深いのはむしろシングル・カットされた曲 自体よりも、その他の曲だろう。21 YearsやDark Moonの アコースティック・バージョンの生めかしいボーカルもそうだが、 名曲中の名曲、胸いっぱいの愛をの アコースティック・バージョンが最も異彩を放っている。ここでも ZEPPELINとはまた違った方向性を見せながらも、彼のボーカルは 非常に味わい深い。ハード・ロック的な色合いは殆どないので、 それ系統の人にはあまり面白いものではないかも知れないが。[76] NO MATTER WHAT'S THE CAUSE / HOLY MOSES ドイツのデス・メタル・バンドの1994年にリリースされた 7thアルバム。活動歴が長いだけあって、そのスタイルは 正統派とも言えるスラッシュ型で、デス・ボイスを除けば コアなスラッシュである。これまで到底女性とは信じられない 咆哮を聴かせていたデス・ボイスのSABINA CLASSENが殆ど 出てこず、ANDY CLASSENが担当しているが、強烈さで劣り 破壊力がそれほど感じられない。故に楽曲的にはそれほど 悪くないのだが、強い印象を与えるに至っていない。ベースは 全曲、BRUTUL TRUTHのDAN LILKERが担当している。[75] MAKING CONTACT / UFO 1983年にリリースされたアルバムで、このアルバムでその歴史の 幕を一度降ろすことになる。ソング・ライティングにおいて 重要な位置を占めていたPETE WAYの脱退したにも関わらず、 PAUL CHAPMANが書く曲も殆どなく、新加入のNEAL CATARが全曲 作曲に加わるという形によって、方向性は大きく 変化してきている。アメリカナイズされた内容で、かつてのUFOを 期待する者は戸惑う作品だろう。曲が悪いとは思わないが、 バンドの持ち味にはあまり合っているとは思えないし、特にこれと 言った曲もない。[75] SIX BULLET RUSSIAN ROULETTE / CHINA BEACH イギリスのバンドの1994年にリリースされたデビュー作だが、 バンド名からは少し想像出来ない硬質の パワー・メタル・バンドである。全体的に憂いを帯びて扇情感を 持った楽曲に、ねちっこい伸びのあるDANNY FOXのボーカルが のるという感じだがボーカルの抑揚のなさが気になる。 DESPAIRなんかよりも垢抜けているし、ときおり見せる速弾きの ギター・フレーズも妙に印象的だし、センス的には悪くない。 何かパンチに欠ける気がするが、デビュー作としては悪くない 出来だ。[80] '82 REVISITED / ANGEL WITCH N.W.O.B.H.M.の知る人ぞ知るバンドだが、どういう経緯か 1982年に行われたライヴがPAUL SAMSON絡みでリリースされた。 全11曲中ライヴが8曲、スタジオ録音が3曲という 構成になっている。ライヴは音量レベルが今一つ 安定していないのが残念だが、録音状態はそれほど悪くなく 出来的にも問題ない。代表曲とも言えるAngel Witchや White Witchも入っているし、かつて出したライヴともだぶらない 曲もあるので価値は高い。スタジオ・バージョンのものも貴重だ。 [87] CAN'T GET ENUFF / PAUL LAINE DANGER DANGERに加入したカナダ人シンガー・ソング・ライターの 2ndソロ・アルバム。PAUL LAINEの加入しながらDANGER DANGERの 新作は何故かポップな路線から離れてしまったが、まだこの アルバムの方が1stソロ・アルバムで見せたポップなセンスが 見え隠れする。1stソロに比べるとややロックンロール色が 強く感じられる曲もあるが、Two Sides Of Love等に見られる ポップ・センス溢れる楽曲は如何にもらしいもので、むしろ こういった曲の方がまだDANGER DANGERには合っていたのでは ないだろうか。ちょっとバラードの数が多過ぎるような気もするが 良質のハード・ポップ・アルバムである。[82] TAKE OUT & SERVED UP LIVE / TYKETTO アメリカのハード・ロック・バンドのボーカル交代を前後した ライヴやデモを収録した企画盤。DANNY VAUGHNのパートでまず 目を引くのは、何と言っても代表曲Forever Youngの デモ・バージョンで、荒々しいが非情に生めかしい出来は オリジナルよりむしろ格好良い。未発表曲のDrag The Riverと Tearin Up The Nightも飛抜けて良いとは言えないが、ボツに なったとは思えない位の出来だ。STEVE AUGERIサイドは全曲 ライヴでDANNYのキャッチーな雰囲気とは変わりソウルフルな 面が強い。[77] THE MEANING OF LIFE/ALIEN / TANKARD ドイツのスラッシュ・メタル・バンドの1990年にリリースされた 4thアルバムと1989年にリリースされたミニ・アルバムを カップリングしたもの。そのリフは攻撃的だが単調さは 相変わらずで禁じ得ないが、多少メロディにバラエティさが 出てきているので我慢出来る範囲だ。良くも悪くもGERREの平坦な ボーカルの個性による影響は大きい。それ以前の作品よりは 出来的には良く出来ているので、こういうコアなスラッシュが 好きなら悪くないだろう。ミニ・アルバムの方は若干 プロダクションが悪い。[77] THE MYSTERY OF TIME / STS 8 MISSION ジャーマン・パワー・メタル・バンドの1990年にリリースされた デビュー作。録音状態はあまり良くなく、チープさは いがめないが、内容的にはそれほど悪くない。この手のものでは HELLOWEEN等の様なメロディの大仰さはあまり感じさせないので、 どちらかといえば聴き易い作品だ。その分フックに欠ける 気もするが、肝心のメロディはそれなりに美しいし、 Always Lyingの様な印象的なものもあり決して悪くない。 楽曲をもう少し練って、プロダクションを良くすれば結構良い 作品になったと思うが。[79] STAGES / JIMI HENDRIX 1967年のSTOCKHOLM、1968年のPARIS、1969年のSAN DIEGO、 1970年のATLANTAとデビューから一年毎のライヴをアルバム化した ボックス・セット。全て未発表音源であり、各年のライヴを 追えると言うことで資料的価値は高い。録音状態も悪くないし、 ライヴ・アルバムとしても十分な作品だが、重複して 収録されている曲も多いのでどうせなら一公演全てを収めて 欲しかった気がする。[80] ...FOR VICTORY / BOLT THROWER イギリスのデス・メタル・バンドが1994年にリリースした 5thアルバム。楽曲はスラッシィで非常に重厚な 音作りをしている。デス・ボイスもそれに合わせてか、ドスの 効いた咆哮だ。楽曲は程よくメロディも存在するし、偏りのない 方向性には好感が持てるが、曲の展開がどれも似たりよったりで ワン・パターンな感がある。重厚な部分を押し出しすぎて めりはりに欠けるのも難点だが、そこら辺の デス・メタル・バンドよりは数段上だ。[78] RESCUE ME / FREAK OF NATURE 元WHITE LIONのMICHAEL TRUMP率いるバンドの1993年に リリースされたデビュー・アルバムからの1stシングルで、 その他に未発表バージョン、未発表曲が4曲 カップリングされている。What Am Iの アコースティック・バージョンはMICHAELのボーカルが何とも うらわびしい雰囲気を醸し出していて味があり、聴く価値は 十分ある。未発表曲ではブルージィ色のあるバラード Can't Find My Wayも中々聴きごたえがある。[81] LIVE LINE / VICTORY ドイツのメロディアス・ハード・ロック・バンドが1994年に リリースした2枚組の2枚目のライヴ・アルバム。前のライヴ盤 THAT'S LIVEはその後JOHN SYKESとバンドを組むことになる 初代ボーカリストのCHARLIE HUNN時代のもので、今作は方向的に 若干変化があったPEDRO SCHEMMにボーカルが交代した後の好対称な 作品と言える。アメリカナイズされた今作と、前作でどちらが 良かったかは意見が分かれるかも知れないが、どちらも良い作品で 彼等のライヴ・パフォーマンス能力を証明している。[85] THE REAL LUST FOR LIFE / NOBLE ROT ドイツのハード・ロック・バンドの1994年にリリースされた デビュー作。ヘヴィネスでグルーヴィなハード・ロックだが、 ドゥーム一辺倒という訳ではなく、いろんなジャンルに クロス・オーバーしている。リフ等は如何にもドゥームっぽいが 楽曲自体はグランジっぽかったりと割とユニークな作品だ。 グルーヴィなリフは結構面白いのだが、肝心の楽曲自体は 面白味に欠けるのは如何ともしがたい。曲作りの力がつけば 結構面白い存在にはなると思うが。[74] WHEN HEROES FALL / ATTIKA アメリカのパワー・メタル・バンドで1994年にリリースされた 初のフル・アルバム。Deliverer等、如何にもIRON MAIDEN辺りに 影響を受けたのが見え見えの楽曲で、全体的なチープさも あいまってOMENや初期のFATES WARNINGを思わせるような内容だ。 自己プロデュースのせいか、非常に悪い音質でプロダクションの 点においては如何ともしがたい作品だが、その荒々しい 破天荒さにはB級らしい味がある。ボーカルもしょぼいし、到底 一般向けにお奨め出来る代物ではないが、ヨーロッパのしょぼい バンドが好きならそのメロディはきっと魅力的だろう。[72] ADRENALINE/LEAVES / THE GATHERING オランダのゴシック・メタル・バンドの4曲入りシングル。 うちアルバム未収録曲が2曲と未収録バージョンが1曲の 構成になっている。新曲に関してはMANDYLIONでの路線からは 大きく変わっていないが、Adrenalineにしても Thrid Chanceにしても若干ダンサブルな感覚が 強くなっているように思う。元々跳ねたような感じのある バンドなので気にする程のものでもないが。楽曲的にも 悪くないし。[83] BLUT / ATROCITY ドイツのデス・メタル・バンドで1994年にリリースされた 3rdアルバム。ダミ声だがデス・ボイスという程 きついものではなく、ある程度歌っていて聴き難いものではない。 楽曲はスラッシィなものからメロディックな辺りまでという感じで 退廃的な香を放っている。今では珍しくはなくなったが、 女性ボーカルを導入したり、ストリングスを入れたり、ラップ風に やっているものまであってかなり実験的に色々やっている様子は 伺える。楽曲によってはかなり異彩を放っており一風変わった 雰囲気を醸し出している。[78] MASTER OF MISERY:BLACK SABBATH-AN EARACHE TRIBUTE / V.A. 1992年にリリースされたEARACH所属のアーティストによる BLACK SABBATHのトリビュート・アルバム。ドゥーム、デス系の バンドがやるにはもっともはまる題材だけにどのバンドも 自らの個性に合った消化をしているし、選曲も面白い。GODFLESHの Zero The Hero等は源曲が殆ど判らないまで デフォルメされているし、インダストリアル風のPITCHSHIFTERの N.I.B.やシンセサイザーとサンプリングを前面に押し出したOLDの Who Are You?と実にユニークだ。SCORN等は元からやってる音楽が 良く理解出来ていなかったが、カバーをやってもカバーに 聞こえないまで徹底されているのは絶句する。CATHEDRALは さすがというところだろう。[81] HEARTCORE / TRANSIT スイスのハード・ロック・バンドの1992年にリリースされた 2ndアルバム。キャッチーなメロディの硬質な明るい ハード・ロックだが、まずまずのりもあって素養としては 悪くない。ヨーロッパのバンドらしいメロディ・センスを 持っているし、楽曲も平均的ながら一応に楽しめる出来なのだが、 在り来りでこれはといったものがなくて、コーラスを大幅に 入れていたりするが山場に欠ける感じはいかんともしがたい。[76] NO REST, NO MERCY / STAIRWAY イギリスのクリスチャン・メタル・バンドの1993年に リリースされたデビュー・アルバム。哀愁のメロディたっぷりの 芋臭いヘヴィ・メタルで、音質、ボーカルを含めて全体的な チープさはN.W.O.B.H.M.的な感覚を匂わせる。楽曲自体は そういったものより、ドラマティックさに欠けるが やや洗練されていて北欧風だが、出来自体は素晴らしいという 程でもない。いかにもB級然としているが、メロディ自体は割と 良いので、音質を気にしない、臭い哀愁と泣きが好きだという 向きには割と楽しめるだろう。[79] THE LAST COMMAND / W.A.S.P. BLACKIE LAWLESS率いるL.A.メタル・バンドの1985年に リリースされた2ndアルバム。バンドにおいてはかなり異彩を 放っているロックンロール・ナンバーBlind In Texas等もあるが、 まさにW.A.S.P.らしいバンドにとっては最高傑作とも言える内容に 仕上がっている。BLACKIEの作る楽曲は扇情的で、非常に個性的な BLACKIEのボーカルがうまく生きている。楽曲を始め、全体的に 非常に良く出来た作品である。[88] SAVIOUR MACHINE / SAVIOUR MACHINE アメリカの クリスチャン・プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの 1993年にリリースされたデビュー作。プログレッシヴと言っても いわゆるDREAM THEATER的なものではなく、 シンフォニック・ロック風のものであり、ニヒルで静寂感を持った 耽美なサウンドは独自の世界を構築するに至っている。ギターと シンセサイザーが作り出す荘厳で格調高いドラマティックな サウンドに、スキンヘッドのボーカリストERIC CLAYTONの ねちっこい歌声が絡んでくる。何とも不思議で魅力あるサウンドで 楽曲も良く出来ており、耽美なものが好きな人に是非 お奨めしたい。[89] REACHING HORIZONS / ANGRA アメリカのファン・クラブ用に作成されたCDで、内容は デビュー前に作成されたデモ・テープの6曲に3曲の ボーナス・トラックを付けたもので構成されている。 デモ・テープはその後デビュー盤や2ndのボーナス・トラック、 ミニ・アルバムに録音しなおして収録されているが、確かに アルバムのバージョンより洗い物のさすがというだけの 出来ではある。秀逸なのはボーナス・トラックとして 収められている未発表曲Don't Despaurだ。ANGRAっぽくない曲と 言うことで多分没になったのをここに入れたのだろうが、非常に 格好の良いスピード・チューンでファンのみならず聴いて欲しい 曲だ。ファン必須アイテムと言えるだけの内容である。[87] TALES FROM A HAUNTED BOOK / TUSK ドイツのメロディアスなヘヴィ・メタル・バンドの デビュー・アルバム。LONG ISLANDのものにしてはあまり ポップさを感じさせない。全体的にチープな感じのする哀愁の ヘヴィ・メタルで、鼻にかかったようなしょぼいボーカルは若干 聴き苦しいが何となく許容出来てしまうようなサウンドだ。 全体的に垢抜けていなくてB級であることはいがめないが、 そこにまた魅力が見出せる。ギター・メロディ等は中々 見るものがあるので、プロダクションとボーカルがもう少し 良くなれば結構良い作品を作るだろう。[78] LINE OF FIRE / TRACE ドイツ出身のメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドで、今は亡き LONG ISLAND RECORDからのデビュー盤。キーボードはかなり大幅に 取り入れられているが、バランス的に前に出過ぎとは感じさせず、 そのセンスは中々良い。ドラマティックで湿り気を帯びた美しい 楽曲は扇情的で格好良く、非常に良い出来で素晴らしい。時には 扇情的に迫ってくるギターを始め、バックの演奏も楽曲を 生かしている。楽曲、演奏ともかなり高レベルなのだが、唯一 残念なのはボーカルの出来だ。作品をぶち壊すほど酷いとか 下手という訳では決してないし、クリアな声質はバンドの 色合いから外れる訳ではないのだが、鼻にかかったような 感じがするし、少し弱いような気がする。その点を除けば 素晴らしい出来栄えだ。[89] DYING TO LIVE / SILOAM カナダのクリスチャン・メタル・バンドの2ndアルバム。楽曲は 扇情的でメロディアスな哀愁漂うものと格好良いノリのある ヘヴィ・メタル・ナンバー等からなっている。BRENT MILLSOPの 感情表現豊かなボーカルはどのタイプの曲にも映えていて、 より楽曲の魅力を引き立てている。MARSHALL JACHARIASの メロディアスなギター・プレイも効果的だ。そして何より、 楽曲の良さが、それらの演奏が生かしている。ヨーロッパ的な 彼等のメロディ・センスの良さが光る素晴らしい 作品になっている。オープニング・ナンバーのApathyの ぞくぞくするような扇情感は必聴だ。[92] SOUL SURVIVOR / GOREFEST オランダのデス・メタル・バンドの4thアルバム。咆哮型の デス・ボイスはともかく、楽曲は完全に ドゥーム/パワー・メタル的な方向へとシフトしている。 ダークさはあまりなく、サイケデリックな色調の落ちた ヘヴィ・ロック風とも言えるが、荘厳さを持ったキーボードが 不思議とマッチしている。デス・ボイスもそれほどきつくなく、 かなり聴き易い作品になっているし、メロディはかなり はっきり押し出しているので、割と一般受け出来る作品だろう。 [84] 1996 / ROYAL HUNT デンマークのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの日本公演を 収めた2枚組ライヴ・アルバム。楽曲の良さは言うに及ばずだが、 この完成度の高いライヴは賞賛に値する。ANDRE ANDERSENの キーボード・プレイは言わずもがなだが、D.C. COOPERの ボーカルは特に本当にライヴなのかと疑う程完璧だ。 ソロ・パートやSEまで完全盤と言う内容で、ライヴに行かなかった 人もその全容を知ることが出来る。おまけのボーナス・トラックの 新曲は特に可もなく不可もなくというところ。[86] THANKS TO FRANK / WARREN CUCURULO 元FRANK ZAPPA BAND、MISSING PERSONSで現DURAN DURANの ギタリストによる初のソロ・アルバム。いわゆる ギター・インストルゥメンタル・アルバムで、ライヴ録音という 事もあってかプロダクションには少し疑問は残るが、演奏自体は 全く問題ない。テクニカルだが、それほど派手さは無く、 どちらかと言えば聴き易い作品だ。楽曲自体は グルーヴィではあるがややインパクトに欠ける感じがする。[78] SENSORAMA / BAAL デンマークのバンドのデビュー・アルバムで、帯びには DIZZY MIZZ LIZZYに次いでなどと書かれているが、音楽的な 類似は全くない。シアトリカル・ロック風で、そこにQUEEN的な オペラチックなエッセンスを取り入れている。ジャケットの メンバー・ショットもかなりきていて、ちょっと敬遠したい 感じがするが、内容的には楽曲のアイデアも演奏も 良く出来ている。音はかなりハードな部分もあるが、 ハード・ロックと言う感じではない。[80] ANGRY MACHINES / DIO 3年振りの新作だが、方向的には前作のSTRANGE HIGHWAYSの 延長線上で、モダン・ヘヴィネスな作品であり、 BLACK SABBATH復帰後のRONNIE JAMES DIOの作品に不満を 抱いている人間にとっては、やはり同じ不満を抱かざるを得ない。 何故彼が、RAINBOWや初期のDIOで見せた、様式美的な方向から 離れてしまったのか理解出来ないが、これがギタリストの TRACY Gによる影響だとしたら、TRACYとRONNIEはあまり 合わないという感想しか持てない。楽曲は全体的に ミドル・テンポ中心であり、可も無く不可も無くと 言ったところだ。[74] FIRE GARDEN / STEVE VAI ALIEN LOVE SECRETSに続くソロ・アルバムだが前半と後半で はっきりと傾向が分かれていて2部構成的な作品になっている。 前半はギター・インストルゥーメンタル作品で占められており、 いかにもVAIらしい内容だ。一方後半ではSTEVE VAI自身が ボーカルを取っている曲が集中し、彩り豊かな内容となっている。 VAIのボーカル自体は特にうまい訳ではないが、結構パワフルで 悪くない。後半でもそのギター・プレイは相変わらずだが、曲の 傾向が少し違うので戸惑わなくもない。[82] OUT OF NOWHERE / VINNIE MOORE スーパー・ギタリストによる、ソロとしては久々の5年振りとなる 4thアルバム。説明するまでも無く、 ギター・インストルゥメンタル・アルバムなのだが、この手に ありがちな、ギター・テクニックだけがつっぱしった 内容では無く、楽曲もメロディアスでそれ単体でわりと楽しめる 作品に仕上がっている。前作に比べてもバラエティに 富んでいて、楽曲におもしろみが出て、大分良くなったという 感じだ。[83] LIVE AT THE CALIFORNIA JAM / DEEP PURPLE 第3期DEEP PURPLEの1974年に行われた カリフォルニア・ジャムでの模様を収めたビデオをCD化した ライヴ盤。部分的に録音状態の良くない部分はあるが、もともと TV放映用に取られたものなので、概ね良好だ。 フェステイヴァルであるため僅か6曲のみだが、その他の ライヴ・アルバムと比べてもそのパフォーマンスは トップ・クラスに挙げれるだけの出来だと思う。[88] MAD AS A HATTER / SHADOWLAND イギリスのポンプロック・バンドPENDRAGONのキーボード CLIVE NOLAN率いるシンフォニック・ロック・バンドの 3rdアルバムだが、ギターが名曲PARADOXを生んだ プログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドTHRESHOLDの KARL GROONということもあってかなりヘヴィな内容だ。まぁ、 それもPENDRAGONに比べればという話であって、どこまで ヘヴィ・メタル系のファンに訴えるものがあるかは疑問だが、 エッヂが効いた叙情的なギター・メロディはさすがだ。2ndが 1stに比べて幾分中途半端な印象を受けたが、 ポンプ・ロック的なメロディはより洗練されPENDRAGONとは また少し面持ちの違う美しい作品だ。[82] LIVIN' IT UP / TERRA NOVA オランダのハード・ポップ・バンドのデビュー・アルバム。 軽快でキャッチーな良質のポップ・センス溢れる楽曲が 並んでいる。疾走感のあるロックンロール風のナンバーから しっとりとしたバラードまで、まんべんなく佳曲と言えるだけの 曲が並んでいる。演奏、コーラスもそつなくこなし、ちょっと しゃがれ声のFRED HENDRIXのボーカルも味があって良い作品に 仕上がっている。全体的に良く作られていて、デビュー作で これだけの完成度はたいしたものだ。[86] SUPERNATURAL BIRTH MACHINE / CATHEDRAL イギリスのドゥーム・メタル・バンドによる4thアルバム。根底に 流れるBLACK SABBATH的なサウンドは普遍で、その意味では前作の 延長線である。ただ、パワーと勢いは今まで以上にあるものの、 これまで見せてきたような耳を引き付けるような、印象的な うねりがないので散漫な印象を受ける。とはいうものの、 取り立てて楽曲が悪い訳ではないし、グルーヴィさは健在なので 駄作という訳ではない。勢いで作ったという感じで、もう少し 練り込まれていれば大分良くなったのではないかと思う。[80] WISEBLOOD / CORROSION OF CONFORMITY アメリカのヘヴィ・ロック・バンドの7thアルバム。この手の バンドとしては割とサイケデリック色が希薄な内容だが、やはり グルーヴィだ。以前よりBLACK SABBATH的な要素が 強くなっており、コアなサウンドからより硬質な ハード・ロック風に変化している。ドゥーミィな部分が あるとは言え、どちらかといえばアメリカ的なほこりっぽさを 持ち合わせた渇いたサウンドには暗さはない。METALLICAの JAMES HETFIELDがMan Or Ashにゲスト参加しているが、 際立ってどうこう言う曲ではない。[82] LOUDER THAN HELL / MANOWAR 4年振りの新作だが、基本的にもう完成されたスタイルを 持っているので今更ながらどうこう言うこともないだろう。ただ、 前作と比べるとすれば、前作の28分という大作の オープニング・ナンバーが如何にも冗長であったのが 如何ともしがたく、それ以降の流れを壊してしまっていたのだが、 今回それがないのでより入り込み易くなっている。メロディもより 判り易いものになっているし、MANOWARとしては良い出来の作品と 言って良いだろう。基本的に大きな変化はないのでファンならば 安心して聴ける筈だ。[84] MISSA MAGICA / STEVE ANDERSON スウェーデン人ギタリストによる ギター・インストルゥーメンタルものの2ndソロ・アルバム。 ギター・テクニック中心というより、むしろ楽曲に比重を 置いていて、情感豊かな美しいメロディの良く出来た 作品ではあるが、静的なイメージが幾分あり、非常に 地味であることはいがめない。民族音楽の影響が多分に見え、 独自の不思議な雰囲気を醸し出しており、個性というのは 見える。[81] TRIAL BY FIRE / JOURNEY アメリカン・ハード・ロック・バンドの再結成第一弾。 解散前のメンバーそのままの再結成ということで、相変わらずの アダルタな雰囲気たっぷりの、ポップでメロディアスな 作品になっている。Separate WaysやCrying Nowといった名曲に 並ぶというまでの曲はないが、十分素晴らしい出来で、 旧ファンならずとも楽しめる作品だ。バラードが少し多いという 気がしないでもないが、それを歌いあげるSTEVE PERRYの ボーカルが合っていて良い曲が多い。地味な印象を受けるが 完成度は高い。 BLEEDING / PSYCHOTIC WALTZ アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。ダークな メロディにヘヴィなサウンドのプロフレッシヴ色のある作品で、 BUDDYのクリアなボーカル、ギター・メロディ、キーボードが 楽曲をより一層印象深いものにしている。CONCEPTIONにも 通ずるような幻想的なヘヴィ・メタルだが、もっと ミドル・テンポ中心で大仰さを出しており、より ドラマティックだ。楽曲の出来は平均的にだがそれぞれ練れていて 聴き易い。[85] JUDGEMENT DAY / SINNER MAT SINNER率いるドイツのメロディアスな ヘヴィ・メタル・バンドの新作。タイトル・ナンバー等の ミドル・テンポの楽曲での、そのメロディ・センスの良さは非常に 光っているが、速い曲も全体的なバランスを考えると悪くない。 ワイルドでラフなナンバーを入れたりと割と多彩な 内容になっており、MAT SINNERの声質は好き嫌いが多少 分かれるかもしれないが、これはこれで味があって良いと思う。 [83] TRIBE OF GYPSIES / TRIBE OF GYPSIES BRUCE DICKINSONのBALLS TO PICCASSOに全面的に参加して 知られる様になった、LOY Z率いるL.A.のブルージィな ハード・ロック・バンドのデビュー・アルバム。アダルトで 落ち着いた雰囲気を醸し出す楽曲は、BALLS OF PICCASSOとはまた 違ったものだが、ROY Zのソング・ライターとしてのセンスの 良さは良く出ている。楽曲自体はそれほど派手さはないが、 ラテン調のテンポが小気味良く、ROY Zの演奏も非常に エモーショナルでリラックスして聴ける良い作品に 仕上がっている。[85] STAG / MELVINS アメリカのオルタナティヴ・バンドの8thアルバム。この手の 音楽は余り詳しくないので何だが、その中でももっともダークで ヘヴィな内容ではないだろうが。ギター・リフ等は、割と メタル系の人にも聴けるものだと思うが、エフェクトをかけた ボーカルや楽曲自体は面白いと思えるかどうかは謎だ。全体的に ニヒルな雰囲気があり、ギター・メロディは所によっては非常に アバンギャルドで実に不思議な作品で、これはこれで 悪くないのだろう。[80] RETURN OF GRASSHOPPER / COCOBAT 日本のハード・コア・パンク・バンドの新作。前作から ベース以外のメンバーが全員入れ替わったらしいが、あまり どういうバンドか良く知らないので、その音楽性にどの程度影響が あったのかは判らない。PANTERA風のボーカルで、ざくざくと 切り刻んでくるヘヴィなリフはスラッシュ・メタル系統の人にも 通用する部分はあるだろう。ただ、あくまでもハード・コアなので それが聴けないと少し辛いかもしれない。[77] IN CONCERT / RICK WAKEMAN 現在プログレッシヴ・ロック・バンドYESに復帰した キーボード奏者であり、これは昔一度YESを脱退した後、 ソロ活動を行っていた時分のライブをラジオ番組の KING BISCUIT HOUR放送用に収録した音源ををCD化したもの。 キーボードが前面に押し出されたまさしく プログレッシヴ・ロックといった内容で、そのプレイは圧巻だ。 ただし、ヘヴィ・メタル的な部分はまるでなく、純粋な プログレッシヴ・ロックが好きな人向けではあるが。[86] STREAM / THE 3RD AND THE MORTAL 北欧ゴシック・メタル・バンドの新譜に先駆けてのシングル盤で、 新譜からStreamと前作のHorizonsのリミックスの2曲入りという 構成になっている。前作ではホラー的な方向へと変質して一部 ファンを落胆させたが、ここではキーボードをかなり押し出し、 プログレッシヴ・ロック的な要素が強く押し出されている。 horizonsのリミックスでは、その変化が顕著だ。静寂感を 醸し出したそのサウンドは初期とは完全に一線を画しているが、 前作が少し中途半端な感がいがめなかった事を考えると、やっと 新たな方向性を確立しだしたと考えても良いだろう。[85] ATTITUDE / SEPULTURA ブラジルのスラッシュ・メタル・バンドによる3rdアルバム ROOTSからの日本では3枚目となるミニ・アルバム。 スラッシュ・メタル的なエッセンスは残っているもの、 ノイジィーなオカルティックな作品で、大胆に機械処理された そのサウンドはスラッシュ・メタルというよりは インダストリアルな印象を与える。ボーナス・トラックとなる Kaiowasのジャムはともかく、残り2曲のライヴが一番 スラッシュ然としている。[74] FORGET THE RAIN / SHOTGUN SYMPHONY アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。全体的に ボーカルにエフェクトが入っていることと、何となく落ち着いて もやっとした感はあるが、BURRNでの批評ほど大きな 変化があるとは言えないだろう。確かに楽曲によっては全く 別物といっても良い物もあるが、グルーヴィな方向へと行ったとは 思わない。前作でのHighway To Tomorrowのような メロディアス・ヘヴィ・メタルの名曲と言えるような曲がないのは 残念な気がするが、全体的にそれほど悪い出来ではない。[78] ALICE IN CHAINS / ALICE IN CHAINS ジャケットの問題で日本では一年以上リリースされなかった フル・スタジオ・アルバムとしては3作目となる作品。解散も とりざたされ、MIKE INEZがOZZY OSBOURNE BANDで活動するなど その将来を危ぶまれたが今後も続けるようだ。ダークで混沌とした サウンドでJAR OF FLIESよりはヘヴィなものだが、 FACE LIFTのようなヘヴィ・メタル的な素養はない。グランジ的 指向が強いのだが、楽曲に今一つ面白味に欠け作品中これと言った 変化がなく、平坦に感じる。全体的には確かに ALICE IN CHAINSっぽく、今のアメリカ向きかも 知れないだろうが。[75] A TRIBUTE TO JUDAS PRIEST LEGENDS OF METAL VOL.II / V.A. JUDAS PRIESTのトリビュート・アルバム第二弾だが、第一弾が そうだったように、JUDAS PRIEST(というかROB HALFORD)の個性が 強すぎてそれぞれのバンドの個性が 負けてしまっているのではないだろうか。むしろSKYCLADの様な 個性ばかりで楽曲はあまり面白くないバンドの方がむしろ独自性が 出ていて、自身の曲等よりかなり面白い。それ以外のバンドでは 悪くない出来のものも多数存在するが、飛抜けて面白いとは 言いかねる。カバーなのだから、思いっ切り源曲に忠実にやるとか 斬新にアレンジするとかしても良さそうに思うが、全体的に何か 煮え切らない作品になってしまっている。[79] SHAKIN' BRAINS / SILVER MOUNTAIN JONAS HANSON率いる北欧メタル・バンドの1983年にリリースされた デビュー・アルバム。後にYNGWIE MALMSTEENと行動を 共にする事になるANDERSとJENSのJOHANSON兄弟も在籍しており、 中々強力な布陣で、内容もそれにたがわぬものになっている。 楽曲は如何にも北欧らしい様式美にみちたもので、演奏的にも かなり高い出来であるのだが、惜しむらくは録音状態が非常に 悪いと言うことだ。だが、それを差し引いても初期 北欧メタル・シーンにおける名盤の一枚と言っても良いだけの 出来だ。[90] TEST FOR ECHO / RUSH カナダで最も成功したプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの 3年振りの新作。SIGNALS以降割合と落ち着いた叙情的な雰囲気の 作品が続いてきたが、前作辺りから結構ヘヴィな ギター・メロディを入れるようになってきており、今作では さらにその傾向が顕著になっている。楽曲的にはいつもながらの 変わらぬRUSH節で、完成度の高い作品だ。最近の作品としては 起伏をより感じる作品なので、最近のRUSHはもの足りないと 感じている向きには嗜好に合うだろう。[86] ROCK ART / MAGNUM イギリスのベテラン・プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの 1994年にリリースされた最後のスタジオ・アルバム。 後期においては前期のプログレッシヴ・ハード・ロック路線から かなりポップな方向へと転進したが、ここでも全体的にポップな 作品ではあるもののWe All Need To Be Loved等はかなりハードな 曲になっている。On Chiristmas Dayといった叙情的なメロディは さすがMAGNUMと言いたくなるような楽曲で、相変わらず作品の 質は高い。こういった良いバンドが解散してしまったのは非常に 残念だ。[88] WILL THE SUN RISE? / STRATOVARIUS 最新作からのシングル的なミニ・アルバムで、未発表曲は 収録されていないが、頭のWill The Sun Rise?を除いた5曲が ライヴという構成になっている。TIMO KOPTIPELTOのボーカルは やはり少し力不足を感じなくもないが、それを除けばTIMO TOLKIの ギター、JENS JOHANSONのキーボードを始め全体的に演奏は良く 出来ている。フィンランド語のM.C.はやや奇異に感じるし、曲の 切れ目のフェイド・アウトが今一つ良くないが、 ライヴ・アルバムとしては悪くない。どうせならば フル・アルバムを出しても良いと思うのだが。[80] IN COMMAND(LIVE 1989-1990) / ANNIHILATOR カナダのヘヴィ・メタル・バンドの初のライヴ・アルバム。 どういう経緯でそれが初期の音源でリリースされる 運びになったのか判らないが、JEFF WATERSがボーカルを兼任する 前の音源で前任の二人のボーカリストRANDY RAMPAGEと COBURN PHARR両方の声が聴ける。JEFF WATERSのボーカルは それはそれで味があると思うが、やはりCOBURNが一番 合っていると思う。演奏も良い出来で、今の音源を アルバムにするよりはかえって 吉となっているのではないだろうか?[87] VEMPIRE OR DARK FAERYTALES.... / CRADLE OF FILTH 今や飛ぶ鳥を落とす勢いのイギリスの メロディック・ブラック・メタル・バンドの2ndアルバム。 デビュー・アルバムでANATHEMAのDARREN J.WHITEが ゲスト参加していたが、彼がTHE BLOOD DIVINEを結成するに 当たり、メロディ隊のRYAN兄弟とPAULの3人全てがそちらに 参加するために脱退してしまい、その存続が危ぶまれたが、 新たなメンバーを入れて再出発してのアルバムだ。当然 金切り声のブラック・メタル・ボイスで、これが聴けないと 苦しいが、プログレッシヴとも言えるような展開とメロディに ブラスト・ビートが織り込まれ独特の世界を築き上げるに 至っている。全体的な完成度も高く、メンバー・チェンジは 悪影響をもたらさなかった。[87] HEAT OF EMOTION / CAUGHT IN THE ACT アメリカのハード・ポップ・バンドの2ndアルバム。デビュー作で 新人らしからぬ落ち着いた雰囲気の完成度の高い作品に 仕上げていたが、今作でもその出来の良さは変わらない。叙情的な メロディの優しい音楽で、前作ではそれ故に盛り上がりに 欠けるきらいもあったが、今作ではギターはエッヂがたっており、 めりはりが効いていて前作よりもだれる事はない。メロディの 秀逸さは新人離れしていて、それを表現するだけの アレンジ力もある。非常に美しい作品に仕上がっているし、 落ち着いたハード・ポップが好きな人には奨めれる作品だ。[88] SUNDOWN / CEMETARY スウェーデンのゴシック・メタル・バンドの4作目。ボーカル、 楽曲ともPARADISE LOST的なバンドでメロディ的にはその系統を 踏襲しているのだが、Elsia等かなり軽快な曲がある。そういった 部分を除けばほぼPARADISE LOSTそのものという感じで、さほど オリジナリティは感じない。楽曲の出来はPARADISE LOSTとまでは いかないだろうが、それほど悪くないのでPARADISE LOSTの ファンは聴いても損はないだろう。キーボード等は中々良い味を 出している。[78] FIT TO BE TIED / AVERSION アメリカのスラッシュ・メタル・バンドによる1992年に リリースされた2ndアルバム。スラッシュとは言え、かなり ハード・コアよりで、如何にも初期METALLICA的な楽曲と サウンドだ。ラストにFor Whom The Bell Tollsを持ってくる等、 本人たちもかなり意識しての事だろう。多分に物真似の 域を出ないが、昨今のつまらないスラッシュ・メタル・バンドより 勢いがあり遥に聴ける。演奏的にも無難なので初期METALLICAが 好きな人にはおすすめだろう。[80] HIGHER THAN THE SKY / RAGE 最新アルバムからの1stシングル。Higher Than The Skyを除けば JawbreakerがJUDAS PRIESTのトリビュート・アルバムに 収められていただけでそれ以外の3曲は未発表である。 注目すべきはIRON MAIDENのカバーThe Trooperだが、割合と そのままやっているので後はこれをPEAVYの声で聴いて面白いと 思うかどうかだろう。残りの2曲の未発表曲は可もなく 不可もなくといったところ。Tie The RopeはRAGEらしい スピード・ナンバーだ。[80] MERCY / ALTURA アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの デビュー作。楽曲と言いメロディと言い如何にも DREAM THEATERっぽい作品だが、その演奏、表現はもっと叙情的で シンフォニック・ロック的な味わいがありポップだ。故に DREAM THEATERに比べるとややハード・ロック色が薄く、かなり 落ち着いてしまっている印象を受けるが、新人離れした完成度を 持っている。演奏も良いし、特に前面に出ているキーボードは 良い味を出している。[83] FOOLCHILD / SAY イギリスのハード・ポップ・バンドの2ndアルバム。出たのはまだ LONG ISLAND record倒産前だがLONG ISLANDではなく 自費出版の様だ。ボーカルは元2 DIE 4のANDY SHOWに 変わっているが、楽曲的にはそういう影響は見えない。むしろ もっとハードさがそぎ落とされ、ブルージィな如何にも AORとしか言えない様な方向へと来ている。THE DOORSのカバー Light My Fireも非常にムーディなアレンジで一聴しただけでは それと気がつかないほどだ。SIMPLY REDみたいなのが好きならば それなりに聴けるかもしれないが、ハードなのが好きな人には 1st以上にソフト過ぎるだろう。[78] WE CARE A LOT / FAITH NO MORE アメリカのミクスチャー・ロックの代表格とも言えるバンドで、 1985年にリリースされたデビュー盤。初代ボーカリストである CHUCK MOSLEYのボーカルはMIKE PATTONほど切れておらず、 その後の破天荒さはあまり感じないが、キーボードの使い方や 楽曲は確かにTHE REAL THINGに通ずる様なFAITH NO MOREの 世界である。作品としてはその後のアルバムとまでは言えないが 決して悪い出来ではない。[75] LOOK WHAT I'VE STARTED / PEO 北欧のシンガー・ソング・ライターのソロ・アルバム。整った アメリカン・ロックという感じで、美しい売れ線の印象的な メロディが並ぶ。以外とパワフルなボーカルで元気が良く すかっとした壮快感を感じさせるし、中々うまくて味がある。 バックも適度にハードでハード・ロックという感じではないが、 この手の人も十分楽しめる作品だ。楽曲、演奏とも非常に 良く出来ていて、ルックスはともかく内容で勝負出来る。[85] INSIGHTS / LEMUR VOICE オランダのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの デビュー盤。Magna Carta所属のアーティストらしいテクニカルな 作品で、組み曲も含んだ大作嗜好の曲が並ぶ。タイプ的には最近の DREAM THEATERに通ずる部分もあり、展開があって楽曲の出来も 無難だ。逆に飛抜けた曲はないが、演奏もしっかりしているし、 安心して聴ける。シンフォニックな叙情的なメロディも合いまって かなり落ち着いた印象を受け、良く出来たアルバムだとは思うが、 それ以上に訴えかける物があまり感じられない。[83] DOMINION / KAMELOT フロリダ出身のパワー・メタル・バンドによる2ndアルバム。 デビュー盤では良質の叙情的でメロディアスなパワー・メタルを 聴かせてくれていたが、今作ではメロディ的な部分ではあまり 変化がないが楽曲にある程度展開を持たせている。だが、 残念なことにそれによってかえって散漫な印象を受ける。 キーボードも良い味付けになっているし、大仰な パワー・メタルという事で心引く物はあるのだが、この辺りの アレンジがもう少しなんとかならないと名作と呼ぶ域には 達しないだろう。[81] TIME TELLS NO LIES / PRAYING MANTIS N.W.O.B.H.M.バンドの1981年にリリースされた1stアルバムで、 以前にも日本盤でCD化されたが、今回のCD化で特筆すべき事は、 1980年にリリースされた2枚組みシングルのCHEATEDから3曲 ボーナス・トラックとして収められていることだろう。 Flirting With SuicideとPanic In The Streetsのライヴは スタジオ版の音質からすると十分満足の行くものだし、 アルバム未収録だったThirty Pieces Of SilverはLetting Goで さびが流用されてる様な気がしないでもないが、 PRAYING MANTISらしい佳曲だ。既に日本盤で持っている人には この3曲だけで奨めるのは少し苦しいがマニアは持っていて 損はない。[84] CHARTSCRAPER / FALCON ドイツのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。 ベース、ボーカル、ドラムが交代し、レコード会社もLigaから 変わっての出直し作となるが、憂いの帯びた叙情的なメロディは 相変わらずである。前作同様、幾分洗練されていない気はするが、 その美しいメロディはさすがで、情感に訴える物はある。しかし、 全体的に整いすぎて引っ込んだ感じがし、否応にも1Stより 地味さを感じずにはいられない。Warのように印象的な メロディもあるだけに惜しい。もう少し洗練され、曲に めりはりが出れば非常に良い作品になっただろう。[84] GOOD ACOUSTICS / FIREHOUSE アメリカのメロディアス・ハード・ロック・バンドの アンプラグド・アルバム。叙情的なメロディを作り出すセンスは さすがで、アンプラグドで聴くと尚更際立っている。珠玉といえる 楽曲をアコースティックでプレイしたところで、その魅力は 何等減じるところはない。渇いた甘いポップ・センス溢れる サウンドが好きなら買って損はないだろう。この手のアンプラグド 作品としては非常に良く出来ていて、じっくり落ち着いて聴ける 作品だ。[87] ACTUAL FANTASY / AYREON オランダのハード・ポップ・バンドVENGEANCEのギタリスト AJREN ANTHONY LUCASSENのソロ・プロジェクトによる 2ndアルバム。1st同様、VEANGEANCEの様なパーティ・ロックとは うって変わり、壮大なプログレッシヴ・ロックの コンセプト・アルバムだ。前作よりシンフォニック色が 強くなったので、さらに落ち着いて地味な印象を受ける。元々の ファンにこういった物がどれだけ受けるかは謎だし、楽曲的には 前作よりやや落ちるものの、それでも良く出来たアルバムだ。 幻想的なキーボードに扇情的なギター・サウンドがアルバムの 雰囲気を盛り上げている。[88] HEAVEN SHALL BURN...WHEN WE ARE GATHERED / MARDUK スウェーデンのブラック・メタル・バンドの5thアルバム。 路線的には前作までとほぼ変わらない。ブラスト・ビートの入った 非常に速いナンバーがずらりと並ぶが、それでも ギター・メロディははっきりしている。楽曲によっては このメロディがドラマティックで中々味わい深い。ボーカルは 相変わらずだが、金切り声という程でもないので、この手では 効き易い方かも知れない。ブラック・メタルとしてはかなり 良く出来ているアルバムと言って良いだろう。[80] SCENERY AND FISH / I MOTHER EARTH カナダのハード・ファンク・ロック・バンドの3年振りの 2ndアルバム。全体的にファンキッシュな作品で ミクスチャー的な方向性は変わらない。そこから醸し出す グルーヴィ感は相変わらず素晴らしい。楽曲、演奏とも 良く出来ているし、ブルージィな香も漂い若干けだるさを 感じさせる、中々味わいのある作品だが、日本ではこういう 作品はあまり受けないだろう。[84] [[V]] AT THE HARD ROCK LIVE / MR.BIG 次々とライヴ・アルバムをリリースしてくるMR.BIGだが、これは シンガポールで行われたアコースティック・ライヴを ライヴ・アルバム化したもの。演奏は全く問題ないバンドだけに、 出来も確かだし、今までとはちょっと目先が変わって中々興味深い 作品だ。アコースティックでも楽曲の良さは 減じるところはないし、スピード・チューンの Daddy, Brother, Little Boyをやっているところなど実に 格好良い。[85] DEATH OR GLORY / HEAVY LOAD 初期北欧メタルを担ったスウェデーンのヘヴィ・メタル・バンドの 1982年にリリースされた2ndアルバム。録音は最低、ボーカルも しょぼいので到底お勧め出来る作品ではないが、北欧の バンドとしてはかなり荒々しく、その勢いと扇情感である程度 そういう問題点をカバーしている。確かに北欧らしい哀愁感のある メロディは持っているが、どちらかというと美しいというより ラフさを感じさせるアルバムである。楽曲もあまり 洗練されておらず、むしろN.W.O.B.H.M.的な雰囲気すら 漂わせている。所詮B級の域を出ていないのだが、全体的に メロディ・センスも悪くないし、臭いのが好きな向きには 良いだろう。[81] WHEN THINGS GET ELECTRIC / KERRY LIVGREN アメリカン・プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドKANSASの 元ギタリストによる1994年にリリースされた7枚目の ソロ・アルバム。ポップ・センス溢れる良質の ロック・アルバムで、完成度が非常に高い作品である。KANSASの バイオリニストDAVID RAGSDALEも参加しているが、この バイオリンも良い味付けになっている。ミディアム・テンポ中心で 派手さはないが、じっくり聴かせる良く出来た作品で心が洗われる 作品だ。[84] ИГРА С ОГНЕМ / АРИЯ ロシアのヘヴィ・メタル・バンドで何枚目かは判らないが1989年に リリースされたもの。JUDAS PRIEST風のジャケットだが内容の方は いも臭いメロディアスなヘヴィ・メタルだ。リズムの刻み方等 IRON MAODEN風の部分もあったりするが、楽曲自体はヨーロッパの B級メタルと言うに相応しいものだ。全体的に洗練されておらず、 ロシア語の歌詞もその感をつよめているす、方向性も今一つ 定まっていないのはいかんともしがたいが、臭いメロディは それはそれで聴ける。[74] IN CONCERT / BILLY SQUIER アメリカのロック・シンガーのラジオ番組 KING BISCUIT FLOUR HOUR放送用のライヴ音源を ライヴ・アルバムとしてリリースしたもの。1980年代前半に 活躍し、日本でも結構知れたミュージシャンだが、LED ZEPPELINを 比喩に出されることが多かったと思う。楽曲的にはもっと アメリカ的な渇いた明るいノリがあるし、ROBERT PLANTと 比較されたそのボーカルも、高音ではともかく全体的にはもっと 骨っぽい。今聴くとちょっと古臭いロックンロールで懐かしさを 漂わせている。[82] STORIES TOLD & UNTOLD / BAD COMPANY PAUL RODGERS抜きでBRIAN HOWというボーカリストを要して 再結成されたイギリスのブルーズ・ロック・バンドだが、前作より ROBERT HEARTというボーカリストに交代している。このボーカルが 実に渋い歌唱を聴かせてくれている。ボーカルのタイプとしても バンドに合っているし、半分はPAUL RODGERS時代の リメイクなのだが、違和感が全くない。THUNDER程 ハードなものではないが、リラックスしたじっくり聴ける作品だ。 クールで枯れたその世界観は派手さはないが、素晴らしい。[86] CENTURY RENDEZVOUS / GLORY BELLS 後に北欧の代表的なバンドの一つであるGROLYの母体となる スウェーデンの北欧メタル・バンドで1984年にリリースされた 2ndアルバム。サックスを入れたりと色々と やろうとしてはいるみたいだが、残念ながらそれを結実させるには 至っていない。録音状態は悪いし、楽曲等特にこれといって 見るものはあまりなく、センスも悪いと言わざるを得ない。 資料的な価値はあるのだろうが、正直言ってつまらない いも臭い作品だ。[57] INTO THE UNKNOWN / JEFF KOLLMAN アメリカの正統派ヘヴィ・メタル・バンド、EDWIN DAREの ギタリストによる2ndソロ・アルバム。EDWIN DAREの2ndアルバム CANTBREAKMEは昔のQUEENSRYCHE的な方向も見える、正統派の傑作 アルバムといえる素晴らしい作品であったが、このアルバムは それと同時に制作されたらしい。リズム隊もバンドのメンバーで 代わり映えしない環境で作られた訳だが、方向的には EDWIN DAREと違い、ソロ・アルバムらしいフュージョンっぽい ギター・インストぅルーメンタル・アルバムになっている。 Carmina Buranaをやってみたり、お遊び的な部分も見え、普段 バンドでは出来ないことをやってる訳で、ソロ・アルバムの 内容としてはしごくもっともなものだが、内容的に面白いか どうかは別問題だ。その点このアルバムは楽曲の面白さにおいては 特筆すべきものが泣く、凡庸だと言わざるを得ない。決して つまらないという訳ではないし、ネオ・クラシカル風の演奏も 素晴らしいので、駄作という訳ではないが、EDWIN DAREのファンに どれくらい受入られるだろうか。[80] DIABOLICAL DESECRATION / BEWITCHED 北欧メロディック・ブラック・メタル・バンドKATATONIAの ギタリストBLACKHEIMのプロジェクト・バンドによるアルバム。 KATATONIAがミドル・テンポ中心のメロディを主眼とした バンドであるのに対して、こちらはスラッシュ・メタルという 感じだ。KATATONIAの盛り上がりに欠けるサウンドに対して、 こちらは疾走感が全面的に出ており、荒々しくて実に格好良い。 ボーカルはやはり咆哮型のあの手のものになるのだが、 こういう内容であるなら、それなりに破壊感が増して 合わない訳ではない。[84] SAMAD / SAMAD マレーシアのギタリストによる1994年にリリースされた 1stソロ・アルバム。MR.BIGのPAUL GILBERTやHAREM SCAREMの HARRY HESSが参加するという、マレーシアのアーティストとしては ちょっと考えられないような豪華ゲストを迎えているが、 このSAMAD自身なかなかのテクニシャンぶりを見せており、 なるほどと思わせる。全体的にはテクニカルな ギター・インストルゥメンタル・ナンバーとメロウな スロー・ナンバーのツー・パターンだが、あまりに極端で ちょっとちぐはぐな気もする。とはいうもののテクニカルな ギター・ナンバーは名かなか良い出来だし、ルックスは悪いが マレーシアとはいえ侮れない作品だ。[80] NO COMPROMISE / ANGER テクニカルなメロディアス・ヘヴィ・メタルが中心の Lucretia Recordsとしては珍しいデス・メタル・バンド。 元DEATH SSのドラマーROSS LUKATHER擁するイタリアの デス・メタル・バンドによるデビュー・ミニ・アルバム。 こもった咆哮型デス・ボイスは少し聴きがたいが、演奏は ちゃんとしていてそれなりに聴ける。正統とでも言うべき ブラスト・ビートが中心のテクニカルなデス・メタルだが、 デス・ボイスを除けば、それほどブルータルな色合いは強くなく、 この手のものとしては聴きやすい方だろう。[78] MESSIAH COMPLEX / EYEWITNESS アメリカのメロディアスなヘヴィ・メタル・バンドの 2ndアルバム。デビュー盤では今は珍しくなった非常に高品質の ポップ・センス溢れる憂いを帯びたアメリカン・ハード・ロックを 聴かせてくれていたが、このアルバムでは残念ながら若干 方向変換している。ミドル・テンポ中心で、重くダークな サウンドになっているが、悪い意味で現代風になってしまったと 捉えていいだろう。ときおりはっとするようなメロディもあるし、 ギター・ソロも格好良く、変化もそう極端ではないのだが、1stの 素晴らしい出来からするとやはり残念だ。[78] FOOD FOR THOUGHT SUBSTITUTE / HEAVEN'S CRY カナダのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 テクニカルで複雑な攻勢といったプログレッシヴ的な部分も 出しているのだが、むしろメロディアスで憂いを帯びた 叙情感溢れるサウンドが魅力と言えるだろう。どちらかというと DREAM THEATERやRUSHよりFATES WARNINGの方が楽曲的に 近いのだろうが、泣きのメロディ等もっとはるかに 扇情感を持っていて生々しい。アレンジ面といったあたりで 若干課題を残すが、デビュー盤としては十分評価できる 内容である。[85] MR.LUCKY / DAKOTA アメリカのロック・バンドの10年ぶりの4thアルバム。良く整った 産業ロック風のAORといった感じで、一昔のヒット曲といった様な 楽曲が並んでいる。全体的に爽やかなサウンドで、 しっとり落ち着いたものから軽快なナンバーまで彩りも豊かだ。 アレンジもしっかりしていて完成度も高いし、落ち着いて じっくり聴けるアルバムだ。楽曲も良い メロディ・センスをしているし、コーラスも良い案配で 素晴らしい。[88] AOPERA HIEMS SYMFONIA / ARCTURUS MAYHEM等の北欧ブラック・メタル・バンドのメンバーによる プロジェクト・バンド。そのブラック・メタル・ボイスは かなり強烈で少し聴きがたいが、楽曲自体は結構良い出来である。 憂いを帯びたギター・メロディを中心に時には早く、キーボードを 中心に時には淡々と進んだりと展開に富でおり実に ドラマティックな楽曲群である。リコーダ風のキーボードや、 やや無骨なコーラスも悪くない。ただ、惜しむらくは一曲一曲の 展開の印象が少し散漫な事と、全体的にどの曲も似たような 感じがする事だろう。[84] STRONGER THAN EVIL / HEAVY LOAD 初期北欧メタル期に活躍したスウェーデンのバンドで、1984年に リリースされた2ndアルバム。THIN LIZZYのPHIL LYNOTTが ゲスト参加しているが、方向的にはTHIN LIZZYとは あまり関係ない。扇情感を持った北欧らしい哀愁漂う メロディ中心だが、録音状態はこの頃のB級バンドの例に漏れず 最悪だ。全体的にいも臭さが漂っており、もう少し アレンジ力があればかなり良くなったのではないだろうか。 しかし、そのメロディの扇情感は見るものがあるし、 マニア向けには行けると思う。[78] OVERNIGHT SENSATION / MOTORHEAD イギリスの大ベテラン・ハード・ロック・バンドの新作だが、 若干の方向転回が見られ、ややヘヴィでダークな雰囲気を 醸し出している。依然パンキッシュで疾走感を伴った曲も多いが、 ミドル・テンポのI Don't Believe A Word等は今までからすると 一風変わった曲だし、タイトル・ナンバーの Overnight Sensation等はロックンロール色がより強く出ている。 全体的にモダンな印象が強くなっているが、とはいえLEMMYの 破天荒なボーカル・スタイルは変わるはずもなく 相変わらずワイルドなバンドだ。[80] WAIT / STEELHEART アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの5年ぶりの3rdアルバムだが、 紆余曲折を経て今やMICHAEL MATIJEVICの プロジェクト・バンドという様相を呈している。幸か不幸か 名曲中の名曲She's Goneがあまりにも突出しすぎて語られることが 多かったが、そういう熟縛にとらわれることなく実に リラックスした作品である。MICHAELのハイ・トーンは 相変わらずでThe Ahh Songを始めとしていかにも Robert Plantを思い起こさせるようなボーカルだし曲によっては LED ZEPPELINに通ずるものもある。Electric Chairといった曲では 非常に扇情的な声を聴かせてくれる。[84] KILLINGH TIME / SWEET SAVAGE 現DEF LEPPARDのギタリストVIVIAN CAMPBELLが在籍し、 METALLICAがKilling Timeをカバーして一躍名をはせた、 N.W.O.B.H.M.期に活躍した北アイルランドのバンドの再結成後初の そしてバンドとしても初のアルバム。バンドは一度解散後、 RAY HALLERとDAVID BATESの二人がJOHN HARV HARBISONという ボーカリストとEMERALDというバンドを結成するもSWEET SAVAGEを 再結成するも失敗。一方この再結成でRAY HALLERがボーカルを 兼任したために自動的に首になったJOHN HARV HARBISONは DEN OF THIEVESに加入するが、再結成SWEET SAVAGEに失敗した 他のメンバー達もDEN OF THIEVESに参加している。この DEN OF THIEVESは2枚のアルバムを発表しているが、これが 録音状態が最低ながら哀愁のメロディを含んだ中々マニア向けの 良いアルバムだったのだが、そのバンドをやめて作った アルバムがこれでは少々頭が痛い。録音状態がいかにも N.W.O.B.H.M.的なものであるのはともかくとし、楽曲も特別 酷いという訳ではないのだが、特に見るべきものもない。 過去の勲章に過度の期待を抱かないほうが良いだろう。[74] HOLY LAND / ANGRA ブラジルのメロディアスなヘヴィ・メタル・バンドの 2ndアルバムで、それに3曲入りの アコースティック・ライヴ・アルバムをパッケージした限定盤。 2nd自体の内容に関しては通常盤の感想に任せるとして、 アコースティック・ライヴの方なのだが、ANDRE MATOSの ボーカルはやはり素晴らしいし、全体的にも彼らの曲は アコースティックにマッチしており魅力は十分味わえる。 わずか20分足らずだが、今通常盤を買うならこちらを 購入するほうが良いだろう。[90] CUT THE CRAP! / AB/CD スウェーデンのハード・ロックンロール・バンドの2ndアルバム。 名前を見れば判るとおり、AB/CDのパロディ・バンドで、その パロディ具合もここまで来ればあっぱれだ。BRAIJANのボーカルも 少し苦しく感じるが、十分それ風だしAC/DCファンは一聴の 価値がある。方向的にはかなりシンプルで現在というよりは FLICK OF THE SWITCHの様な少し昔の辺りのAC/DCほうが近い。 全体的にラフに感じるし、まぁAC/DCのアルバム程の完成度までに 至らないのはやはり無理だろうし、このくらいは 許容範囲だろう。[79] BLACKACIDEVIL / DANZIG GLENN DANZIG率いるアメリカのバンドの5thアルバム。 THE DOORS的なサウンドの一風変わったサウンドでカテゴライズも 形容が難しいバンドだが、個性としてそれが確立できている。 楽曲によるのだが、このアルバムより幾分の方向変換が見える。 もともとダークでボーカルを全面的に押し出した サウンドなのだが、インダストリアル的な部分や、うねりを 感じるようなものもある。こういう部分がヘヴィさを 醸し出しているのだが、その分全体的な印象は 希薄になった感じがする。[82] DIAMOND IN THE ROUGH / DIAMOND IN THE ROUGH カナダのハード・ポップ・バンドの1stアルバムで、メンバーが 固定されていないところを見るとプロジェクト・バンドだろう。 ギタリストとしてRIK EMMETTやRAY ROPPERも参加している。 アメリカ風の非常に洗練された楽曲が並び、曲によっては 湿り気もあって飛びぬけた部分はないものの平均的に 良く出来ている。キーボードは割と前に出ているが、全体的には バランスも良いし、ボーカルも楽曲にあっていて良い出来だ。 LONG ISLAND recordsらしい爽やかな内容で ハード・ロックというには至らないので、ポップなものが好な 人向けだろう。[86] CRYSTAL PRIDE / CRYSTAL PRIDE 北欧メタル初期に活躍したスウェーデンの ヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースした唯一のアルバム。 この頃の北欧メタルの中では一風変わった感じのバンドで、 泣きや憂いみたいなものはあまり無く、メロディアスだが 疾走感のあるハード・ロックンロールという感じだ。ボーカルは SUSANNE CHRISTENSENという女性ボーカリストで、それほど うまい訳ではないが、声に張りがあって勢いを感じさせバンドの 方向性からは結構合っている。録音状態もさして良くないが、 楽曲はそこそこの出来だし、情熱のほとばしりを 感じさせてくれる。[84] THE NAME OF LOVE / TEN GARY HUGHESを中心とするイギリスの メロディアス・ハード・ロック・バンドの来日記念 ミニ・アルバム。1stシングルのThe Name Of Loveの シングル・バージョンに未発表曲が一曲、ライヴが2曲、 The Name Of Loveのカラオケ・バージョンという 構成になっている。The Name Of Loveはともかくとして 未発表曲もライヴも実に良い出来で、ファンなら是非 押さえておいたほうが良いだろう。未発表曲の When Only Love Can Ease The Painは暖かくて壮大な スロー・バラードで、アルバムに入っていてもおかしくない 曲だ。[84] SCHIZOPHRENIA / WRAITH イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 1stミニ・アルバムではSAVAGEのANDY DAWSON、LIMELIGHTの GLENN SCRIMSHAWがプロデュースしたりPETE WAYのサポートを 受けたりしてるが、中途半端にモダン風であり 洗練されているような感じがあって、人脈関係のようなサウンドは 期待しないほうが良いだろう。今作よりPHANTOM BLUEのKIMが 加入しているがPHANTOM BLUEの様なロックンロール色の あるものでもなく、むしろ正統派的だ。Resurrectionや Gates Of Babylon等、楽曲はそこそこ良くなってきているので もう少しめりはりが欲しいところだ。[80] CHANGES / SHEELA ドイツのメロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。 ボーカルはANDREAS KEPPLERに変わったが、ややDON DOKKEN風の 声質で割とうまいし、バンドの方向性にもあっている。1stに 収録されていたRenoの様な名曲といえる様な曲はないが、全体的に 出来は悪くない。ヒップ・ホップ調なものから、 プログレッシヴ色の見えるものまで割と多彩な作品に 仕上がっている。ドイツのバンドというよりはアメリカの バンド風で洗練された作品だ。やや散漫な感じがあり、1stの様な 名曲がないぶんやや盛り上がりに欠けるきらいがあるが。[81] SORTED OUT / ZAR ドイツのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの1991年に リリースされた2ndアルバム。彼らのアルバムの中では最も ヘヴィ・メタル色が強く、ネオ・クラシカルな雰囲気も 漂っている。アコースティックを取り入れたり、プログレッシヴな 部分もあり、少々散漫な印象の仕上がりになっているが、 名作といえる3rdアルバムFROM WELCOME...TO GOODBYEへ 暗中模索している状態だったのだろう。哀愁を含んだメロディに 正統派タイプのサウンドといいやろうとしていることには好感を 持てる。[78] TORCH / TORCH 北欧メタル初期に活躍したスウェーデンの ヘヴィ・メタル・バンドの1983年にリリースされたデビュー盤。 エネルギッシュでパワフルな内容で、多分にダークさを 持っており、いわゆる北欧メタルというものとは一線を 画している。歌いまわしはややIRON MAIDENっぽいが、楽曲の レベルはまだそこまでに至っていない。録音状態も悪いし、 あまり特筆すべきものはないのだが勢いだけは感じる。もう少し プロダクションが良くなればかなり変わったと思うのだが。[76] AWAKEN / THE BLOOD DIVINE イギリスのゴシック・メタル・バンドANATHEMAを首になった ボーカリストDARREN.J.WHITEと同じくイギリスの メロディック・ブラック・メタル・バンドCLADLE OF FILTHの ギタリストP.J.、PAUL.R、キーボードのBENJAMINE RYANの3人の メロディ隊がジョインとしてのニュー・バンドの1stアルバム。 CRADLE OF FILTHのアルバムにDARRENがゲスト参加して バンド結成に至った様だ。ドゥーム色が非常に強い作品で ヘヴィな楽曲と静かな楽曲を交互に繰り返すコントラストは 見事だ。静かな楽曲には女性ボーカルを効果的に 挟んだりしているし、キーボードの味付けも良い具合で、ダークな 良く出来た作品だ。[86] BABYLON / SAVAGE N.W.O.B.H.M.バンドの復活第二弾となる4thアルバム。楽曲は いかにもTHIN LIZZYといった感じのフックのあるメロディで、 ボーカルのCHRIS BRADLEYの声質もPHIL LYNOTT風で、 そういった感を強めている。全体的にはTHIN LIZZYより ヘヴィだし、硬質なサウンドははるかにメタル的な印象を与える。 NEAT METALからの復活組みが昔の名前で出ています的な内容の あまり伴わないような作品が多い中では、割と頑張っていると 言っても良いだろう。特別抜きんでた作品とは言い難いが、 のりもあるしプロダクションも割と良く出来ている。[80] UNIVERS / SILVER MOUNTAIN JONAS HANSSON率いる初期北欧メタル・バンドの985年に リリースされた2ndアルバム。JENSとANDERSのJOHANSSON兄弟が YNGWIE MALMSTEEN率いるRISING FORCEに加入するために脱退し、 メンバー・チェンジを余儀なくされ、更に専任ボーカリストを 加入させての再出発となっている。録音状態は決して良くないが、 暗い哀愁を持ったメロディはSHAKIN' BRAINSにも劣らない 素晴らしいものだ。いかにも北欧メタルらしい美しい作品で、 初期北欧メタルものとしては必聴の一枚だ。[88] DEVIL IN FAIRYLAND / SCHUBERT オーストリアのシアトリカル・ロック・バンドの2ndアルバム。 シアトリカル・ロックといってもかなり多角的で、 Hell And Paradise等かなりヘヴィ・メタル然とした楽曲も数多く 取り揃えている。クラシカルなヘヴィ・メタルもあれば、 ロックンロール調のハード・ロックもあるし、SAVATAGE風の 壮大で扇情的なバラードを入れていたりとかなり多彩な 内容になっている。割とキーボードが効果的で良い 味を出しているし、ボーカルはかなり個性的だが扇情的で 面白い。ごった煮風だが、シアトリカルな楽曲が聴けるなら 悪くない作品だ。[80] RESURRECTION / QUARTS 1970年代中頃からN.W.O.B.H.M.中期に活躍したイギリスのバンドの 1976年から1979年までのライヴからで構成されている。1980年に リリースされたライヴ・アルバムLIVE QUARTZをCD化したもので、 CD化にあたって収録曲数を倍に増やしており貴重な 作品だと言って良いだろう。後にBLACK SABBATHで Additionalプレイヤーとしてずっとキーボードを 担当することになるGEOFF NICHOLLSもこの当時在籍している。 ヘヴィなギター・サウンドが中心でこの当時としてはかなり メタル色の強い作品といえるが、ブギ調のものから ロックンロール調のものまでまだ方向性が少し 一定していないようにも思える。バランス的にはベースが前に 出過ぎているようにも思えるが、気にするほどでもないだろう。 録音状態もやはり良くないが、仕方がないところだろう。[78] TOTAL LEVEL OF DESTRUCTION / ZOIC スウェーデンのドゥーム・メタル・バンドCANDLEMASSの LASSE JOHANSSON、MAPPE BJORKMAN、JANNE LINDTHという、 中心人物であるLEIF EDLINGとボーカルを除くメンバー等による ニュー・バンドの1stアルバム。元々はCRIMSON GLORYの MIDNIGHTをボーカリストにするということだったが結局 VINI DOMINEのFREDRIC OLSENが担当している。ダークでヘヴィ等 CANDLEMASSを思い起こさせる部分も無きにしもあらずだが、 いわゆるドゥーム・メタルではなく、むしろ正統派 ヘヴィ・メタルといった風で、そういう意味でもFREDRIC OLSENを ボーカルに選んだのだろう。だが、その割にはFREDRIC OLSENの ボーカルは大仰過ぎて自然な流れを壊しているようにも感じる。 Never Be Sameの様なじっくり歌い上げるタイプの曲は割と しっくり来るだけに残念だ。インストルゥーメンタルの St:Dilo'n等楽曲はまずまずの線はいっている。[80] HEAVY METAL RECORDS SINGLE COLLECTION VOL.1 / V.A. N.W.O.B.H.M.期にムーヴメントを支えたレーベルの一つで、変な 日本語をジャケットに入れることで有名だった HEAVY METAL RECORDSでリリースされたTHE HANDSOME BEASTS、 BUFFALO、DRAGSTER、LAST FLIGHT、SPILIT BEAVER、 SATANIC RITESの7枚のシングルをCD化したもの。全体的に ロックンロール調の作風の楽曲が中心で、録音状態も悪く、 良くも悪くもN.W.O.B.H.M.らしいアルバムになっている。 さしてずば抜けた曲がある訳でもないので、特別とりたてる様な アルバムでもないが、貴重といえば貴重だろう。個人的には SATANIC RITESのHit And Run等はラフで哀愁があって好きな 曲だが。[82] CHANGING TIMES / MANIA ドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1988年にリリースされた WIZARD OF THE LOST KINGDOM、1989年にリリースされた CHANGING TIMESの2枚のアルバムをカップリングした限定盤。 まさしくヨーロッパのB級メタル・バンドというべき内容で、 臭い楽曲群が並ぶ。ジャーマンらしいメロディ中心の作品だが、 より扇情的な部分を強く押し出している。 ギター・メロディ等には見るべきものがあるのだが、そこに ボーカル・ラインが乗ってくるとどうにも違和感を感じる。 全体的にそう言うアンバランスさが気になる作品であまり お勧めできる作品ではない。良いメロディ・センスだと 思えるだけに少しもったいない。[72] FUCKER / WARRIOR SOUL アメリカのカルトなヘヴィ・メタル・バンドのアウト・テイク集の イギリス盤。ジャケット、タイトルを変えてアメリカ盤も 出ている。いきなりメジャー・デビューしたバンドだが、 あまりにもカルトな内容にアンダーグラウンドから 浮上することはなかったが、この作品でもその姿勢は一切 変わらない。このバンドが発する鬼気迫るパトスとのりと JIM MORISONに比肩されるKORY CLURKEの歌詞を持つこのバンドが あまり評価されることがなかったのは残念だ。楽曲は パンキッシュなロックンロールが主体で、割と ワン・パターンなのだが、独特の雰囲気を作り出しており、それが 緊張感を作り出していた。このアルバムもまさに WARRIOR SOULらしい作品であり、これまでのアルバムと比べても 遜色は全く無いし、むしろSALUTATIONS FROM THE GHETTO NATIONや CHILL PILLよりも初期の破天荒さが見えて良いくらいだ。[89] BEASTIALITY / THE HANDSOME BEASTS 巨漢ボーカリストGARRY DALWAY率いるN.W.O.B.H.M.バンドの 1981年にリリースされた1stアルバムで、当時のシングルから4曲 ボーナス・トラックが付けられている。1990年に突如復活して 2ndアルバムをリリースしたが、その後どうなったかは 良く判らない。ロックンロールを主体としたサウンドで、 録音状態はやはり多少チープだがN.W.O.B.H.M.ものでは幾分 ましなほうだ。まぁ、マニア向けの域は出ていないのだが、 楽曲もそれなりだし、悪くない出来だ。[84] GET MOONED / MOON' DOC ドイツのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。 CHRIS BAYのワイルドで扇情的なボーカルは中々格好良いし、 もう少し憂いが入ればPINK CREAM 69似な楽曲の 出来もまずまずだ。ミドル・テンポ中心で、洗練された 楽曲になっているが、それ故に変化が少なく盛りあがりに 欠ける。デビュー盤はもう少しバラエティに富んでいただけに、 残念だ。バラードやスピード・チューンがもう少し入れば かなり良くなったと思うが。[81] THE POLITICS OF ECSTASY / NEVERMORE 元SANCTUARYのボーカリストWARREL DANEのバンドの ミニ・アルバムに続く2ndアルバム。リフをザクザクと 切り込んで来る辺りはスラッシュ・メタル的でもあり、大仰な メロディはパワー・メタル的でもある。1stアルバムでは楽曲と WARRELとのボーカルのバランスも悪く出来もいまいちだったが、 先ほどのミニ・アルバム辺りからだいぶこなれてきて 良くなってきた。ドラマティックでダークでヘヴィなサウンドは その独自の世界を良く築き上げていると思う。全体的に 良く出来てはいるのだが、少し変化に乏しい。[81] ANGELS OF HEAVEN / FAIR WARNING ドイツのメロディアス・ハード・ロック・バンドの3rdアルバム GO!からのシングル。アルバムとはバージョン違いの Angels Of Heaven、I'll Be There、Without Youは アルバム・バージョンの方が厚い音作りになっている。 Angels Of Heavenのカラオケ・バージョンはボーカルを 抜いているだけなのでどれくらい価値があるかは難しいが、やはり 注目はアルバム未収録曲であるLight In The Darkだろう。 オーケストラを使った、やさしくて暖かい壮大なバラードで、 アルバムに収められなかったとはいえ、たいした出来である。[84] SABU / SABU L.A.のシンガー・ソング・ライターで、ソロ活動の他にも自身の バンドONLY CHILDを率いるPAUL SABUと元BONFIREの JOERG DEISINGERとANGEL SCHLEIFERによるニュー・バンド。 楽曲は全てこの3人による共作になっているが、PAUL SABUの 主導と思われる。アメリカ的な乾いた明るい優れたメロディの 楽曲が並び、曲作りに関してはさすがと思わせる。BONFIREの 2人が加わった成果か、PAUL SABU関連のものとしてはかなり厚い 音作りで、ソリッドでエッヂの効いたハードな作品に 仕上がっていて好感が持てる。[87] GREAT KING RAT / GREAT KING RAT 既に解散したスウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドで1992年に リリースされた唯一のアルバム。メンバーのうち、LEIF SUNDINは その後一度は再結成M.S.Gに参加するし、MIKAEL HOGLUNDは THUNDERで、TOMAS BROMANはELECTRIC BOYSに参加して活躍するなど メンバーの実力は確かだ。楽曲はそれほど北欧のバンド的な部分は 強くなく、ブルージィで非常にエモーショナルで メロディ・センスも素晴らしいし、良い作品に仕上がっている。 これだけ素晴らしいアルバムを作るバンドが、その意志とは 関わり無く解散せざるを得なかったのは残念なことだ。[86] THE NAME OF LOVE / TEN GARY HUGHES率いるイギリスの メロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。優しく 憂いに満ちたメロディは秀逸で非常に美しい。GARY HUGHESの ボーカルも楽曲にあっているし、ギターの音色も情感豊かで バンドとしてのパッケージも良い案配だ。 プロダクションも良いし、適度にハードで適度にポップ、全体的な バランスも素晴らしい。あえてあげるだけの欠点はないし、 名盤といえるだけの出来だ。落ち着いた佳曲といえるだけの楽曲が ずらりと並んでおり、叙情的な作品が好きならば買って 決して損はないだろう。[92] AN EVEN MORE PERFECT UNION / ICON L.A.メタル期に登場したアメリカのヘヴィ・メタル・バンドの カセットのみで1987年にリリースされた3rdアルバムを CD化したもの。ボーカルがこの作品よりSTEPHEN CLIFORDから JERRY HARRISONに変わっているが、甘く朗らかで通った声は バンドにはあっている。ギタリストのJOHN AQUILINOが脱退し、 代わりにキーボードにKEVIN STOLLERを入れているが、 突出しすぎずバランス的にはちょうど良いだろう。全体的に明るい サウンドが主流だが、適度に湿り気を入れており、その辺りの バランスも抜群だ。今回のCD化にあたってボーナス・トラックに 7曲収録されているが、これも結構良い出来だ。こういう アルバムがカセットでしかリリースできず幻のアルバム 扱いされるのは残念なことだし、こうやってリリースされたのは 素晴らしい事だ。[89] INTERFACE / DOMINION イギリスの プログレッシヴ/メロディック・デス・メタル・バンドの デビュー盤。しゃがれ声のデス・ボイスとクリア・ボイス、 女性ソプラノの最近たまに見かけるタイプの編成で、 THE GATHERINGのANNEKE VAN GIERSBERGEN似の MICHELLE RICHFIELDが中心になっているが、これが 実に良い味を出している。楽曲は明らかにIRON MAIDEN風な メロディ・ラインが多いが、所々でかなり 変則的になる。楽曲などは適度に哀愁が効いて中々良く 出来ているが、硬い音作り等はあまりにも 無機質な感じが強すぎてついていけないし、バランスも悪い。 プロダクションがもう少し良くなればかなり良い 作品になっただろう。[86] ONE LIFE, ONE SOUK / GOTTHARD スイスのハード・ロック・バンドの3rdアルバムからのシングル。 若干ブルージィな部分もみえるハード・ロックンロールだが、 相変わらず、このバンドのレベルの高さを感じれる出来だ。 収録曲のうち、One Life, One SoukとKROKUSのカバー Sweet Little R'R'はアルバムに収録されているし、 LED ZEPPELINのカバー、Immigrant Songは同じく日本盤の ボーナス・トラックとして収められているので、日本盤の 3rdアルバムを持っていれば購入する価値はあまりないのだが。 [85] ACME / SIRRAH イギリスのゴシック/デス・メタル・バンドのデビュー盤。 女性ソプラノ、クリア・ボイス、デス・ボイスを配しており、 クリア・ボイスも詠唱というより、ちゃんと歌唱している部分が 多く歌ものとしての要素が強い。専任のヴィオラを入れるなど 8人の大所帯だが、ヴォーカル専任も2人いるし、音が 厚すぎるという事はない。美しいが、ゴシックといってもそれほど 荘厳さを醸し出させるものはなく、どちらかというと ニュー・ウェーブ調のもので、オールディーズ調のPanacea等は ジョークみたいなものだろう。とはいうものの、叙情的で 美しいので、これはこれで楽しめる。[86] TEN / BLITZKRIEG METALLICAがカバーして一躍名を馳せたN.W.O.B.H.M.バンドの復活 第2弾となるアルバム。1991年にバンド10周年記念として 制作されたミニ・アルバム10 YEARS OF BLITZKRIEGを現在の メンバーでリレコーディングしたものに新曲を 追加したものなので、純然たる新作とは言い難いが、とり直した 割にはやはり音はあまり良くないし、内容もいかにも N.W.O.B.H.M.らしい作品だ。路線的には当時とまるで 変わりないのだが、1stアルバムで感じられた様なパワーは 今一つ感じられない曲が混ざっているのが残念だ。[78] A NEW DAWN / MOON OF SORROW 詳細は良く判らないが、多分オランダの ゴシック/パワー・メタル・バンドの1985年にリリースされた アルバム。キーボード奏者を含む4人組みで、ギタリストの PATRICK HARREMANがボーカルを兼任している。 ファースト・ナンバーはあまりゴシック的な感覚は 強くないものの、アイデア的には悪くない。 ミドル・テンポのものは、ゴシックというにはやや荘厳さに 欠けるものの、浮遊感のある一風変わったサウンドだ。 パワー・メタルというには切れが無く、やや アイデア倒れという感がなくもない。ボーカルも中庸せっかくの アイデアも生かしきれていない。[70] THE LAST DANCE / MAGNUM イギリスのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの ラスト・アルバムとなる2枚組みのライヴ・アルバム。 ラスト・ツアーをライヴ・アルバム化したもので、初期の プログレッシヴ・ハード・ロック時代の楽曲と後の ハード・ポップ時代の楽曲をバランス良くやっている。20年にも 渡る活動をしてきた大ベテランらしく、安定したそつのない演奏で 安心して聴いていられる。BOB CATLEYの通った声も全く 問題がなく、良く出来た作品だ。初期のハードなナンバーは 格好良いし、後期のポップでキャッチーなナンバーも リラックスして聴ける。MAGNUMのメロディ・センスの良さを 十分味わえるし、こういったバンドが解散していくのは非常に 残念な気がする。[87] VITTRA / NAGLFAR スウェーデンのメロディック・デス/ブラック・メタル・バンドの 1stアルバム。メロディック・デスとしてはかなり速い方で、 パワー・メタル然としたメロディはなかなかに格好良い。 ブラック・メタル・ボイスが主流だが、デス・ボイスと 使い分けており、場面によっては効果的にクリア・ボイスも 取り入れている。楽曲的にはAT THE GATES的なタイプで、 ブラスト・ビートを織り交ぜながらも叙情的で壮大なナンバーが 続く。演奏、プロダクションとも問題ないし、楽曲も素晴らしく、 新人としては出色の出来だ。[86] N.W.O.B.H.M. METAL RARITIES VOLUME 2 / V.A. N.W.O.B.H.M.の9枚のシングン等からピック・アップされた コンピレーション・アルバム第2弾。SAMSONはまだアルバムを リリースする前の1977年にリリースされたデビュー・シングル MR.ROCK 'N' ROLLの2曲と1978年にリリースされた2ndシングル TELEPHONEからの2曲で、デビュー時のSAMSONを知るには貴重な 作品だが、音も悪いし、さほど気に留めるべき程の曲でもない。 STORMTROOPERはキーボードを配した、かなりプログレッシヴ色の 強いバンドで、この中では少々異色のバンドだろう。JANINEは ドライヴ感のあるロックンロール色のあるサウンドで いかにもといった作品だ。XEROは先頃ソロ・アルバムを リリースしたBILLY LEISEGANG率いるバンドでOH BABYは1983年に リリースした唯一のシングルなのだが、それはともかくとして 1980年にサンプル盤として出たHOLD ONで、BRUCE DICKINSONが クレジットされているようで、そう言われればそういうような 気がしないでもない。PARALEXは1980年にリリースされた唯一の ミニ・アルバムTRAVELLING MANからで、扇情的なサウンドは 結構いける。SHIVAは先頃唯一のアルバムFIREDANCEも CD化されたが、こちらは1982年にリリースされたシングル ROCK LIVES ONから。E.F.BANDは実際は北欧のバンドだが、 一般的にはこのシーンで語られることが多い。1979年に リリースされたデビュー・シングルNIGHT ANGELからで 内容的にもそったものだった。[82] POISON SEED / LETHAL アメリカのプログレッシヴ/パワー・メタル・バンドの復活後、 初のフル・アルバムとなる2ndアルバム。いわゆる QUEENSRYCHEタイプのバンドなのだが、一連の QUEENSRYCHEコピーとはその完成度ではっきりと一線を 画している。楽曲によりグルーヴィでヘヴィな部分と QUEENSRYCHEをより哀愁の度合いを強めたメロディをみせる 部分がある。アコースティックもふんだんに取り入れており、 Odd Shaped Pearlで閉める辺りは圧巻だ。アコースティック部分と エレクトリックな部分のコントラストがうまくマッチして 良く出来ている。[84] NOW IS THEN, THEN IS NOW / MARK SPIRO アメリカのシンガー・ソング・ライターの2ndアルバム。HEARTや CHEAP TRICK、BAD ENGLISH、MR.BIG等に曲を書いたそうで、 このアルバムでも楽曲は良く練られている。AOR調の ハード・ポップで、やや湿りがちな甘い楽曲が連なっている。 非常に落ち着いた洗練された作品でリラックスして聴ける。 ラストのLight In The DarknessからMid Western Skies辺りの 盛り上がりも中々素晴らしい。美しいメロディのハード・ポップが 好きならお奨めだ。[84] MORNINGRISE / OPETH スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンドによる 2ndアルバム。全曲10分以上という対策指向の 作品になっているが、全体的に展開もしっかり練ってあって だれることはない。叙情的なメロディは前作と変わらないが、 更に扇情的な色彩を強めており、盛り上がりを演出している。 基本的には静かな部分と激しい部分の繰り返しなのだが、 ときおりミドル・テンポを織り交ぜたりと変化を持たせている。 デス・ボイスとクリア・ボイスを併用していて、場面場面によって 効果的に使い分けている。Black Rose Immortal等、 アコースティックを導入した哀愁を漂わせたメロディから、 パワー・メタル然とした展開への流れは中々素晴らしい。 その哀愁のメロディ・センスはこの手のバンドとしては かなり高いレベルにあるのは間違いない。スロー・テンポの 部分でも、淡々とした繰り返しの様だが実に味わい深い。[89] LIKE GODS THE SUN / MY DYING BRIDE 最近躍進著しいイギリスのゴシック・メタル・バンドの 4thアルバム。2ndアルバムのTURN LOSE THE SWAN辺りでは 淡々とした雰囲気があったが、この作品では陰鬱さは 変わらないものの、かなりヘヴィでダークな雰囲気がある。楽曲は かなりプログレッシヴなところがあり、少々難解だがAARONの 個性的なボーカルがマッチして、独自のスタイルを 作り上げている。バイオリンも時としてかなり前面に 押し出すなど、もこの手のバンドとしてはかなりオリジナリティを 見せている。For My Fallen Angelの様な耽美色を押し出した 部分がもう少しあっても良かったと思うが、それでも十分 良い出来だ。[87] MOMENTS / SOUL CAGES ドイツのポンプ・ロック・バンドの2ndアルバム。なのだが、 かなりヘヴィ・メタル色の強い作品になっており、叙情的な ギター・メロディがかなり前面に押し出されている。 ポンプ・ロック的な優しいメロディで、ある意味では最近の QUEENSRYCHEという雰囲気もある。タイトル・トラックの間奏の キーボードとギターの絡みなど、緻密で美しく中々 聴きごたえがある。少し細く感じるが、透明感のあるボーカルや 美しい女性コーラスも清廉な叙情感を強めている。前作よりも 少し湿っぽさが加わっており、かなり ヘヴィになっているのだが、2作目が何故日本で 出なくなったのかは少し謎だ。割と 淡々としているところもあるが、ギターもエッヂが効いていて、 これだけヘヴィな作品ならメタル系の人も十分聴ける内容だ。 ポンプ・ロックとヘヴィ・メタルの融合的作品で、その出来の 良さもあいまって一聴の価値はあるだろう。[91] SOUND OF LIFE / WIZARDS ブラジルのクラシカルなヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。 同郷の先輩ANGRAをかなり意識した内容で、ボーカルの CHRISTIAN PASSOSの高音の取り方は、明らかにANDRE MATOSを 意識していて少し失笑ものなのだが、まぁ 下手という訳ではないのでよしとしておこう。ANGRA程 大仰さはなく、より普遍的でヘヴィー・メタルらしい楽曲だが、 やはり端々にANGRAを感じずにはいられない。それだけ個性に 欠けているとも言えるが、KADU AVERBACHのギターも なかなかのものだし、ANGRAコピーである事を考えなければ割と 良い作品だと思うが。[82] INTO THE EYE OF THE STORM / ARTENSION アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。といっても、 メンバーは先頃ソロ・アルバムをリリースし、一時は JUDAS PRIEST入りとも言われたJOHN WESTにEDWIN DEARの ベーシストだったKEVIN CHOWN、YNGWIE MALMSTEENの ドラマーだったMIKE TERRANAと、実力的には申し分ないところで その内容は実にテクニカルだ。特に JOHN WESTのボーカルはMARC FERRARI & FRIENDSの GUEST LIST位でしか聴く事は出来なかったが、実にパワフルで 素晴らしい。楽曲はクラシカルであったり、 ジャジィーであったりと多彩だ。演奏は文句ないし、楽曲も 割と良く出来ているのでテクニカルな作品が好きであるなら 気に入るだろう。[86] THE DIVINE WINGS OF TRAGEDY / SYMPHONY X アメリカのテクニカルなヘヴィ・メタル・バンドの3rdアルバム。 これまでの作品は、知る人ぞ知るネオ・クラシカルな ギター・プレイヤーMICHAEL ROMEOのプレイを始めテ クニック的には素晴らしかったのだが、プロダクションが それについていけてなかったが、今作においてやっと演奏以外の 部分が評価出来るレベルまで来た。特にしょぼかった プロダクションが見違える様に良くなっており、歴然の差が 見て取れる。ややプログレッシヴがかった美しい楽曲は より洗練されていて、良いアルバムだと思う。テクニカルな ギター・プレイが嫌いでなければいけるだろう。[85] FAITH TABOO / FAITH TABOO スウェーデンのハード・ロック・バンドのデビュー盤。北欧の バンドだが、全体的にアメリカのバンドの様な乾いた雰囲気を 持っており、すがすがしさを感じさせる。楽曲はフックが 効いていて、ブルージィな部分があったりファンキィなところが あったりする。楽曲によってはおしゃれな ハード・ポップという感じのものもある。全体的にそれほど ハードというような部分はなく、朗々とした感じが好感を持てる。 派手さはないがリラックスして楽しめる部分もあるし、 欠点と言うべき部分もあまりなく安心して聴ける。[83] PARANORMAL ACTIVITY / MAYADOME スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドで、名前を変えてからは 初のアルバムとなる通算4作目。SHRAPNEL RECORDS 所属だけあって、確かにテクニカルな部分を随所に 見せてくるのだが、そういった部分はあくまで主題にならず、 楽曲は少しプログレッシヴがかったヘヴィ・メタルで、全体的に 叙情的で臨揚感がある。この手としては割と良い具合に キーボードが出ていて、盛り上げている。ボーカルは今一つ特徴に 欠けるが、バンドのカラーとしてはあっている。故にやや地味に 聞えるが、出来としては良いほうだ。[83] RIDIN' HIGH / BAI BANG スウェーデンのヘヴィ・メタル・バンドの4年ぶりの3rdアルバム。 BAD HABITのHAL JOHNSTONがプロデュースしているが、 そういうところから期待するようなものはほとんどない。この 4年の間に非常にアメリカナイズされ、ワイルドな ロックンロールに変貌している。キャッチーでポップな部分も 多分にあり、そういう部分ではいくらかは名残を残していて、 メロディ・センスの良さを忍ばせる。Closer To You等は 良く出来たハード・ポップの佳曲だ。だが、全体的には どちらかというとフックがあってノリの良い作品に 仕上がっている。[83] DUSK AND HER EMBRACE / CRADLE OF FILTH イギリスのメロディック・ブラック・メタル・バンドの 3rdアルバム。ヒステリックに叫ぶブラック・メタル・ボイスは 健在だ。ギタリストのP.J.、PAUL R、キーボードの BENJAMIN RYANのメロディ・ラインがTHE BLOOD DIVINE 結成のためにごっそり抜けてしまった事が心配されたが、 それほど悪い影響はなかったようで、出来的には前作を何ら 下回ることはない。女性コーラスで醸し出す荘厳さは ゴシック・メタル的な雰囲気も感じる。シンフォニックな部分を 織り込みながらも、全体的にかなりアップ・テンポで、幾分 プログレッシヴな感覚があるドラマティックな作品に 仕上がっている。[85] ETERNITY / ANATHEMA イギリスのゴシック・メタル・バンドの3rdアルバム。現 THE BLOOD DIVINEのボーカリストであるDARREN J.WHITEを首にして 2作目になるが、VINCENT CAVANAGHのボーカルもこれはこれで 悪くない。重苦しさはあまり変わらないが、メロディは より判りやすくなっており、展開というものを感じられる。 元々はドゥーム色の強いバンドだったが、ドゥーム色はやや減じて プログレッシヴ色が出てきている。やや淡々とした感じがするが、 それがうら侘しさを出していて、今作では独特の雰囲気を 作りあげるに至っている。そういう意味ではANATHEMAに ドゥーム色が強い作品を求めるファンにはやや不満が 残るかもしれないが、耽美で叙情的な良い作品である。[85] LIVE IM STAHLWERK / FORMEL I 1980年代に活動したドイツのヘヴィ・メタル・バンドの1986年に リリースされたライヴ・アルバムで唯一残したアルバム。 その他にもシングルをリリースしているが、 ボーナス・トラックとして収録されており、多分これで全ての 音源と思われる。ボーカルはややひ弱だが微妙にビブラートが かかっていてそれなりに味がある。プロダクションも あまり良くなく、N.W.O.B.H.M.の流れを汲む B級メタル・バンドと言った趣もある。楽曲はロックンロール的な 色合いがあり、哀愁も持っているが、いも臭さは いかんともしがたい。JUDAS PRIESTのBreaking The Lawや IRON MAIDENのHallowed Be Thy Nameもカバーしているが、 そういうカバー曲でもバンドの色はあまり変わらない。 カバー曲以外は歌詞が全てドイツ語の様だが、それほど違和感を 感じることはない。ボーナス・トラックのシングルは1985年に リリースされたもので、ライヴと内容的には大差ない。[79] $LAVES AND MASTERS / JADED HEART 元LETTER XのボーカリストMICHAEL BORMANN率いるドイツの メロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。ポップで 叙情的なメロディの楽曲が並び、哀愁も良く効いている。全体的に ミドル・テンポ中心だが楽曲の盛り上げ方が実に素晴らしい。 また、MICHAEL BORMANNの扇情的な甘く美しい声がそれに 一役買っている。LETTER XやJ.R.BLACKMORE GORUPで素晴らしい 歌唱力を見せてくれていたが、それはこのアルバムでも 変わらない。全体的にテンポに変化が少ないので似たような パターンの曲が多いようにも思えるが、プロダクションも 素晴らしく、実に良く出来たアルバムだ。THE BEATLESのHELPを 源曲と似ても似つかぬバラードに仕立て上げるセンスなども結構 良い。キャッチーな哀愁漂う曲が好きな人は聴いて 損はないはずだ。[88] WARDANCE / RONDINELLI バンド名を見れば一目瞭然だが1980年代前半にRAINBOWを 首になったBOBBY RONINELLIとその兄弟を中心としたバンドの デモ・テープにライヴ音源を付け足してCD化したもの。ここで 注目したいのはBAD LANDSやBLACK SABBATHで活躍するRAY GILLENが ボーカルを取っている貴重な音源だということだ。録音状態は やや不満が残るが、全体的に演奏も良く出来ていて、このバンドが デビューすることなく消えていったのは残念だ。 TEDDY RONDINELLIのギターはときによってRICHIE BLACKMOREを 思わせるプレイも出てくるが、楽曲はRAINBOWというよりはもっと アメリカンなハード・ロックという感がある。ライヴでは一曲 TEDDY RONDINELLIが歌っているが、これは興をそがれるので 止めたほうが良かったのではないだろうか。[85] STRAIGHT FROM YOUR HEART / STORMWIND スウェーデンのメロディアス・ヘヴィ・メタル・バンドの デビュー盤。ボーカルのTINA LEIJONGBERGは有名な女優らしいが、 一聴するとあまり女性の声とは意識されることはなく、甘い ボーカルを聴かせてくれる。BURRNのレビューでは プロダクションの弱さを指摘されているが、実際はそんなに 気になるほどのものではない。ギターのエフェクトの掛けすぎに ついても、確かに気になる部分はあるのだが、扇情感を 醸し出していてこれはこれで味がある。ABBAのカ感ーの Gimme, Gimme, Gimmeも非常にメロディアスなヘヴィ・メタル曲に アレンジされていて良い感じだ。全体的に叙情的かつ扇情的な ポップ・センス溢れるキャッチーなメロディの楽曲が並ぶ。結構 緻密でハードな音作りをしている。結構哀愁感があるが、他には 類を見ないほど扇情感を出していて盛り上げてくれる。 キーボードの絡みも中々良い具合で拾い物とも言える作品だ。[89] LIVE IN DEUTSCHLAND / SAVIOUR MACHINE アメリカのクリスチャン・メタル・バンドの3rdアルバムで、 1995年3月のドイツでの公演の模様を収めたライヴ・アルバム。 クリスチャン・メタルといっても、このバンドはかなり異質な 雰囲気を醸し出しており、それがまたこのバンドの魅力だと 言えるだろう。ベースのDEAN FORSYTHもスキン・ヘッドなのだが、 ボーカルのERIC CLAYTONもスキン・ヘッドで、デス・マスク片手に 憂いを含んだ表情で歌っている中ジャケットの写真もかなり 異彩を放っている。全体的に荘厳さを醸し出しながらも非常に 退廃的な印象を与えるサウンドで、またERICのボーカルが DAVID BOWYそのままという感じで淡々と歌うので、そういった感を より強めている。浮揚感を感じさせるJEFF G.CLAYTONのギターも またその効果を出している。決してゴシック・メタルという 感じではないのだが荘厳でおどろおどろしくありながらも哀愁と 扇情感を感じさせてくれる。演奏も良いし、楽曲の練りも良く、 非常にドラマティックで良いバンドだ。[86] ACAULT / VANDEN PLAS ドイツのメロディアスなハード・ロック・バンドの2ndアルバム。 4曲がデビュー盤からのリメイクで、その外がカバー曲という 企画盤的色彩の強い作品だ。そのためもあってか、デビュー盤とは 多少趣を変え、ピアノを配したアコースティック色の強い 内容になっている。カバーはメタル以外のマイナーなものが 多いが、面白いのはSAIGON KICKのSpanish Rainの選曲で、更に 甘いポップ・ナンバー似仕上げている。全体的にピアノと アコースティック・ギターを中心に、ボーカルの ANDY KUNTZが甘く哀しく歌い上げている。叙情的にじっくり 落ち着いて聴ける作品だ。[83] RIDDLES, QUESTIONS, POETRY & OUTRAGE / LEVIATHAN アメリカのヘヴィ・メタル・バンドのミニ・アルバムも含めて 3作目となる作品。この作品よりギタリストを除いて メンバー・チェンジしている。QUEENSRYCHEタイプの メロディアスなパワー・メタルだが、それらのクローンとは やや一線を画しているサウンドは相変わらず。 セッション・ミュージシャンを入れ、キーボードを今までより少し 押し出している。前任のボーカリストは何処となく よれよれしており、それが味であったとも言えるが、新任の JEFF WARDは良くも悪くももっとちゃんと歌えている。今までより プロダクションは格段に良くなっており、全体的に演奏力も 上がっているので、これまでのようなヘタウマ的な味が少し 消えてしまったいるのは残念だが、格好良いメロディの良質の 作品に仕上がっている。[86] FALL-DARK WATERS / DECORYAH 詳細は良く判らないが、フィンランドのゴシック・メタルの2nd アルバムと思われる。今作よりMETAL BLADEの リリースということで躍進著しい注目株だ。内容のほうもそれに 見合うだけの完成度で、他のバンド群から頭一つ抜け出している 感がある。メンバーが前作より一人減り、 3人になってしまったたが、多数のセッション・ミュージシャンを 使っているので、レコーディングに関してはあまり影響ない。 セッション・ミュージシャンもゴシック・バンドなだけあって、 チェロ、バイオリン、ヴィオラ、フルート、女性コーラス隊と 実に多彩だ。この手のバンドとしては、荘厳さにはあまり重きを 置かず、耽美でもの哀しい作りになっている。非常に美しい メロディでクリア・ボイスも実にメランコリックさを 出していて、それに美しい女性コーラスがサポートしている。 もの哀しく落ち着いたサウンドは、派手さはないが実に美しい。 ニュー・ウェーヴ系ゴシック・メタルとしては出色の出来と言って 良いだろう。[91] ANTICHRIST SUPERSTAR / MARILYN MANSON アメリカのバンドだが、どういう形容をすれば良いのか うまい言葉が見付からない。全米チャートでいきなり初登場 3位と完全にブレイクしたと言って良いだろう。ヘヴィで大幅に 機械処理をされたインダストリアル・ロックのような サウンドで、咆哮するボーカルには迫力がある。全体的に ヘヴィなサウンドではあるが、ヘヴィ・メタルとはやや趣を 異にしている。演劇的な雰囲気がそこここに漂っており、非常に シアトリカルな作品だ。[80] BUILT TO LAST / SICK OF IT ALL ニュー・ヨークのハード・コア・パンク・バンドの新作だが、 ハード・コアらしい剛直さは相変わらずだが、メロディはかなり 普通で随分と聴きやすくなった。以前は破天荒な感すらある 疾走感溢れるサウンドだったが、今作では 破天荒というほどのものは感じられない。故に、 ヘヴィ・メタル系のリスナーにもその聴きやすさゆえ 入り込みやすくなったのではないだろうか。ただ、その分 毒というものが感じられず、このバンドも丸くなったなと 感じなくもない。[79] LIFE IS PEACHY / KORN 全米チャートでも大健闘したアメリカのバンドの2ndアルバム。 内容は形容が中々難しいが、オルタナティヴ・ロック的要素あり、 インダストリアル・ロック的要素のあるヘヴィなサウンドの 一種クロス・オーヴァーした作品になっている。METALLICAと 全米ツアーを行ったりして話題を呼んだが、ノイジィでヘヴィな サウンドの、無機質でアヴァンギャルドさを感じさせる内容で、 決してヘヴィ・メタル的ではない。ノイズ、インダストリアルと 言ったキーワードが大丈夫なら聴けるだろうが、それ以外には あまりお勧めしない。[78] RELOAD / UNITED 今や日本のスラッシュ・メタル・シーンを支えていると言っても 良いUNITEDの6thアルバム。今作で大きな ターニング・ポイントとなったと言えるのは、新ボーカリスト 稲津信一の加入だろう。超弩級の咆哮型ボーカリストで好き嫌いは 分かれそうだが、このタイプのボーカリストとしては出色の 出来だ。ボーカルの個性もあってか、やや モダン・ヘヴィネスっぽい感じもしなくはないが、味付け程度で 決してスラッシュから外れてしまってはいない。全体的な プロダクションも良く、コアなスラッシュ・メタルが 好きな向きには合うだろう。[84] IMAGINATOR / NELSON 金髪のNELSON兄弟率いるアメリカのポップ・バンドの お蔵入りになったアルバムをリリースしたもの。お蔵入りになった 理由が、あまりにもヘヴィだったのでということだが、確かに 大ヒットしたAFTER THE RAINに比べるとそれなりに ハードなものの、元々が甘いポップ・ソングを やっていたのだからむしろちょうど良いくらいだ。ENUFF Z'NUFFの コンビとも曲を共作したりしていて楽曲の出来も中々のものだ。 ただ、判らないのはTWEAKEDで既に発表済みの WE'RE ALL ALRIGHTまで共作になっていることだ。これまでの 作品に比べると全体的に明るさ抑え目という印象を受ける。[84] ENTANGLED IN CHAOS / MORBID ANGEL フロリダのテクニカル・デス・メタル・バンドによる ライヴ・アルバム。その演奏どの高さは驚くべきもので、最初 MCも、歓声も、オープニングらしきものもなく始まるため、 ライヴだとはまるで気がつかない。恐ろしく完成度の高い 演奏力で、それを堪能するだけでも十分価値はある。 DAVID VINCENTとERIK RUTANが脱退してしまったので、 このライヴを維持できるかどうか判らないのは少々残念だ。 楽曲的にこの手のものはちょっとと思われる人もいるだろうが、 それにしてもうまい。[86] EAR X-TACY 2 / ANDY TIMMONS 元DANGER DANGERのアメリカ人ギタリストによる 2ndソロ・アルバム。インストルゥーメンタルとボーカル入りが 半々位の割合で入っているが、自身のボーカルは下手とは決して 言えないもののバックに負けているという印象を受ける。 ボーカル入りとインストルゥーメンタルの曲で少し方向性に ずれが見えて解離しているような印象も受けろ。 インストルゥーメンタルがギター・テクニック中心であるのに ボーカル入りが押さえた部分が多分にあるからだろう。 どちらかに比重を重くしたほうが統一性が見えて 良かったのではないかと思う。DANGER DANGERとはかなり方向性を 異にしているが、メロディ・センスはさすがだし、決して 駄作ではないのだが。[80] WORLDS AWAY / JOHN NORUM 元EUROPEのスウェーデン人ギタリストによる4thソロ・アルバム。 EUROPEや1stソロ・アルバムのTOTAL CONTROLの様なアルバムは もう望むべくもないのだろう。THIN LIZZYをモダンにしたような スタイルで、ややアメリカナイズされた楽曲は旧来からのファンが どのくらい満足出来るか不明だが、これ単体で考えれば、 出来的にはそれほど悪くない。哀愁を感じさせるメロディも 幾分かあるのだが、モダンでヘヴィな作品作りでダークな印象を 与えている。楽曲によってはオルタナティヴ的な感が あるものすらある。KELLY KEELINのボーカルは確かに こういう作品に向いていると思うが。[77] BOLD STATEMENT / CASBAH 日本のスラッシュ・メタル・バンドのデビュー盤。1曲、1曲が 短く、アルバムとは言っても30分程度しかなく、 ミニ・アルバムと言っても良いくらいだ。デビュー盤とは言っても 活動はもう14年に渡るだけあって、その凄みはそういったレベルを 凌駕している。ハード・コア的な疾走感を持ったヘヴィな サウンドは非常にパワフルだ。唯一のオリジナル・メンバーである ボーカルの咆哮も、好き嫌いは分かれそうだがそれほど 悪くはない。これだけの迫力のあるバンドは昨今の スラッシュ・メタル界では貴重だろう。後はプロダクションが もう少し良くすることを考えたほうが良いだろう。[76] WHO WE ARE / OUTRAGE 日本のスラッシュ・メタル・バンドの新作だが、これまでとは 少々趣を変えた作品である。楽曲がバラエティに富んでいて 様様なタイプの曲が聴けるが、スラッシュ・メタル的な部分は あまり感じられない。METALLICA風のメロディを入れたAfter Allや メロ・コア風のWho We Areを始め、これまでには見れなかった 面である。インダストリアル的な部分もみえるし、 オルタナティヴ的な部分もある。非常にグルーヴィ感があり、 これ単体で見ると中々面白い作品ではあるが、こういう大胆な 変化にファンがついてこれるか多少心配だ。[82] BEWARE OF DARKNESS / SPCK'S BEARD アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの 2ndアルバム。今作より新メンバーとして専任キーボードに 日本人のRYO OKUMOTOなる人物を加入させてよりサウンドが 充実している。この手のものでは、より プログレッシヴ・ロック色が強いサウンドで、YESや KING CRIMSONの影響が見える。演奏はテクニカルで複雑だが、 主旋律自体は割と判りやすいメロディで、思ったより とっつき易い。10分を超える曲が2曲あり、全体でも1曲を除いて 5分を超える対策指向的な部分がある。DREAM THEATERに比べれば ヘヴィ・メタル的な色彩はあまりなく、割と プログレッシヴ然とした作品が好きならば 良いのではないだろうか。[85] FIREFLY / TNT ノルウェイのヘヴィ・メタル・バンドの再結成第一弾アルバム。 なのだが、昔の面影は全くない作品になっている。 THE BEATLES的なメロディ感覚の楽曲が並び、ENUFF Z'NUFFを ヘヴィに湿っぽくしたような感じだ。まぁ、これはこれで 面白いとは思うが、旧来のファンには期待にそぐわない 作品だろう。演奏的にはTONY HARNELLのボーカルも RONNIE LE TEKROのギターも素晴らしいし、楽曲もこれだけとれば 割と良いのだが、何故これをTNT名義で出したのかは謎だ。 割としんみりと落ち着いた感じがあり、昔のTELL NO TALESの 頃の面影はない。[79] BRAVE MURDER DAY/ KATATONIA 詳細は良く知らないが、BEWITCHED等でも活躍する、BLACKHEIM 率いる北欧メロディック・ブラック・メタル・バンドの アルバム。いわゆるブラック・メタル・ボイスとは違い、 どちらかというとデス・ボイスに近い唱法だ。クリア・ボイスは 良く通っていてはかなげで美しいさを醸し出していて、 この手のものでは評価に値する。バックはほぼ メロディック・デス・メタルに近く、歌詞さえ除けばそういう 路線だと思って良い。割と叙情的で哀愁のこもったメロディが 淡々と続き、派手さはほとんどない。フックにも欠ける部分が 多く、故に、盛り上がらぬまま最後まで行ってしまうのは いかんともし難いが、たまにはっとしたメロディに 出会うことはある。[78] RELENTLESS / PENTAGRAM 1970年代初頭から今でも活躍するアメリカの ドゥーム・メタル・バンドの1985年にリリースした 1stフルレンス・アルバム。後にRAVENに加入して、両方のバンドを 掛け持ちすることになるJOE HASSELVANDERがドラムを叩いている。 サウンド的には初期BLACK SABBATH的で、WITCHFINDER GENERAL 当たりに近いが、もう少し重苦しい雰囲気があるし、ボーカルの BOBBY LIEBLINGも、もう少しノーマルな感じがする。 プロダクションも70年代風の古臭さを感じさせるので、 OZZY在籍時のBLACK SABBATHが好きならどうぞ。[78] THE EAGLE HAS LANDED PART II / SAXON ベテランN.W.O.B.H.M.バンドの1995年暮れに行われたドイツでの ツアーの模様を収めた、2枚組みライヴ・アルバム。既に1982年に 同名タイトルでライヴ・アルバムがリリースされており、 そのパート2という位置づけだが、そのため以前収録されたものは 省かれており、初期の名曲というべき曲がほとんどない。 そのため、注目すべきはアメリカナイズされた作品を 出すようになってからの曲であり、そういう意味では初期の ファン向けではなく、名前に騙されてはいけない。 YNGWIE MALMSTEENが飛び入り参加していて、Denim & Leatherを 弾いているが、あまり特筆すべきほどの事でもない。[80] WINDOWS / MICHAEL VESCERA PROJECT OBSESSION、日本のLOUDNESSといったバンドで活躍し、現在は YNGWIE MALMSTEENと共に活動しているアメリカ人ボーカリストの ソロ・プロジェクト。Say A PrayerとWords Unspokenに YNGWIE MALMSTEENやDOUG ALDRICHやAL PETRELLIが 参加していることを除いてバック・メンバーにはそれほど派手に 活躍した人はいないが、決してその出来は悪くない。コーラスを 多用してオペラティックに聴かせる曲もあるが、 ハード・ロックらしい楽曲が並び、全体的に中々良い出来だ。 ホーンを取り入れたりと色々チャレンジしているが、そういう 部分にのみ囚われず、エモーショナルでパワーのあるアルバムに 仕上がっている。[85] AWAKE / LONDON DRIVE 今は無きSIGN SIGNのBRYAN PORTERAも在籍していたことがある、 アメリカのハード・ロック・バンドの2ndアルバム。自費出版で リリースされたデビュー盤全てを収録して、新曲8曲の 計18曲という構成になっているが、18曲というのはやはり少々 多すぎるという気もしなくもなく、もう少し絞っても 良かったのではないだろうか。ポップ・センス溢れる ハード・ロックで、曲によってはブルージィな香りもする。 CARL WORDENのボーカルは高音も良く伸びていて、実力的にも 申し分なく安心して聴いていられる。ピアノがセンス良く 取り入れられており、メロディアスで中々良く出来たアルバムだと 思う。[83] LIVE / ROUGH CUTT L.A.メタルのB級バンド的な扱いを受けているバンドだが、 このバンドがかつて在籍していたメンバーの活躍でそれなりに 名前は通っているほうだろう。このアルバムは再結成後初の アルバムだが、解散前の昔のテイクを集めた ライヴ・アルバムらしい。ここで注目すべきはやはり PAUL SHORTINOの非常にエモーショナルなボーカルだろう。 実力のあるボーカリストだが、ここでもソウルフルな素晴らしい ボーカルを聴かせてくれる。楽曲は全体を通して素晴らしいとは 言えないが、そのプレイはエッヂが立っていてより 引き立てている。[79] LOUD, LOUD, LOUD / FIST N.W.O.B.H.M.に同名のバンドがいるが、こちらはカナダの ベテラン・ハード・ロック・バンドでこれは1995年に リリースされたアルバム。ラフでワイルドなロックンロールを 基調とするミドル・テンポ中心のヘヴィ・メタルで、音質と 言いいかにもB級臭さが漂っている。どことなく哀愁を漂わせる ヘヴィな音作りの作品となっている。BIFF BYFORDを骨太で だみ声にしたようなRAN CHENIERのボーカルが、尚一層そういった 感を強くさせている。だが、ドライヴ感、破天荒さはある程度 出ており、これはこれで面白いと思える中々味のある 作品になっている。[83] TALK ABOUT IT / GLENN HUGHES もはやボーカリストとしてステータスを築き上げた感のある、 元DEEP PURPLEのイギリス人ボーカリストの来日用の企画盤 ミニ・アルバム。4曲中、未発表バージョンが3曲で、ライヴの Kiss Of Fireとアコースティック・バージョンの Coast To CoastとYou Keep On Movingと言う内容になっている。 流れは少し唐突でつぎはぎだらけという印象派ぬぐえないし、 ライヴの録音状況もいまいちなのだが、ボーカルの 素晴らしさだけは変わることはない。[80] NEMESIS / GRIP INC. 元SLAYERのドラマーDAVE LOMBARDOを中心とした スラッシュ・メタル・バンドの2ndアルバム。DAVE LOMBARDOの ドラミングは相変わらず凄い。デビュー盤では楽曲の出来が 今一つで、DAVE LOMBARDOのドラムばかりが注目される 作品になってしまっていたが、ここに来てバンドとして 機能しはじめたというところだろう。DESPAIRの メイン・コンポーザーだったWALDEMAR SORYCHTAだが、 DAVE LOMBARDOのドラムを生かすべく、DESPAIRとは趣を変えた 曲作りを心がけているようだが、これはこれで悪くない。 スラッシュ・メタルらしく攻撃的で迫力のある作品に 仕上がっている。[83] RIGHTEOUS ANGER / VAN STEPHENSON ボーカルのVAN STEPHENSONを中心とするアメリカの ハード・ポップ・バンドが1984年にリリースした恐らく デビュー盤。メンバー・ショットはルックスがあまり良くない上に 全員サングラスをかけていて、若干不気味だが、軽快で 湿り気のある産業ロック風の楽曲が並ぶ。捨て曲無しとは言い 難いし、完成度等を見ればまだ不満が残るが、キャッチーな メロディ・センスは評価できる。VAN STEPENSONの軽いボーカルが より一層AORっぽさを醸し出している。70年代後半から 当時にかけてははやりのスタイルだったが、今では どちらかというと懐かしい感じのする作品だ。[78] NEWS / DAN LUCAS アメリカのシンガー・ソング・ライターのソロ・アルバム。 前作ではそれなりに名の通ったミュージシャンが曲作りや バック・ミュージシャンとして参加していたが、今作ではゲストと 言える参加者はなく、本当にソロと言う様な趣である。楽曲的には 前作よりおっとりとした曲が増えており、やや 地味さを感じさせるがメロディアスでキャッチーな ロック・アルバムになっている。アメリカのアーティストらしい からっとした雰囲気の作品で、前作ほどハードさはなく、 産業ロック的な作品である。エモーショナルなボーカルで、楽曲の 出来も十分評価できる。[84] ON A NEW HORIZON / THE LIGHT オランダの シンフォニック・プログレッシヴ・ロック・バンドではなくて、 アメリカの同名のプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー盤。 KANSASタイプのアメリカ・プログレッシヴ・ハード・ロックらしい キャッチーでやや軽めのサウンドが主体だが、楽曲は結構ひねりが 効いている。楽曲によっては湿り気を効かしていて、アクセントを つけている。キーボードがその中心にいるが、中々センスの良い アレンジもあいまって、良い味を出している。あまり ハード・ロック向きではないかもしれないが、結構良く 出来ている。[80] SOUL SEASON / SANVOISEN ドイツのパワー・メタル・バンドの2ndアルバム。いわゆる QUEENSRYCHEタイプのバンドで、その中でも最も質の高いバンドと 言って差し支えないだろう。デビュー盤も素晴らしかったが、 今作もそれに劣らず素晴らしい。楽曲、演奏、プロダクション、 どれをとっても高品質の作品と言える。QUEENSRYCHEと言っても 初期の方なのだが、フルレンス・アルバムよりもう少し 正統派という感じで、ときおりテクニカル・ロックの様な展開を 見せてアクセントをつけている。VAGELIS MARANISのボーカルも こういった曲をやるだけの実力がある。ドラマティックで、 憂いを含んだメロディは秀逸だし、実に良く作ってある アルバムだ。今後望むとすれば、これに名曲と言えるだけの 曲を作ってくれることで、それがあれば名作と言えるレベルまで 行ける。[87] ENCYCLOPEDIA OF EVIL / BEWITCHED メロディック・ブラック・メタル・バンド、KATATONIAの BLACKHEIM等によるプロジェクト・バンドのカバー中心の ミニ・アルバム。どちらが先に出たのか判らないが、ほぼ同時期に フルレンス・アルバムも出していて、こちらは楽曲は オリジナルだ。KATATONIAは盛り上がりに欠ける暗い タイプのものだったが、こちらはアップ・テンポで勢いがあり中々 面白い。7曲中5曲がカバーで、VENOM、BATHORY、MERCYFUL FATE、 CELTIC FROST、BLACK WIDOWと選曲も中々らしいものだ。下手に ブラスト・ビート中心にせず、ブラック・メタル・ボイス以外は 割とメロディは雰囲気が出てる。ブラック・メタル・ボイスも どちらかというとデス・ボイスに近いしゃがれた声なので パワーを感じさせて良い。[85] NINE LIVES / AEROSMITH もう、今更説明の必要もないようなアメリカの ハード・ロックンロール・バンドの新作。今更方向性が大きく 変わるはずもなく、相変わらずのAERO節という感じだが、 メロディ等、ややバラエティを増した様な感じだ。全曲そつなく 良く出来ていてドライヴ感があり、ファンであればまず外さない 作品だ。STEVEN TYLORのボーカルも相変わらずで、安心して 聴けるアルバムに仕上がっている。[87] DIE KEMENATES SCHARIACHROTER LICHTER / ANGIZIA 詳細は良く判らないが、ゴシック/ブラック・メタル・バンドの アルバム。5曲の組曲からなり、全66分と超大作指向だが、 それほど派手な展開がある訳ではない。ピアノを多用した、軽めの サウンドだが、あまりシンフォニックという風ではない。 オペラティックに、あるいは民族音楽的に迫り、AASTEDETの美しい ソプラノを中心にブラック・メタル・ボイスを絡めていく。どうも ブラック・メタル・ボイスがそぐわないのはいかんともし難いが、 割とオリジナリティを見せていて、組曲構成にする必要性はあまり 感じないが、割と良い出来だ。[80] BEHIND / SUPERIOR ドイツのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー盤。 ハードでドラマティックなサウンドだが、時折見せる叙情的で 憂いを含んだメロディは中々美しい。残念ながらプロダクションは いまいちで、楽曲もう少し練って欲しいところだ。リフ等は結構 格好良いのだが、テクニカルな部分になると急に 面白味がなくなる。楽曲の展開は、起伏に富んでいて、中東風の メロディを差し挟んだりして、キーボードの味付けも具合が良い。 MICHAEL TANGERMANNのやや粘り気のあるボーカルも バンドにあっている。結構見るべき要素がそここことあるので、 プロデュースが良くなればかなり変わると思う。[83] STRANGE MACHINES / THE GATHERING オランダのゴシック・メタル・バンドのアルバムMANDYLIONからの 4曲入りシングル。シングル・カット曲のSTRANGE MACHINESの シングル、アルバム各バージョンの各2曲とIN MOTION #1と LEAVESのライヴ・バージョンという構成になっている。 LEAVESのライヴは最新アルバムNIGHTTIME BIRDSとは別の音源で、 こちらの方がよりスタジオ・バージョンに近い。観客の歓声も 入っておらず、ほとんどスタジオ・ライヴ的な雰囲気だが、 ANNEKE VAN GIERSBERGENのボーカルも完璧だ。[84] YOU DON'T KNOW ME / MAJESTY アメリカのハード・ロック・バンドの恐らくデビュー盤。 No Promises For Tomorrow等はb竄竡を異にするが、アメリカの バンドらしい叙情的なやや明いものが多く、ポップでキャッチーな 楽曲が並ぶ。全体的に軽いという感じで、MICHAEL LOWERの ボーカルが、そういった感を尚一層強くさせる。音質の 悪さはいかんともしがたく、プロダクションが良くなればもう少し 何とかなったかもしれない。メロディなんかは1980年代っぽい やや古臭さを感じさせるものだが、センスはあると思う。[78] NOSTALGIA / CLOCKWISE 北欧のメロディアス・ハード・ロック・バンドのボーカリスト、 BENNY SODEBERGのソロ・プロジェクト・バンド。バックにGLORYの JAN GRANWICK、元EUROPEのJOHN LEVINとIAN HAUGLANDと 北欧メタルではかなり名の通ったメンツが集まっているが、 実際それにそぐわない出来になっている。FORTUNEの 1stで見せた美しい流麗でポップなメロディを取り入れながら、 もっとハードでフックの効いたサウンドになっている。 このメンツで叙情的でポップで憂いにあるメロディの ハード・ロック・アルバムを作るとこうなるという想像を 具現化してくれている。少し甘すぎるという感もあるが、扇情的な 部分もあり楽曲は良く出来ているし、プロダクションも しっかりしており、北欧のハード・ポップが好きなら 外すことはないだろう。[89] LOOSE'N LETHAL / SAVAGE しばらく前に再結成し、活発に活動しているN.W.O.B.H.M.の 1983年にリリースされたデビュー盤に1979年から 1980年にかけて録音されたデモ音源5曲を加えたもの。 N.W.O.B.H.M.のバンドに違わぬ録音状態の悪さで、ノイジィで 金属音的ギターがそういった部分を更に際立たせている。 演奏もいまいちだが、エッヂのたった音像はエモーショナルかつ ドライヴ感たっぷりで実に扇情的な作品で、非常にのりが良い。 楽曲はややTHIN LIZZYっぽい雰囲気のあるより哀愁を強調した 感じのするものだ。B級という感はいがめないし、酷い 録音なのだが、意外に心を沸き立たせてくれる。[84] INFINITY... / DESIRE 詳細は良く判らないが、どうもポルトガルの ゴシック/デス/ブラック・メタル・バンドらしい。組曲形式で、 16分を超える大作もある。うなるようなデス・ボイスを中心に、 たまにブラック・メタル・ボイスのような金切り声、 クリア・ボイス、女性の流麗なソプラノ・ボーカルを 刺し挟んでくる。ピアノを前面に押し出した耽美な楽曲が並び、 それにややヘヴィで叙情的なギター・メロディが 重きをなしている。効果的にアコースティック・ギターを 入れてきたり、耽美さをうまく演出している。デス・ボイスは それらの中でも特に聴きがたいものなのだが、楽曲はかなりに 耽美で美しい。この方面のものの中ではデス・ボイスを除けば 最も耽美な部類に入るだけに、このデス・ボイスがなければ この美しさを損なうことはなかったと思えるのだが。[79] AN ORDING NIGHT IN MY ORDINARY LIFE / TOMAS BODIN スウェーデンのシンフォニック・ロック・バンド THE FLOWER KINGSのキーボードによるソロ・アルバム。故に キーボードが中心の静かで、幻想的かつ叙情的な判りやすい メロディがほとんどだが、ときおり思い出したかのように フュージョンっぽいプログレッシヴ然とした複雑な展開が 入り込んでくる。これが結構突然で、それゆえ流れが見えず、 繋がりが悪く感じるときがある。キーボードによる美しい叙情的な メロディが際立っているだけに、そういう流れといった部分を うまくアレンジして表現できればかなり良くなったと思うのだが。 [79] METAL ATTACK / OVERDRIVE スウェーデン出身の初期北欧メタルのB級バンドによる1983年に リリースされたデビュー盤。多くのバンドの御多分に漏れず、 非常に悪い音質に加え、PELLE THURESSONの所々不味い ボーカルにはがっくり来る。まぁ、それでも味のある ボーカルだし、バンドのカラー的には悪くない。 北欧メタルというよりN.W.O.B.H.M.的な雰囲気を 醸し出しているが、N.W.O.B.H.M.のバンド群でも下の部類に 入るだろう。故にあまり進んで聴く様なものではないのだが、唯一 救いのあるのは、その扇情的な楽曲である。アップ・テンポでワ イルドなスタイルはドライヴ感を非常に良くだしている。 憂いのあるB級N.W.O.B.H.M.が好きならば悪くないだろう。[77] FOOL'S JOURNEY / THE NEW GROVE PROJECT INGMAR HJERTQVISTというスウェーデン人 シンガー・ソング・ライターによるのシンフォニック・ロックの プロジェクト・バンドによる1stアルバム。サポートとして THE FLOWER KINGSのROINE STOLT、PAR LINDAH PROJECTの PAR LINDH、元ENGLANDのJODE LEIGH等が参加している。 ファンタジックでドラマティック、派手さはないが適度に 展開もある。軽めの暖かい楽曲が中心だが、演奏はかなり派手で 実力の程を見せつけている。全体的なレベルが高い割に地味な 作品だ。[78] CIRCULATING CONTRADICTION / HELLCHILD 日本のグラインド系デス・メタル・バンドの2ndアルバム。 来日しているデス・メタル・バンドのサポートを数多く こなしているので、割と知名度も高い方だろう。ブルータルな 作品で、ブラスト・ビートも使用しているが、割とメロディは はっきりとしており、バックはきついスラッシュ・メタルの様な 感じもする。驚嘆すべきはTUKASA HARAKAWAのデス・ボイスで、 これほどブルータルに咆哮するデス・ボイスは海外でも そうはない。デス・メタルとしては世界的に見てもかなりレベルの 高い作品である。[83] CANTARA ANACHORETA / ANTICHRISIS 詳細は良く判らないが、おそらくドイツの ゴシック/デス・メタル・バンド。メンバー構成は良く 判らないが、デス・ボイスにクリア・ボイス、女性ソプラノの コーラスを入れている。プロローグと本体、エピローグの 3部構成による組曲形式になっている。なんとなく古めかしさを 感じさせる女性コーラスを入れたり、民族歌謡的なサウンドを 取り入れたりとかなりユニークだ。アコースティックな部分を 取り入れ、耽美さを強調した作品で、部分部分的には 面白いのだが、どうもだれる感がある。[74] AFTERTASTE / HELMET アメリカのモダン・ヘヴィネス系バンドの4thアルバム。 PANTERAの様な怒りを表に出した破天荒なものではなく、歌メロは かなりオルタナティヴっぽいという感じがある。特に3rd以降 そういう傾向が強くなっており、ギターはノイジィに 切り込んでくるが、ボーカルはその処理とは対照的にそれほど 先鋭的ではない。その分どうも平凡な印象派ぬぐえないが、 低く歪んだ音像はアルバム的に結構あっており、TERRY DATEが 一度リミックスしたというのは正解だろう。[76] NOW / PAUL RODGERS FREEやBAD COMPANY等の活動で知られるイギリス人 ロック・シンガーのソロ・アルバム。ブルージィな楽曲に エモーショナルなボーカルは相変わらずで、安心して 聴いていられる。カラッと明るいキャッチーなのりの良い楽曲が 中心で、リラックスして聴ける。ややTHUNDERっぽい 風味があるので、THUNDERが好きなら聴いてみると良いだろう。 PAUL RODGERSの歌声はもとより、バックもしっかりしていて 素晴らしい作品に仕上がっている。とにかくPAUL RODGERSの 歌唱を聴くだけでも価値がある。[86] LIFE IN PARADISE / STORMING HEAVEN アメリカのセッション・ミュージシャン等による ハード・ロック・バンドの1stアルバム。メロディアスで ポップ・センス溢れる楽曲が並ぶがJessie's Journey-The Suiteの 様な組曲構成の18分にも及ぶ大作もあったりする。この曲を含め プログレッシヴ・ロック的な指向が若干見える曲があるのだが、 全体的にソフトで間を持たすには盛り上がりに欠ける様な 気がする。楽曲はややAORがかった優しくソフトで、空間的な 広がりのあるハード・ポップで、フックにやや欠けるが、流暢で 奇麗には仕上がっている。[78] HONOUR & BLOOD / TANK N.W.O.B.H.M.バンドの1984年にリリースされた4thアルバム。 当時はMOTORHEADの弟分という扱いを受けていたが、サウンドも 徐々に変化を見せ、このアルバムではMOTORHEAD的なスピードと その疾走感はほとんど見えない。ドライヴ感よりも、メロディ 中心に向かっており、そのバランスは大きくメロディよりに 傾いている。録音状態はやや悪い程度で、この辺りの バンドとしてはむしろ良い位だ。楽曲の出来は素晴らしくTANKの 代表作といえる作品に仕上がっている。[84] BY TIME ALONE / ORPHANAGE 詳細は良く知らないが、オランダの メロディック・デス・メタルバンド。女性コーラスを取り入れ、 時には耽美に、時にはブルータルに迫る。ドゥーミィでヘヴィで おどろおどろしいそのサウンドは、多分に変則的でどことなく CELTIC FROSTを思い出させる。美しいというより怪奇的という 感じで、狂気を漂わせている。ときおり ブラック・メタル・ボイスのようなボーカルを挟んでくるのも オーセンティックでその雰囲気を強めている。バックの奇麗な コーラスもかえって不気味さを助長している幹事がする。 耽美なものを望む向きには、ちょっと不向きかもしれないが、 独特のカラーがあって良い。[82] ELECTRIC CHAIR MUSIC / SKEW SISKIN ドイツのハード・ロック・バンドの2ndアルバムで、9曲入りのEPを 付けた2枚組みの限定盤。このバンドの聴きどころは、やはり 何といってもNINA C.ALICEのパワフルで非常にエモーショナルな ボーカルだろう。名だたる女性ボーカリストの中でも最も格好良い ボーカルで圧倒される。前作に比べるとややミドル・テンポの曲が 増えて、彼女のボーカルの持ち味を考えるとやや不満だが、 作品としてはそんなに悪くはない。むしろMOTORHEADのLEMMYが フューチャーされているおまけCDの方が、疾走感が出ており、 ボーカルに非常にマッチしている。本編の方では、INTROVERDETは よりメロディを主眼に置いた曲でやや趣が違うが、 前作ほどではないにしろ、これはで良い作品だ。[84] THE MEETING / MARTIN BARRE 詳細は全く判らないがアメリカ人ギタリストによる、 ソロ・ハード・ロック・アルバム。参加している他の ミュージシャンも全く聞いたことはないので 説明のしようがないのだが、本人のスナップ・ショットを見る 限りでは、かなりのベテラン・ミュージシャンの様だ。 半分近くはインストルゥーメンタルなのだが、いわゆる ギター・インストルゥーメンタルという様な 感じのものではない。ソウルフルでブルージィな ロックという感じなのだが、泥臭さはなくお洒落で爽やかな サウンドだ。楽曲もまずまず良い出来だし、全体的なアレンジも 悪くない。Misere等は中々格好の良い曲だ。[84] HELL OR HIGHWATER / RHETT FORRESTER 1994年に不幸な死を遂げた元RIOTのアメリカ人ボーカリストの 生前のテイクを集めたトリビュート・ソロ・アルバム。録音時期は 1983年から1993年までと、その活動の全般を網羅しており、 アルバムの趣旨からしても実に感慨深い。 リマスターされているものの、元が古い音源もあるデモなので、 楽曲にもよるが録音状況はいまいちのものもある。明るめの曲も 多く、方向性も楽曲によって違うが、これは 仕方ないことだろう。マニア向けの作品であることは 間違いなのだが、出来は決して悪くない。アルバムの最後に しっとりと歌う歌唱は印象的だ。[81] BLUEPRINT FOR XCESS / X PROJECT 元WHITE WOLFのカナダ人ボーカリストDON WOLFの ソロ・プロジェクト・バンドによる1stアルバム。 POINT OF POWERで一緒だったKENNY "KAOS" LONEYと全曲 共作していて、この二人のプロジェクトと言って良いだろう。 メンバー・ショットもこの二人のみだが、すっかり薄くなった DON WOLFの頭が哀愁をそそる。一方、楽曲の方はWHITE WOLFの 叙情的な哀愁のあるメロディに比べると、やや明るめの曲調が 多めだ。もちろん、You Know I Knowの様な泣きの美しい メロディの曲もあるが、全体的に考えればWHITE WOLFとはやや 趣が異なるだろう。[80] PATRIOT / STORMWATCH イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの多分1stアルバム。 N.W.O.B.H.M.期に活躍したCHESTERFIELDのバンドWARRIORの ボーカリスト、DAVID J.HEWITTが率いている。WARRIORはやや プログレッシヴ・ロックががったところがあったが、こちらは そういう部分はほとんどなく、よりヘヴィなサウンドだ。 アップ・テンポの扇情的な哀愁のメロディが心を引き付ける。 WAOORIRといよりはKENTのLEGENDやTRESPASSといった辺りが好きな 人に向いているだろう。1週間で録音しただけあって、音はやはり チープだが、雰囲気的にはそった内容だろう。扇情的な哀愁の N.W.O.B.H.M.が好きならば、結構行けるはずだ。DAVID J.HEWITTの 決してうまいとは言えないが通った扇情的なボーカルが、実に 効果的に雰囲気を盛り上げている。B級マニア向けだが、いかにも らしいメロディの楽曲は好感が持てる。[88] INTO THE FUTURE & SUSPENDED SENTENCE / SATAN N.W.O.B.H.M.バンドの1986年にリリースされた再結成後というか BLIND FURYから名前を戻しての初のミニ・アルバムとなった INTO THE FUTUREと、1987年にリリースされたSATAN名義では 2ndフルレンス・アルバムになるSUSPENDED SENTENCEを カップリングしたもの。スピード・チューン中心のサウンドだが、 初期から比べると、その後PARIAHに流れていく、よりメロディを 押さえたスラッシィーなサウンドになっている。名作 CAUGHT IN THE ACTと比べると、やや扇情的だがフックは少なく、 メロディに特徴がない分、面白味が少ないし、楽曲の出来も いま一つだ。ややIRON MAIDENっぽいIce Man等は結構 面白いのだが。[79] HARLAN CAGE / HARLAN CAGE アメリカのハード・ポップ・バンドのデビュー盤。同名異バンドが 数多く存在するが、1980年代に美しい叙情的なメロディを 聴かせてくれたアメリカの プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドFORTUNEのボーカリスト L.A.GREENEとキーボードのROGER SCOTT CRAIGによる プロジェクト・バンドで、ポップ・センス溢れる美しく叙情的な サウンドは変わりない。初期MAGNUMよりは、よりキャッチーで 洗練されており、AOR的な雰囲気がより強く、柔らかい 口当たりだ。幾分扇情的で哀愁もほどよく効いており、作品の 完成度、質は実に高い全体的に良く出来た作品に仕上がっている。 [86] DOWN / SENTENCED フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドの 4thアルバム。新しいボーカリストとしてVILLE LAIHIALAが 加入したが、このボーカルはややダミ声であるものの、 デス・ボイスというものではなく、デス・メタルという 位置づけから完全に脱却した感がある。ギター・メロディを より押し出したサウンドになっており、憂いを含んだ耽美で 叙情的なメロディは、パワー・メタルというかメロディアスな ヘヴィ・メタルといったところだ。プロデューサーにはTIAMATで 名をあげたGRIP INC.のギタリストWALDEMAR SORYCHTAが 担当しているが、この人選も正解だったと言えるだろう。 デス・ボイスというアクセントはなくなったが、メロディは中々 良く練られており、フックがあって今までと比べて盛り上がりに 欠けるという事はない。Ode To The Endで不思議な雰囲気を 醸し出す女性コーラスも面白い。全体的にほぼミドル・テンポで 統一されており、実に耽美で聴きやすい作品だ。より扇情的だが、 ややTESTAMENTっぽい。[91] THE BEST OF THE WiLDHEARTS / THE WiLDHEARTS イギリスのメロディアス・ハード・ロックロール・バンドの ベスト・アルバム。GINGER選曲による既存のアルバムからの 選曲によるものと、シングルのB面を集めたものによる2枚組み アルバムになっている。良く出来たメロディに、ノイジィでやや 歪んだ音像は独特の世界を作り出している。 Bad Time To Be Having A Bad Timeの様なむしろすっきりした 曲の方が少し違和感を感じるくらいだ。アルバムに 収められなかったとはいえ、このシングルB面集も中々良い 出来で、メロディ・センスの良さを実感させてくれる。 アルバムだけは全部持っているという人も買って聴く価値は 十分ある。[87] FIVE / AXE 元BLACKFOOTのギタリストで、CAUGHT IN THE ACTで曲の共作や プロデュースもしていた、BOBBY BARTH率いるアメリカの メロディアス・ハード・ロック・バンドの13年ぶりで再結成後 初となる5thアルバム。日本でも4年ほど前に再発された 同名タイトルのデビュー盤と2ndアルバムLIVING ON THE EDGEで 聴かせてくれる叙情的なメロディであることは変わらないのだが、 よりAOR風で扇情的な楽曲へと変貌していっている。なによりも、 プログレッシヴ的な色合いは全く消えており、そういうものは期待 出来ない。むしろおおらかな雰囲気を持ちながら、ポップで キャッチーなメロディに哀愁があって良く作られた作品だ。 全体的には昔よりかなり落ち着いたどっしりとした 曲調になっているが、Anyplace On This Highwayは結構 盛り上がりを出している。[86] PROGFEST '95 / V.A. 1995年にL.A.で行われたPROGFEST '95の模様を収めた 6バンドによる2枚組みライヴ・アルバム。ARS NOVAは日本の 女性トリオで、インストルゥーメンタルの シンフォニック・ロック・バンドである。イタリアン・ロック的な 雰囲気があり、キーボードが前面に押し出された楽曲は結構良い 出来だ。LANDBERKはスウェーデンの シンフォニック・ロック・バンドで、シアトリカルな部分もある。 イタリアのDEUS EX MACHINAはよりそういった傾向の強い バンドで、バイオリンもそういう雰囲気を強めている。ドイツの シンフォニック・ロック・バンドのWHITE WILLOWが このアルバムでは最も得意なバンドだろう。ゴシック的な バンドで、女性ボーカルがその雰囲気を助長している。 SPOCK'S BEARDはこのアルバム中でも現在最も 注目されているだろう プログレッシヴ・ハード・ロック・バンドだ。16分にも渡る 大作も、そつなくそのレベルの高さを示している。トリの SOLARISはハンガリーのシンフォニック・ロック・バンドで フルートを交えた楽曲は非常にスペースの広がりを 感じさせてくれる美しいメロディを持っている。[84] CURIOUS GOODS / LANA LANE 元ROCKET SIENTISTのL.A.の女性シンガーによる2ndアルバム。 1stアルバム同様ハード・ポップ的な色彩の強い作品だが、やや プログレッシヴ色が増していて、散漫になった分盛り上がりに 欠けるきらいがある。ハード・ロック色の強い作品のさび等は かなり良く出来ているので、こういった部分をもう少し押し出した 方が良かったのではないだろうか?叙情的で伸びやかなLANA LANEの ボーカルは絶品で、これを聴くだけでも価値がある。残念なが 楽曲によって多少出来に差があり、1stまでの出来とは 言い難いが、これはこれで良く出来た作品ではある。ベースには BLUE MURDERのTONY FRANKLINが担当している。[84] BATTLE CRY / OMEN アメリカのB級ヘヴィ・メタル・バンドの1984年にリリースされた デビュー盤。アメリカのバンドではあるが、そのスタイルは 明らかにIRON MAIDENのそれである。ギター・メロディとリフは 完全にそれ以外の何者でもなくやや苦笑ものだ。叙情的な ファースト・ナンバーそれなりに格好良いが、全体的にチ ープであることはいがめない。録音状態を始め、楽曲の練り等、 全体的なクオリティはまだまだではあるが、叙情的なメロディの センスはそれほど悪くない。もう少しアレンジが ちゃんとしていればましになったとは思うが。[70] ...AND THE WINGS EMBRACED / LACRIMAS PROFUNDERE 詳細は良く判らないが、ゴシック/デス・メタル・バンドの 1995年にリリースされたアルバム。バイオリン、ピアノ、 フルートを取り入れた耽美な部分とヘヴィでドーミィな部分を 織り交ぜて進んでいく。それに合わせて、デス・ボイス、 クリア・ボイス、女性ボーカルを使い分けている。フルートの 導入が絶妙で、場面によりアコースティカルな雰囲気を強く 押し出しており、バイオリンはこの手のものらしい、憂いを帯びた メロディを奏でている。ANJA HOTZENDEFERのボーカルは、 ソプラノという感じではなく、ミドル・レンジが中心で、それほど 露出もない。耽美なものを望む向きには良いだろうが、うめく様な デス・ボイスが雰囲気にそぐわない。全体的に長めの曲が多く、 大作指向だ。[78] SUSPICIOUS HEART / VAN STEPHENSON アメリカ人ボーカリストVAN STEPHENSON率いるロック・バンドの 1986年にリリースされた恐らく2ndアルバム。デビュー盤より更に ハード・ロック色は消え、 アメリカン・ロック/ハード・ポップ色の強い作品になっている。 キーボードの露出度が増し、スロー・テンポからミドル・テンポの 優しく落ち着いた大人っぽい雰囲気の内容になっている。 じっくりと聴かせるような叙情的な楽曲が多く、のりという点では 前作には及ばないが、これはこれで良く出来ている。淡々と 進んでいき、地味さは否定できないが、メロディは印象的で良く 練られているし、AOR的な雰囲気のアルバムが好きな人は いけるだろう。Fist Full Of Heatの様なアップ・テンポの曲を もっと入れても良かったのではないだろうか。[84] FEVERED / LEFT HAND SOLUTION 詳細は良く判らないが、多分北欧のニュー・ウェーヴ系 ゴシック・メタル・バンドのアルバム。ソプラノとよりはもう少し 下のレンジで歌うMARIANA HOLMBERGという女性ボーカルに、男性 クリア・ボイスを絡めてくる。ときおりヘヴィさを見せるが、 どちらかというとやや軽めで、アップ・テンポののりの良さを 見せることもある。キーボードがかなり前面に押し出されており、 そういった感を助長している。それ程耽美さを追う バンドではなく、浮遊したような不思議な雰囲気で、時折 怪奇的な感覚を起こさせる。跳ねたような部分はなく THE GATHERINGとは少し方向性が違う。[78] THE HANGOVER / GILBY CLARKE 元GUNS 'N' ROSESのアメリカ人ギタリストによる 2ndソロ・アルバム。ラフなロックンロールで GUNS 'N' ROSESの様なハードさはない。時折ブルージィさを 感じさせてくれる土臭いアルバムだ。思ったよりもポップで キャッチーなサウンドで、GUNS 'N' ROSESとはやや方向性が違う。 全体的にリラックスした雰囲気で、軽快な作品が好きであれば結構 聴けるだろう。楽曲によってはTHE WiLDHEARTSっぽいものも あったりする。[77] NEMESIS DIVINA / SATYRICON ノルウェイのメロディック・ブラック・メタル・バンドの 多分3thアルバム。全体的にはMURDUKのスピードを更に 上げたような、ブラスト・ビートを用いた強烈なサウンドで 入ってくるが、場面によってはスラッシュ/パワー・メタル的な メロディに展開したり、叙情的で、メロディアスな方向へと 展開する。静と動の対比をもう少しあっても良かったかなとは 思わなくもないが、叙情的なギター・メロディがドラマティックな 方向性を出していて、引き付ける。ボーカルは ブラック・メタル・ボイスというような金切り声ではなくて、割と 聴きやすいだみ声だ。この手のものでは最もドラマティックな 作品で、楽曲の展開が良く出来ている。[85] PIGS / b.l.o.w. 元LITTLE ANGELSのBRUCE JOHN DICKINSON率いるイギリスの ハード・ロック・バンドの1stアルバム。全体的に哀愁を帯びた メロディの深いロック・アルバムで、Beautiful等の泣きの ブルーズ・ナンバーは実に味わい深い。その外の軽快な ナンバーにも何処となく侘しさを感じさせ、メロディ・センスの 良さを実感させてくれる。何処となく気だるさを 感じさせながらも、決して一本調子に陥っていない。楽曲の出来、 アレンジもなかなかの出来で、良く出来た ブリティッシュ・ロック・アルバムだ。[83] MAMA SAID / METALLICA LOADからの第3弾シングルで、日本盤の6曲入りのもの。 シングル・カットしたMama Saidも編集したもので、一応全曲 アルバムでは聴けなかったものということになる。内容は先の シングル・カット曲に加えて、ライヴが4曲、Mama Saidの デモ・バージョンという構成になっている。デモ・バージョンは、 METALLICAのデモとすれば割と聴けるレベルでかなり ましな方だろう。ライヴ・バージョンのものは全て同じ ライヴからの録音で、Creaping Deathで、誰かが最後 デス・ボイスの様な声でボーカルを取っているようだが、 クレジットがないので誰だか分からない。演奏的にはそれなりで ドラム、ギターも特に気になるほど酷くはない。[74] RITUAL / RITUAL スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンドのデビュー盤。 楽曲はテクニカルな面も見せながらテンポ良く進んで行き、非常に こぎみ良いサウンドだ。メロディは非常に判りやすい 印象的なもので、PATRIK LUNDSTROMの声質もあいまって、軽い 浮揚感を感じさせるが、場面場面ではハード・ロックにも 通ずる様なハードさを感じさせる部分もある。特に Solitary Man、一種プログレッシヴ・ヘヴィ・メタルと呼べる様な ヘヴィな展開がある。またPATRIK LUNDSTROMもそれに合わせて 時には軽やかに、時にはワイルドな歌唱を聴かせてくれる。[80] HEFEYSTOS / HEFEYSTOS ポーランドのゴシック・メタル・バンドの多分デビュー盤。 NANTUR ALDARONのクリア・ボイスと、ALICJA SZUMSKAの ハイトーン・ソプラノによる男女二人のボーカルに、美しい女性の コーラスが絡む。クレジットがないことから、多分ALICJAが 兼任しているものと思われるが、このコーラスが実に効果的で、 繊細かつ美しく、楽曲の雰囲気を倍加させて盛り上げるのに大きな 役割を果たしている。楽曲はややニュー・ウェーブよりで、それ程 重くもなく美しい叙情的な内容になっている。キーボードがかなり 前面に押し出されていて、オーケストラレーションが 多用されているが、ここぞというところのギター・ソロの メロディも判りやすくヘヴィ・メタル的で良い出来だ。全体的に 長めの曲が多く、大作指向だが、憂いを含んで叙情的なサウンドを 実にドラマティックに仕上げていて、だれるということはない。 耽美さという点では、やや全体的に軽すぎるという感もあるが、 むしろバンドのカラー的には、そのようなことは気にしない方が 良いだろう。叙情派ゴシック・メタルが好きな人の心の琴線に 触れてくるだけの出来に仕上がっている。[93] BUILDING THE BRIDGE / REO SPEEDWAGON アメリカのベテラン・ロック・バンドによる6年ぶりの新作。 産業ロック的な整った楽曲だが、昔から比べるとそういった面影は 減り、どちらかといとアメリカらしい乾いた 土臭いものになっている。ポップ的な色合いは後退したものの、 リラックスした落ち着いた内容になっている。故に飛びぬけた曲も ないし、地味に感じるのはいかんともし難いが、楽曲を始め 全体的に良く出来ている。KEVIN CRONINの甘いボーカルで歌う、 After Tonight等の優しいバラードは実に味がある。しかし、 アップ・テンポでこれという曲がないと少し辛い。[80] EVERYTHING LOUDER / RAVEN N.W.O.B.H.M.バンドの新作。前作がダークで今一つ 盛り上がりがなく、つまらない判りづらい作品だったのに対して、 その反省があったのか、今作では部分部分のメロディが非常に 判りやすい、印象的なものになっている。楽曲は攻撃的な スピード・ナンバーで占められており、破天荒な RAVENらしいといえる作品になっている。飛びぬけて 素晴らしいとは言い難いが、十分ファンには納得できる 作品になっていると思う。[83] TO RIDE, SHOOT STRAIGHT AND SPEAK THE TRUTH! / ENTOMBED スウェーデンのデス・メタル・バンドの4thアルバム。コアな デス・メタル・バンドとして昔は期待された彼らだが、その方向は デス・メタルから遠く離れてしまった。ギター・メロディはより メロディを押し出したのりの良いものになっている。L-G PETROVの ボーカルは、もはやデス・ボイスと呼べるものではなく、 ノイジィに機械処理されているが、野太いラウダーなものだ。 楽曲は全体的にうねりを出しており、非常にドゥーミィな作品に なっている。ドーム・メタルというにはかなりアップ・テンポな サウンドで、ヘヴィ・ロックの様なサイケデリック色もあまり ない。とにかくスピィーディで、疾走感たっぷりなので、これは これで十分面白いのだが、旧来のファンは少し面食らう 作品だろう。[82] NOW WE'RE COOKIN' / R.A.W. 元DALTONのLINDMARK兄弟率いるスウェーデンの ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。デビュー盤と比べると、 叙情的な部分は若干後退していて、カラッと明るいアメリカの バンド風のキャッチーなロック・アルバムに仕上がっている。 BON JOVIのTOKYO ROADの様なFlattered Then FloredやFIREHOUSEの アコースティック・バラードの様なSad Song等、どこかで 聴いたことのあるような曲もちらほらあるが、楽曲は割かし良い 出来だ。BO LINDMARKのボーカルも剛直だが、甘く伸びがあって 悪くない。[83] LIVE FROM THE VAULT / RAGE DISAPPEARING INC. / BONE MACHINE 元DANGER DANGERのアメリカ人ボーカリストTED POLEY率いる ハード・ロック・バンドのニュー・アルバム。これまで発表した 作品は、デモをCD化したものと、ライヴ・アルバムなので、実質 初のフルレンス・スタジオ・アルバムである。時には明るく、 時には叙情的に、時にはヘヴィに派手さはないもののそれなりに バラエティに富んでいる。明るいといってもどことなく どんよりとしたけだるい雰囲気があり、かといって哀愁とかいう 感じでもなく少し不思議な雰囲気をこのバンドは持っている。 このどことなく吹っ切れない感じを中途半端と感じるか、個性と 感じるかで評価は分かれるだろう。[78] A LITTLE BIT OF FIRE / TOWER CITY アメリカのハード・ロック・バンドCOLORVINEがバンド名を変える 以前の7年前に制作し、お蔵入りになっていてものを CD化したもの。キーボードを前面に押し出した、甘く叙情的な ポップ・ナンバーが並ぶ作品に仕上がっている。 メロディ・センスは中々良いのだが、アレンジ力という点では まだまだで、自らの音楽を表現仕切れていない感がある。 LARRY SALTISのボーカルもミドル・レンジは良いのだが、 低音部でのだみ声がどうも雰囲気に合っていない。 楽曲によっては導入部が平凡でつまらない曲が、何曲があるのも 気になる。持ってるものは良いので、この辺りが改善されれば かなり良くなるはずだ。[78] NEVAERLAND / NIGHT RANGER BRAD GILLSを中心に3人組みで再結成されていたが、今回 オリジナル・メンバーによる編成でアルバムがリリースされた。 前回のアルバムは昔のNIGHT RANGERからはかなり離れた 作風だったが、今回はオリジナル・メンバーであっただけに、 作風も昔ながらのものになっている。JACK BLADESのボーカルは 昔のままだし、二人のギター・プレイも往年のNIGHT RANGERを 思い起こさせる。ただ、ほとんど聞こえないキーボードには ALAN FITZGERALDを連れてきた理由が全く見えないし、楽曲も それぞれ良い出来ではあるが、昔の名曲を 超えるだけの出来ものはない。Rock In Americaのリメイクも 退屈だが、昔のファンにはそれなりに納得できる出来だろう。 [83] DANGER CALLING / WRAITH イギリスのヘヴィ・メタル・バンドの1992年にリリースされた デビュー盤。3rdアルバム当たりに比べるとよりメロディ主体の 正統派ヘヴィ・メタルという感じで、全体的にイギリスの バンドというよりアメリカン・テイストが強い。楽曲によっては 質の悪いDOKKENという感じで、音質などは悪いが、方向性の 今一つ定まらなかった最新アルバム等よりよほど面白い。 B級という感はいがめないのだが、メロディアスな アメリカン・ハードが好きな人はある程度聴けるだろう。[74] SWANSONGS / FLOWING TEARS & WITHERED FLOWERS 詳細は全然判らないが、多分オーストリアの ゴシック・メタル・バンドのアルバム。MANFRED BERSINの ボーカルは、いわゆるクリア・ボイスでANATHEMAにおける DARREN J.WHITEの様な詠唱するタイプだが、ところによりもう少し だみ声だ。楽曲の出だしはどちらかというと軽い感じのタイプで、 ピアノ等を中心に置き、リフを延々と繰り返すという一種独特の 雰囲気を醸し出す。後半ヘヴィなギターを入れてきて、上記の ANATHEMAの様な雰囲気を持ちながら、盛り上げていくパターンが 多い。この静と動のコントラストは見事で、耽美な感じを 香らせながら、哀愁のメロディを紡いでいく。 Flowing Tears & Withered Flowersで、いきなり下手な ブラック・メタル・ボイスの様なものを入れてくるのは勘弁して 欲しかったが。実際はもっと侘しいのだが、デス・メタルから 脱却した後のMY DYING BRIDEやANATHEMAが好きな人にはお奨めだ。 [89] SEVEN DEADLY SINS / DAEMON ANDERS LUNDEMARKというスウェーデン人ギタリストによる プロジェクト・バンドのデビュー盤。実質内容は30分弱で、実質は ミニ・アルバム程度の長さだ。内容はいわゆるデス・メタルで、 バックもかなりブルータルだ。ドラムはENTOMBEDの NICKE ANDERSSONが叩いており、怒涛のドラミングを 聴かせてくれる。ブルータルな雰囲気を持ちながらも、 グルーヴィさを持っており、結構のりが感じられる。咆哮型の デス・ボイスは迫力がありながらも、結構聴きやすい。[78] WARNING OF DANGER / OMEN アメリカのB級ヘヴィ・メタル・バンドによる1985年に リリースされた2ndアルバム。方向性はデビュー盤とほとんど 変らずでIRON MAIDEN風のギター・メロディ、リフがそこここに 飛び出す。だが、扇情的だがねちっこいJ.D.KIMBALLのボーカルが 出てくるといきなり地味になるのはいかんともしがたい。全体的な 完成度もIRON MAIDENには遠く及ばないし、プロダクションが もう少し良くならないと駄目だろう。楽曲の面白味は まだまだだが、もう少しアレンジ力があれば何とか なったかもしれない。[74] BAPTIZM OF FIRE / GLENN TIPTON JUDAS PRIESTのギタリストによる初のソロ・アルバム。 COZZY POWELL、DON AIREY、BILLY SHEEHAN他、UGLY KID JOEの C.J. DE VILLER、SHANNON LARKIN等多彩な ゲスト・ミュージシャンを迎えて作成されている。JUDAS PRIESTが ROB HALFORDの脱退もあって、長い間表立った活動も なかったので、非常に気になる作品ではあったのだが、その期待は あまり報われなかった。ソロ・アルバムなので、JUDAS PRIESTと 方向性を変えてというのは十分理解できるのだが、 グランジがかったヘヴィな楽曲を聴かされると、何か勘違いして 最近の流行を追ってみた様な気がしてならない。GLENN TIPTON 自身がボーカルを取っているが、我慢は出来るものの、 お世辞にもうまいとは到底言えないレベルだ。アップ・テンポで のりが良く、JUDAS PRIESTとはまた違った味のある インストルゥーメンタル・ナンバー、BAPTIZM OF FIREの様な 方向に何故もっと絞らなかったのだろうか。[60] WITHIN THE ANCIENT FOREST / PARAMAECIUM 詳細は良く判らないが、珍しい多分オーストラリアの デス/ゴシック・メタル・バンドのアルバム。ボーカルは デス・ボイスが中心で、クリア・ボイスも織り交ぜており、 Song Of The AncientとGone等ではソプラノのゲスト・ボーカルを 入れたりと、この手のものでは割と良くある形だ。FUNERALや DYSTROPHY程重過ぎずもなく、アコースティックな部分も あったりする。耽美さはそれ程なく、叙情的な部分と おどろおどろしい部分を併せ持っているのだが、意外に アイデアをこなしきれておらず、最後まで間が持たない。印象的な メロディの割合が低いのも致命的で、オカルティックな雰囲気が 良いというのでなければ少し苦しいところだ。こういう方向を 目指すなら、もう少しドゥーム的な色彩が強い方が 面白かっただろう。[58] THE MORE THINGS CHANGE... / MACHINE HEAD FORBIDDEN、VIOLENCEのメンバーであった、ROBB FLYNNを 中心とするアメリカ、ベイ・エリアのハード・コア風の スラッシュ・メタル・バンドの2ndアルバム。ヘヴィで、印象的な メロディを持ちながらザクザクとリフを刻み込んでくる。 疾走感はそれ程なく、モダン・ヘヴィネス的な感じも やや漂っているが、もっとスラッシュ・メタル然としており、 圧迫感のあるサウンドで迫ってくる。全体的に緊迫感を 保っており、楽曲、演奏の出来もなかなかのものだ。[83] FREAKSHOW / ZERO NINE フィンランドのハード・ロック・バンドのニュー・アルバム。 ホーン・セクションがかなり前面に押し出されており、北欧の バンドというにはだいぶ趣を異にするようになっている。 KEPA SALMIRINNEのボーカルは、幾分AXEL ROSEを意識したような 歌い方で、 Love Hurts(Thats All You Gonna Learn About Life)等は GUNS N' ROSESを思い起こさせるような楽曲である。 その一方で、GRAHAM BONETTの Night Gamesのフレーズをそのまま入れたような、キーボードを 前面に押し出した扇情的な楽曲のTango Del Dolorのように、 方向性が今一つ定まっていないような印象を受ける。全体的に アメリカ風ののりの良いものが中心だ。[78] RETERNITY / EXISES オランダのプログレッシヴ・ヘヴィ・メタル・バンドの10年ぶりの 2ndアルバム。DREAM THEATERと比べると、ヨーロッパの バンドらしいより哀愁の強い楽曲で構成されている。全体的に チープな音質で、プロダクションもまだまだといった感は いがめない。所々のギター・メロディなど、それなりに面白い 部分はあるのだが、全体的に整理されていない印象があり、 アレンジ部分での弱さを感じずにはいられない。ギターの露出度が 高く、奏でる哀愁のメロディは割と良い出来で、キーボードも それにマッチしたものだ。プログレッシヴ色よりは ヘヴィ・メタル的な感覚の方が強い。[78] BRIDGE OF FOOLS / HEARTLAND イギリスのハード・ポップ・バンドの4thアルバム。ギタリストは 元GILLANのSTEVE MORRISだが、そういう色合いは全くない。 3rdアルバムから全体的にポップ色は減退している傾向にあり、 今作はAOR色のあるロック・アルバムという雰囲気の方が 強いものの、前作よりは2ndに近い作品に仕上がっている。 とは言っても、そのポップ・センスは健在で、楽曲の出来も非常に レベルが高い。優しく、落ち着いた叙情的なメロディは心を 和ませてくれる。ギター・プレイもそれなりに押し出されており、 扇情感も今までより増している。[87] LIVE & UNPLUGGED / KINGDOM COME LENNY WOLF率いるバンドのスタジオ・アルバムTWILIGHT CRUISERに 続くライヴとアンプラグド・アルバムのカップリングした2枚組み アルバム。ライヴ・アルバムはLENNY WOLFの扇情的なボーカルの 魅力が良く出ている。選曲もベストに近いと言って良いし、 フルレンスのライヴもいずれ出して欲しい出来だ。しっとりと 仕上げられたアンプラグドは普段とはまた違った部分を そこはかとなく感じさせる。THE BEATLESのカバー And I Love Herはボーカルの扇情的な部分を押さえて ほんわかとした雰囲気をたたえているし、楽曲によってかなり イメージが違う。[85]