AXE / AXE

アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1979年に リリースされたデビュー盤。叙情的なメロディの楽曲は、全体的に アップ・テンポで調子良く進んで行き、小気味が良い。 プログレッシヴ・ロックらしいキーボードのメロディに、ハードな 味付けがされており、あくまでもプログレッシヴ・ロックが ベースとして存在している。しかし、楽曲によっては結構ハードな ギター・プレイを聴かせてくれるし、プログレッシヴ・ロックと 言っても叙情的でキャッチーなメロディは一般のリスナーにも 非常に聴き易い作品のはずだ。哀愁味のあるメロディはそれなりに 美しいし、プログレッシヴの面目躍如と言った感じのBattlesの ドラマティックに構築された楽曲など、聴きどころはあり、隠れた 名盤に相応しい出来に仕上がっている。[84]

LIVING ON THE EDGE / AXE

アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの1979年に リリースされた2ndアルバム。前作と比べるとより 洗練されており、その分印象に残り難い部分もあるものの、 Fantasy Of Love等は結構扇情的で、名曲と言える様なレベルに 仕上がっている。Carry On等は、如何にもプログレッシヴ・ハード 時代のMAGNUMを思わせるものだし、出来自体は決して悪くない。 しかし、前作に比べると、楽曲の出来にやや波があり、幾分 面白味に欠けるのも確かだ。Running The Guntlet等は、如何にも プログレッシヴ・ロックらしいキーボードにアップ・テンポで中々 格好良いが。[82]

BETWEEN THE WALLS / AXEL RUDI PELL

元STEELERのドイツ人ギタリストの1994年にリリースされた 4thアルバム。方向的にはこれまでと同じく、RITCHIE BLACKMOREの 影響がそここことなく見える、正統派のヘヴィ・メタルだ。 ボーカルには前作同様TALISMANのJEFF SCOTT SOTOが 取っているが、AXEL RUDI PELLにとっては、これ以上 望むべくもない組み合わせだろう。楽曲的には、曲にもよるが初期 RAINBOW路線を直走っており、彼の趣味が良く出ている。 ボーカルは文句ないし、全体的な演奏も問題無い。楽曲の出来も 悪くないので、RAINBOWの亜流と割り切れれば、良く出来た 作品だろう。[84]

MATTERS OF SURVIVAL / AXXIS

ドイツのハード・ロック・バンドの4thアルバム。方向的には ジャーマン・メタルと言った様な感じはそれ程受けず、どちらかと 言うと切迫感を持ったモダンでメロディアスなハード・ロックと 言った感じだ。特にIdolatorなどはダークで アメリカナイズされている感じがする。全体的には 叙情感があるが、あまりクリアさを感じさせない独特の魅力は あると思う。楽曲、演奏ともこれといったものはないが、 C'est La Vie等、割と印象的なメロディで扇情的な部分を強く打ち 出した楽曲は聴きごたえがある一方で、それ以外の曲は今一つ 面白味に欠ける。[80]

MADE IN GERMANY-LIVE- / AXEL RUDI PELL

ドイツ人ギタリストのライヴ・アルバム。関心する位、あちこちの アルバムに出てくるが、ボーカリストにJEFF SCOTT SOTO、そして ドラムにJORG MICHAELをゲストとして迎えたドイツでのツアーの 模様を収録したものだ。オーヴァー・ダブは一切 なしというだけあって非常に生々しい演奏を聴かせてくれる 作品だ。楽曲的にはFire On The Mountainなど Man Of The Silver Mountainを思い起こさせるし、あくまで RAINBOWを今風にした感じだ。実力派揃いのメンツなだけに急造 バンドとは思えない良い出来だ。[84]

BLACK MOON PYRAMID / AXEL RUDI PELL

ドイツのヘヴィ・メタル・バンド、STEELERの元ギタリストによる 4thソロ・アルバム。その方向性は、まさしくRAINBOWファンによる RAINBOW風のアルバムと言ったところだろう。YNGWIE MALMSTEENと 似た、クラシカルな路線で、RAINBOWよりはかなり アップ・テンポな作品に仕上がっている。前作同様、 ボーカリストにはJEFF SCOTT SOTOが参加しているが、彼の ボーカルは相変わらず見事だし、楽曲の出来もかなりのものだ。 RAINBOW風の様式美をよりメロウでヨーロッパ風でモダンにした サウンドで、完成度も高く正当派好きには泣ける内容に 仕上がっている。ただ、当然目新しさにも欠ける訳で、 難がないこともないのだが。[88]

FIVE / AXE

元BLACKFOOTのギタリストで、CAUGHT IN THE ACTで曲の共作や プロデュースもしていた、BOBBY BARTH率いるアメリカの メロディアス・ハード・ロック・バンドの13年ぶりで再結成後 初となる5thアルバム。日本でも4年ほど前に再発された 同名タイトルのデビュー盤と2ndアルバムLIVING ON THE EDGEで 聴かせてくれる叙情的なメロディであることは変わらないのだが、 よりAOR風で扇情的な楽曲へと変貌していっている。なによりも、 プログレッシヴ的な色合いは全く消えており、そういうものは期待 出来ない。むしろおおらかな雰囲気を持ちながら、ポップで キャッチーなメロディに哀愁があって良く作られた作品だ。 全体的には昔よりかなり落ち着いたどっしりとした 曲調になっているが、Anyplace On This Highwayは結構 盛り上がりを出している。[86]

MAGIC / AXEL RUDI PELL

ドイツ人ギタリストによる叙情的でドラマティックな正統派 ヘヴィ・メタルの6thソロ・アルバム。前作よりもやや散漫な感じを 受けるが、それでも出来は結構良い。 ジャーマン・パワー・メタル風のNightmareで始まるが、 Rainbow Eyes風のThe Eyes Of The Lost等、これまでも見せていた RICHIE BLACKMOREの影響が見えるRAINBOW的な部分も健在だ。 大作のMagicで聴かせる扇情的な泣きのギター・ソロもそれなりに 聴きがいがある。今作でもJEFF SCOTT SOTOがボーカルを 取っており、ある意味ではYNGWIE J.MALMSTEENのようにも感じる。 パターンにはまった作品ではあるが、メロディ・センスの良さが それを凌駕している。[81]

TWENTY YEARS FROM HOME 1977-1997 / AXE

CAUGHT IN THE ACTのマネージャーとして再び脚光を 浴びるようになったBOBBY HARRIS率いるバンドの ベスト・アルバム。実際は再結成するまでに長いタイム・ラグが あるのだが、これはその一度解散する1983年までの4枚の アルバムから選曲されたものを現在のメンバーで再録音したもの。 再結成後のアルバムはCAUGHT IN THE ACTの方向性も意識したのか かなりポップな作品であったが、この当時はもっと プログレッシヴ・ロック色が濃かったと再認識させてくれる。 かつてのアルバムは2枚日本盤が再発されているだけなので、 あまり聴けない曲もあって貴重だ。今聴くとやはり1970年代に かぶっていた感じが強く受けるがキャッチーなメロディは非常に 良く出来ていて出来は良い。[88]

OCEANS OF TIME / AXEL RUDI PELL

ドイツ人ギタリストによる7thソロ・アルバム。方向性は これまでと変るべくもなく、初期RAINBOW等の流れを引く、様式美 ヘヴィ・メタルだ。非常にメロディアスで扇情的な格好の良い 美しいヘヴィ・メタル・ナンバーが並んでいる。楽曲の出来も 良いし、元HARDLINEのJOHNNY GIOELIのソウルフルなボーカルが 実に良い味を出している。ドラムのJORG MICHAELやキーボードは ROUGH SILKのFREDY DOERNBERGが参加しているなど、中々の メンバーがサポートしているだけに、その出来は素晴らしいと 言って良いだろう。ワン・パターンと言っても良いのだが、 様式美が好きな人には間違いのないアルバムだ。[85]

TWENTY YEARS VOLUME II / AXE

アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの過去の 楽曲を録音し直したベスト盤。適度にキーボードを効かせた、 キャッチーでメロディアスなハード・ロックで、良質の楽曲が取り 揃っている。2年前に出した同様のアルバムの第2弾と言う事で、 楽曲によっては前作に若干劣るのだが、それでもさすがと思わせる 様な曲がずらりと並んでいる。どうしても古臭さを感じるのは いがめないが、こうして現代の録音技術で録り直すと、今でも十分 素晴らしさが伝わって来る。しかし、どちらかと言うと、昔の曲の 焼き直しばかりでなく、そろそろ新しい作品を作って 欲しいものだが。[83]

ETERNAL PRISONER / AXEL RUDI PELL

元STEELERのドイツ人ギタリストによる1993年にリリースされた 3rdソロ・アルバム。基本的にメンバーは前作と同じだが、 今作では新たにボーカリストとして元YNGWIE J.MALMSTEENの JEFF SCOTT SOTOが参加している。ボーカリストとして非常に高い 実力を持つだけに、このアルバムでもその実力を大いに 発揮している。音楽的方向性に関しては、その後の RITCHIE BLACKMOREの影響が色濃く見える、クラシカルな ヘヴィ・メタルからすると、クラシカルな度合いがかなり低く、 よりストレートなメロディアス・ヘヴィ・メタルと言った感じの アルバムに仕上がっている。[82]

THE MASQUERADE BALL / AXEL RUDI PELL

ドイツ人ギタリストによる8thソロ・アルバム。方向性はこれまで 同様のRITCHI BLACKMOREやYNGWIE J.MALMSTEENの影響が感じられる 様式美ヘヴィ・メタルだ。オリジナリティは全く感じられないが、 メロディの出来は安定して高いレベルを保っているし、 URIAH HEEPの名曲、JULY MORNINGをカバーも悪くない。。新味が 全くない代わりに、逆に安心して聴けるアルバムで、クラシカルな 様式美ヘヴィ・メタルのファンには満足出来る作品だろう。 扇情的でアップ・テンポの楽曲は格好良く、中々良く出来ている。 前作に引き続いて、元HARDLINEのJOHNNY GIOELIがボーカルを 取っているが、パワフルで扇情的なボーカルは素晴らしい。 キーボードもROUGH SILKのFREDY DOERNBERGが引き続き 参加している他、ドラマーにはMIKE TERRANAが参加している。[81]

TOP 40 HITS / AxCx

アメリカのグラインド・コア・バンドの1995年にリリースされた 2ndアルバム。アルバム・タイトルからするとカバーをやっている 様な気もするし、Theme From The A-Teamと言う楽曲がある事も 考えると、全くオリジナルばかりではない様な気もするが、全く 彼ららしい作品になっており、カバーだとしてもそのオリジナルは 全く判別不能だ。前作と比べると、やや馴染み易いメロディが出て 来るのも、アルバム・タイトルを含めて 茶目っ気みたいなものだろう。その分、前作と比べるとスピードが 遅いが、ファルセットを入れたりと、今までにない 試みもされている。[73]

AXMINSTER / AXMINSTER

アメリカのハード・ロック・バンドの再結成第1弾となる アルバム。方向的にはいわゆるハード・ロックンロールと言った 感じで、テンポでのりの良いナンバーを聴かせてくれている。 完全な新作と言うわけではなくて、これまでの音源も含めた 作品らしく、そう言った意味でも1980年代的な懐かしさを匂わせ アルバムとなっている。アメリカらしいキャッチーさとポップさを 漂わせている。飛び抜けた楽曲はないが、全体的にワイルドな 雰囲気があって、ただ単に売れ線と言った感じの作品でないのは 好感が持てる。STEVE SERAのパワフルなボーカルもバンドに 合っていて悪くない。[80]

40 MORE REASONS TO HATE US / AxCx

アメリカのグラインド・ハード・コア・バンドの1996年に リリースされた3rdアルバム。前作で持ち込まれたファルセット 等も持ち込まれており、その延長線上とも言える作品だ。この バンドらしい極端に短くブラスト・ビートを駆使した激しい楽曲が 続き、混沌と作品に仕上がっているが、 I Noticed That You're Gayの様な彼等としてはあまり 考えられない様な幾分判り易い楽曲もある。とは言え、 シアトリカルで激烈である事には変わりない。今作ではPANTERAの PHILIP ANSELMOがゲスト参加しており、SETH PUTMANとの掛け 合いは凄まじい。[77]

THE CROWN / AXE

アメリカのプログレッシヴ・ハード・ロック・バンドの 3年振りとなる6thアルバム。過去の名曲を新しく録り下ろした ベストを立て続けに発表していたので、前作から少し間が 開いたが、相変わらず叙情的でメロディアスな美しい ハード・ロックを聴かせてくれている。今までよりも、アメリカと 言うよりヨーロッパ的な叙情さが増している様に感じられる 楽曲もある。哀愁に満ちたつぼにはまった楽曲は流石と 思わせるものがある一方で、楽曲の出来にこれまでよりもやや波を 感じるが、総じてレベルは高いと言って良いだろう。[82]

COLLECTION OF POWER / AXXIS

ドイツのヘヴィ・メタル・バンドのミニ・アルバム。ライヴが 4曲、アコースティック・バージョン2曲、デモ1曲の全7曲と言う 構成になっている。ライヴの出来は決して悪くないのだが、 ボーカリストのB.WEIBの歌声がフラットしてしまっている為に、 聴いていてかなり辛いところがあるのは確かだ。 Kings Made Of Steel等は、珠玉のメロディアス・ハード曲だけに 惜しい。Heaven In Blackのアコースティック・バージョンは、 ややカントリーっぽいアレンジがなされていて、お遊び的な 色合いが強いものとなっている。哀愁の アコースティック・バラード、Juliaは彼等のメロディ・センスが 良く出ている。[78]