XYZ / XYZ

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1989年にリリースされた デビュー盤。方向的には叙情的なメロディを押し出した ヘヴィ・メタルで、DON DOKKENがプロデュースしている事からも 判る様に、DOKKEN的なエッセンスを感じさせる部分もある。憂いを 帯びたメロディは美しく、センスの良さは感じられるアルバムだ。 What Keeps Me Loving You等、物悲しさを感じさせる作品は真価を 発揮しているが、アップ・テンポののりの良い楽曲では今一つその 真価が発揮出来ていない様な気がする。全体的に抑え目で、地味な 感じになってしまっているのが原因だが、これはDON DOKKEN自身の UP FROM THE ASHESにも共通している事で、プロデュースの 問題だと言って良いだろう。[82]

HUNGRY / XYZ

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1991年にリリースされた 2年振りの2ndアルバム。前作ではDON DOKKENのプロデュースで 話題になり、そのメロディ・センスの良さは出ていたものの、 どうも地味過ぎる作品になってしまっていた。その 反省もあってか、今作ではプロデューサーを換え、より ダイナミズム溢れる作品に仕上げている。それにあわせて アップ・テンポでのりの良い楽曲を増やしており、聴き応えのある アルバムとなっている。その分叙情的なメロディは押さえ 気味になっており、前作でのDOKKENっぽさを求めると外すかも 知れない。[83]

TAKE WHAT YOU CAN...LIVE / XYZ

アメリカのヘヴィ・メタル・バンドの1995年にリリースされた ライヴ・アルバムにデビュー前に出した4曲入りのデモを付けた 限定盤。デビュー時は、その叙情的なメロディと完成度の高さから ポストDOKKEN的な期待をしていたものの、結局これという名曲を 産み出せず、バンド自体も中途半端な位置に落ち着いてしまう 事になったが、ライヴ・パフォーマンスとしての出来はさすがに 良い。デモはさすがにそういう音源だけあって、プロダクションは しょぼいし、つまらない曲もあるのだが、Slow Me Down等は 素晴らしいバラードだし、Straight In The Nightは プロダクションのしょぼさが更に輪をかけているが、憂いを帯びた 良い曲だ。[83]

METALIZATION / X.Y.Z.→A

日本のヘヴィ・メタル・バンドの2ndアルバム。元LOUDNESS、SLYの ボーカリスト、二井原実、元筋肉少女帯のギタリスト、橘高文彦、 爆風スランプのベーシスト、和佐田達彦、ドラマーの ファンキー末吉によるバンドだ。方向的には正統派 ヘヴィ・メタルと言えるもので、愁いを持った扇情的なメロディの ロックンロール調のヘヴィ・メタルを聴かせてくれている。 二井原実のパワフルなボーカルは非常に彼らしさを 感じさせてくれるが、海外のバンドばかり聴く人には日本語の 歌詞に違和感はやはり感じるだろう。飛び抜けた楽曲はないが、 全体的に出来はまずまずと言ったところで悪くない作品だ。[80]

IV / X.Y.Z.->A

日本のヘヴィ・メタル・バンドの4thアルバム。元LOUDNESS、SLYの ボーカリスト、二井原実、元筋肉少女帯のギタリスト、橘高文彦、 爆風スランプのベーシスト、和佐田達彦、ドラマーの ファンキー末吉によるバンドで、今作ではプロデューサーに BOWWOWのギタリスト、山本恭司を迎えている。これまでは日本的な メロディも感じられるところがあったが、ここではよりワイルドで パワフルな、ヘヴィ・メタル然とした作品に仕上がっている。 こうなってくると、日本語の歌詞が少しそぐわない気もするが、 そこは気分の問題だろう。アグレッシヴで聴き応えがあり、 これだけのメンバーが集まっているだけに演奏も安心して聴ける。 [81]