JOURNEYMAN / ERIC CLAPTON

1970年代には3大ギタリストと言われた、元CREAM、YARDBIRDSの イギリス人ギタリストの1989年にリリースされたアルバム。 大ベテランと言う域に達している人だけに、今の若手ギタリストの 様な派手なギター・プレイをやる訳ではないし、その方向性も ハード・ロックと言うよりは、もっと歌もののロック・アルバムと 言った方が正しい作品だ。Bad Loveは、彼の代表曲とも言える、 Laylaっぽいさびの楽曲だが、もっと軽快な楽曲に 仕上がっている。全体的にファンキーな味わいが濃くなっており、 それは前作の延長線上であるとも言える。適度にギター・プレイを 織り交ぜながらも、あくまでも歌を聴くための作品だ。[82]

SOMEWHERE IN THE MIDDLE / ERIC MARTIN

アメリカのハード・ロック・バンド、MR.BIGの ボーカリストによる、バンド結成後初となる12年振りの ソロ・アルバム。MR.BIGの様なハード・ロック的な色合いは 全くなく、いわゆるアメリカン・ロックと言って良い作品だろう。 MR.BIGの様なハードさを求めるファンには少々物足りない アルバムかも知れないが、素朴な良く出来たロック・アルバムだ。 ERIC MARTINのソウルフルなボーカルが発揮されていて、情感の 溢れる優しい雰囲気が良く出ている。やや、落ち着き過ぎとも 思えなくはないが、Kisses Stain等の叙情的なメロディなど実に 良く出来ている。但し、もう少しフックがないと聴き 流せてしまいそうな感もあるが。[83]

FLY ON A WALL / ERIC MARTIN

アメリカのハード・ロック・バンド、MR.BIGのボーカリストの ソロ・アルバム、SOMEWHERE IN THE MIDDLEからの1stシングル。 全3曲と言う構成になっているが、シングル・カットの タイトル・トラックを含めてアルバム収録曲が2曲で、唯一 アルバム未収録は未発表曲のStayin' Close To Youのみだ。 ミドル・テンポのややブルージィなナンバーで、うらわびしさを 感じさせる素朴で洒落た楽曲だ。アダルトな雰囲気を感じさせ、 楽曲的にはありふれているという気もしなくはないが、 ギター・メロディも印象的で、アルバムから漏れてのは惜しいと 思える様な出来だ。[81]

INTO THE SUNSET / ERIK NORLANDER

LANA LANE、ROCKET SCIENTISTのアメリカ人キーボードによる 3年振りとなる2ndソロ・アルバム。ギタリストは元VENGEANCEの ARJEN ANTHONY LUCASSEN、ベーシストはTONY FRANKLIN、 ドラマーは元SHARK ISLANDのGREG ELLISと言う布陣で、 ボーカルにはKAYAKのEDWARD REEKERS、LANA LANE、GLENN HUGHESと 言った層々たるメンバーが参加している。方向的には非常に ヘヴィ・メタル色の強いプログレッシヴ・ロックと 言ったところで、如何にも彼らしい作品ではあるのだが、 LANA LANEよりはキャッチーな色合いを故意に落としている様に 感じられる。エッヂのたったサウンドは中々聴き応えがあり、 ヘヴィなサウンドはメタル側のリスナーにも十分耳を引き 付けられるものがあるはずだ。[82]

I'M GOIN' SANE / ERIC MARTIN

アメリカのハード・ロック・バンド、MR.BIGのボーカリストによる 4年振りとなる4thソロ・アルバム。方向的には前作の延長線上とも 言えるキャッチーなアメリカン・ロックだが、もっとハードで ポップさを押し出したものになっている。楽曲の出来自体は 良かったものの、シンプルで素朴さが強く出ていたがために、やや フックに欠け、今一つ盛り上がりに欠けた前作と比べると、 ロックンロール的なエッセンスも上手く活きていて、よりのりの 感じられるアルバムに仕上がっていると言って良いだろう。 My Disease等はモダンな味付けがされていて新味もあるし、 悪くないアルバムだ。[83]

PURE / ERIC MARTIN

元MR.BIGのアメリカ人ボーカリストによるソロ・アルバム。 全曲ソロ・アルバム、もしくはMR.BIGでの曲による セルフ・カバーで、企画盤的な作品と言って良いだろう。FLYを 除いて全曲アコースティック・バージョンとなっており、 ほのぼのとしたナンバーを彼が歌い上げると言った スタイルになっている。それ故、彼のボーカルが前面に出ており、 その歌唱が十分堪能出来ると言って良いだろう。アレンジも アコースティックに適した叙情的な楽曲が選ばれているし、 ハートフルなアルバムに仕上がっていて、中々味わいのある 作品だ。[82]

MUSIC MACHINE / ERIK NORLANDER

LANA LANE、ROCKET SCIENTISTのアメリカ人キーボードによる 3年振りの2枚組3rdソロ・アルバム。基本的には彼のキーボードを 前面に押し出したプログレッシヴ・ロックだが、彼らしい コマーシャルなメロディや、ハードなギター・フレーズが 入っている。 2枚組となるとやや冗長な感もあるが、 コンセプト・アルバムとしての緊張感もあり、悪くない作品だ。 RING OF FIRE、元YNGWIE J.MALMSTEENのボーカリスト、 MARK BOALS、MICHAEL SCHENKER GROUPKING KOBRA、 元BLUE MURDERのボーカリストKELLY KEELING、元THE FIRM、 BLUE MURDERのベーシスト、TONY FRANKLIN、元DIO、 BLACK SABBATHのドラマー、VINNY APPICE、元VENGEANCEの ギタリスト、PEER VERSCHUREN、RING OF FIREのドラマー、 VIRGIL DONATI、元DAVID REE ROTHのドラマー、GREGG BISSONETTE 等が参加している。[84]